
登山をする人の切実な悩み。
来年のシーズンが到来しても、今年と同じように歩けるだろうか、という懸念があることではないでしょうか。
シーズンが終わり冬季に入ると一旦、登山から離れる人も少なくありません。
つまり、冬季の登山はやらずにグリーンシーズンだけメインに山歩きをする人です。
あらゆるスポーツに共通することですが、ワークアウト(筋トレ)習慣なくしてベストな時期にベストなパフォーマンスを発揮することはできません。
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もくじ
基礎体力があるだけであなたは景色を楽しめる余裕を手に入れている

登山は体力があったほうが楽しめます。
疲れにくくなるので景色を見るゆとりができます。
登山の醍醐味は変化に富んだダイナミックな景色にあります。
息をゼェゼェさせてたら景色を堪能する余裕がありません。
どうせなら景色を堪能できたほうがいいですよね。
一口に登山の基礎体力といっても単に反復運動を続ける心肺機能だけではありません。
大きな力を瞬間的に発揮できる筋力、一定の力を発揮し続ける筋肉の持久力、そして暑さや寒さにどれだけ強いのかという防衛体力が問われます。
では何をすればいいのでしょうか。
山で景色を楽しむためにはワークアウトを習慣化すればいいんですよ。
習慣化すればワークアウトに対するストレスも感じなくなります。
歯磨きと同じですよ。
体力を温存できると、あなたは高い判断力を維持したまま行動できる
体力と相関関係にあるのが判断力です。
自分の体力に対し100%に近い水準で力を発揮できるかどうかは食事と休憩の取り方と相関関係があります。
体力の余力がなくなってくると判断力が鈍り思わぬ行動にでてしまい遭難予備軍に入ってしまうことがあります。
体力の温存が切れてくると、自分の頭で考えるのが面倒になって人に判断を委ねてしまう人がいます。
「あとどれくらいの時間で目的地に着くのか。」ということを人に問うようになるんです。
こういう時って、早く目的地に着いてラクをしたいという心理が働いているんですよね。
人から得た回答に寄り添ってしまうんです。
私にも経験があります。
道の分岐のどちらに行けばいいのかを人に尋ねたんです。
わざわざ重いザックを背中から下ろし地図を広げて現在地を確認するのが面倒だったからです。
自分なりに判断しなかった結果、登山道とは程遠い沢筋の雪渓から下山をする羽目になりました。
ピッケルもアイゼンもなかったので引き返すこともできません。
滑落防止のために近くに生えている木の枝や背の高い草をつかみながら下山をしました。
手の平は傷だらけになりました。
軽量化ができない登山もある。基礎体力があるほどフィールドで遊べる

最近は登山用具の軽量化が流行っています。
山岳雑誌でも特集が組まれたりしています。
荷物は軽い方がラクに決まっています。
しかし、荷物を軽くしてタイムが速い方がいいみたいな風潮を感じます。
一方でタイムが速いほどいいと考えてない人たちもいます。
風景を求めて山に入る人です。
朝と夕方の景色は最も一日のうちでも光の変化が最も激しい時間です。
失敗がない人間よりもジェットコースターのようなエピソードを持つ人の方が面白みを感じるように風景も陰影があるほうがドラマチックなんです。
それが朝と夕方なんです。
その時間帯に写真を撮りましょう、となるとテント泊で山に入った方がチャンスが広がります。
相部屋の人に気を遣うこともなく自分のペースで行動できるからです。
必然的に寝袋や調理器具、撮影機材を持ちあることになります。
本気で撮影するなら何本もレンズを持ち歩きますよね。
超広角レンズ、標準ズーム、明るい単焦点レンズなどなど。
予備の電池やサブカメラ、三脚も必要ですね。
水場がない場所だったら飲料水も必要ですね。
荷物は何キロでしょうか。
どんなに軽くても20kgを下るのは難しいですよね。
軽量化に悩むよりいっそのこと体力をつけたほうが手っ取り早いですよね。
アイテムを持ち運べるほど登山というフィールドを通じて遊べる幅が広がります。つまり楽しみが増えて人生を豊かにします。その根本となるのが基礎体力なんですよ。
じゃ体力って何だよ?
登山の基本は有酸素運動です。
大きな筋力を発揮するシーンは滅多にありませんが何時間も行動できるスタミナが必要になります、というのが定説。
心肺機能は歩いていると勝手に向上してくるのでここでは触れません。
よく登山の体力トレーニングには、腕立て伏せ・スクワット・腹筋・背筋が紹介されています。しかしハシゴや岩場がある場所を歩くならこれらのトレーニングは実践に即しているとはいえません。
ここで指している体力とは行動をするための実践的な動きを助ける筋力と定義します。自分が行う動作に対する筋力が高いほうが行動をする上で余力ができるので精神的にも肉体的にもラクになります。
登山で本当に役立つワークアウト(筋力トレーニング)には3つの動作がある
1つ目が上から身体を下へ引く動作です。
よく考えてみてください。
ハシゴや鎖場があるルートを歩くときはどんな動作をしていますか?
腕で対象物をつかんで自分の体をひきつけませんか。
それも上から下に引く動作がメインです。
その動作に一番近いのが懸垂です。
女性だと懸垂をするのが難しいと思うので斜め懸垂がオススメですよ。
2つ目が下から身体を垂直方向に押し上げる動作です。
岩場で役立つのがディップスです。
下山をするときに両手で体を支えながらゆっくりと下ろすシーンはないですか。
ディップスは両手で自分の体を支え上下に押し出す運動です。
同じ押す動作の腕立て伏せと比べても断然ディップスのほうが実践に近い動きをしています。
3つ目は身体を足の力で垂直方向に押し上げる動作です。
足腰を鍛えるにはブルガリアンスクワットがいいですね。
実は段差がある地形を登るときは太ももの裏やお尻の筋肉を使っています。
ブルガリアンスクワットではこの部位を強化できます。
もし毎週のように登山に行くなら腹筋や背筋はそんなに真面目にやらなくても大丈夫です。
ザックを背負って歩いていると腹筋や背骨付近の筋肉(脊柱起立筋)を使います。
更に詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
それでは。