
あなたは登山中、何となく歩いていませんか?
言い換えれば自分が行動できる範囲を意識して歩いていますか?
山を歩いていると「どこそこまでどのくらいの時間で着きますかね?」と訊かれることが少なくありません。
人は他人に判断を委ねて回答を与えられると安心する傾向にありますよね。
他力本願。
楽チンです。
しかし、何となく歩いているのと、自分の行動能力を把握しながら歩いてるのでは、雲泥の差があります。
何となく歩いている人は行動不能になるリスクに晒されます。
自分の行動能力を把握しながら歩いている人は、行動不能になるリスクを想定しながら行動しています。
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もくじ
自分が行動できる範囲を予測するためには事実を収集すること

登山では自分の行動できる範囲を把握する能力が問われます。
自分の置かれている状況から自分が行動できる範囲を予測できなくなると・・・。
例えば無駄にお菓子ばかり持ち歩いてしまうかもしれません。
行動食の最適化ができません。
結果、荷物ばかり嵩張り本当に大切な非常食がザックに入らないというお茶目な出来事が起こり得ます(実際にそんな人もいます….)。
自分の置かれている状況を把握するとは「現状を把握する」ことです。
言葉を置き換えると「事実の収集」をやることです。
事実を収集する方法は記録を取ること、すなわち計測をすることです

記録を取ることを馬鹿にしてませんか?
たまにいらっしゃいますよね。
A6 ノートとペンを持って分岐や休憩ポイントで通過時間を記録される方が。
ご年配の方々が多いように感じますね。
行動しながら記載するのはちょっと面倒ではありますけど、あれって、データになるんですよね。
事実を収集するのは簡単です。
記録を取ることです。
これ、できてますか?
記録といってもノートにびっしりとデータを書き込む必要はありません。
簡単です。
計測をするんですよ。
え!?時計でタイム図るの??めんどくさい!
なーんてことはやりませんよ。
計測は簡単。コンデジで標識や分岐や休憩ポイントの写真を撮って歩こう

計測のやり方は簡単です。
登山道の分岐や標識、休憩ポイントなどで写真を撮っていくだけです。
スナップ写真を撮るつもりで、どこで撮影したのか分かるようにしておけばOKです。
本気の撮影じゃないのでコンデジ(またはスマホ)でOKですよ。
要するに写ればいい。
このデータ、後で見返すと、西暦、月、時間が記録データとして残ります。
そのデータをベースを基に自分のペースを把握すればいいんです。
まずは登山スタート時の写真を撮ってください。
下手くそでもいいです。
手ブレが起きても構いません。
外が暗くて写真にノイズが入っても問題ありません。
スタートした場所と時間の記録さえデータに残ればいいんです。
次に要所ごとに看板や分岐でも写真を撮ってください。
大きな休憩時の写真もあったほうがいいですね。
どのタイミングで休んでいるのか把握できるし、どんな場所で飲み食いをしているのかも把握できます。
あとは好きに一眼カメラで写真を撮ってください。
後々に写真を見返したときに、気分が良かったり感動しているときには多く撮影していることに気付くでしょう。
ノッているときはいいものを記録に残す傾向にあります。
心が躍動している度合いの高さと撮影枚数は比例します。
記録写真が蓄積し分析をすると自分の行動範囲が予測できるようになる

この集まったデータをよく見ていくと、こんなことができるようになります。
どんな地形で
どんなコンディションの登山道で
どのくらいの標高差を
どのくらいの時間で歩けるのか
が分かってきます。
つまり予測ができるようになるということです。
予測ができるようになると、どのくらいの食べ物が必要なのか、季節に応じてどんな行動食を持って行ったらいいのか、水はどれくらい必要なのか、荷物はどのくらいの重量になるのか、ということまで把握できるようになります。
昭文社の山地図ではコースタイムが記されています。
是非、自分が撮影たした写真を基に地図のコースタイムと自分が掛かった所要時間を照らし合せてみてください。
さらに踏み込んで国土地理院の等高線地図と照らし合わせるとより一層イメージしやすくなります。
私の場合だと、荷物の量、その時の体調、気候や予測がつく登山道のコンディションから、目的地までの所要時間が予測の誤差5〜10%以内の精度で収まります。
距離や行動時間が長くてもです。
それは計測してきた蓄積データから、自分の感覚に落とし込めているからなんですよね。
ランドマークをプチ撮影をするのに適したコンデジ
記録用の撮影ならコンデジが便利です。
だいたい撮影するのはこんな感じです。
・分岐での標識撮影
・要所ごとの休憩ポイント
・中継地点の山小屋
私はオリンパスの防塵防滴であるμシリーズを使って撮影していましたが、最新のものだとOLYMPUS のTough TG-5 がアウトドアフィールド用のコンデジとして君臨していますね。
売りは「防塵防滴」・「耐寒-10℃」・「フィールドセンサー」です。
特にフィールドセンサーは位置情報(経度や緯度)、温度の記録もできます。
このデータは後々に自分の行動を見返すのにとても有効な蓄積データになります。
Tough TG5はアウトドアフィールドで記録を取るには是非とも使ってみたいカメラですね。
重量もわずか250gですしカラビナにストラップをつけてくくりつけておけば邪魔になりません。
私はμシリーズをザックの腰ベルトのポケットに入れて歩いていました。
最後に、フィールドでは感覚こそ大事だと意見を持つ方もいらっしゃることでしょう。
私も感覚型の人間です。
しかし、これまでの登山を振り返ってみると、幾度も計測をしてきた結果、自分が行動できる範囲を把握できるからこそ、安心して感覚任せに山の中で自然を楽しめるという事実があります。
感覚は蓄積データの上の成り立ちます。
それでは。