
多くの人に当てはまるのではないかと思いますが、登山の初日って寝不足で登ってませんか?
一番パフォーマンスを発揮すべき日に、一番パフォーマンスの悪い条件で登る。
これって、何か矛盾していると感じているのは私だけでしょうか?
登山口から標高を稼いで稜線まで登る日に寝不足で登っている人、少なくないですよね。
ご自身でお気付きかとは思いますが、後半戦で次第にパフォーマンスが低下し、時折、頭がポーっっとすることもあろうかと思います。
これって、あまりハッピーな状態とは言えませんよね。
山を歩くという行為において、本当にハッピーな状態とは、寝不足感もなく、マイペースで歩けて、じっくりと景色を堪能できることではないでしょうか?
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寝不足で登山をする背景事情
多くの現役世代は週末に休みの人が多いです。
そんな現役世代が山に行く、と言ったら週末になりますよね。
寝不足で登山をしてしまう背景事情としては、週末に殺到する駐車場の確保問題があります。
早めに到着しないと駐車場が埋まってしまい、結果的に少し遠くの駐車場(1km先とか)や路肩にしか止められず、登山の開始/下山後に余計に歩かなければなりません。
更に登山のスタート時間が遅いとテント場の場所(いい場所という意味)でさえ確保できないという問題もつきまといます。
そのため、深夜に登山口の駐車場に入って車中泊することになるのですが、仮に駐車場の確保をできたとしても、深夜にひっきりなしに入ってくる車のライトや音であまり寝られないというのが実情ではないでしょうか。
もはや個人の問題というよりは、日本社会のシステムそのもの(週末しか休めない)が、形を変えて登山に反映されていると言っても過言ではありません。
睡眠を確保して登山をするにはどうしたらいいのだろう?
寝不足感のない登山って充足感に溢れています。
明らかに寝不足の時よりも気分がいいし、景色ともきちんと向き合えます。
では、睡眠を確保した登山を実現するにはどうしたらいいのでしょうか?
一つは個人レベルの問題でアクションの起こし方を変えることです。
なるべく布団で寝る時間を確保し、登山口に向かう。
その場合、登山口から遠目の駐車場に車を停めることになり、人より多めに歩かなければなりません。
ところが、睡眠をきちんと確保できているのでパフォーマンスをフルに発揮できます。
仮に7時間や8時間の行動時間を想定した場合、たかが30分や1時間の遅れなんて簡単に覆せるだけのパフォーマンス発揮が見込めます。
しかし、この方法は広い目で見たら、他人を出し抜くことに変わりありません。
どういうことかと言うと、寝不足で出発した人たちをパフォーマンス発揮に任せて追い抜いてテント場を確保(いい場所という意味ね)するということです。
全体としては単なるゼロサムゲームであり決して建設性があるものではありません。
なぜならば、そのゲームからあぶれてしまう人が出てしまうからです。
テントを張れなくて山小屋泊まりに変えざる得をえない、条件の悪い場所に張る etc。(入る山域にもよるけど)
ということを理解しつつも、今現在、私が採っている方法でもあります。
基礎体力を担保したうえで更にパフォーマンスにブーストをかける。
そのためには、たとえ車を止めれる場所が登山口から離れていたとしても睡眠を確保したうえで登山に入る、といったものです。
(本当は全体のハッピーを考えるのが高潔な在り方だけど、自分のハッピーを考えているw)
二つめは、社会のシステムや在り方そのものが変わることです。
休みが取りやすい社会になる、の一言に尽きます。
好きな時に2週間くらいのバケーションが取れるくらいの勢いが必要ですよね。
残念ながら、まだまだ今の日本は3大習慣(年末年始、GW、お盆 )+ 3連休に毒されており、特定の時期・特定の場所に人が殺到してしまう現象が起きています。
その結果、プライベート感のない満員電車のようなテント場、山小屋で2枚の布団に3人が寝れたらマシ、という妙な価値観まで芽生えてしまっているわけです。
そんな中でも北アルプスの朝日岳の姿勢はとても評価に値します。
定員は100名までにし、無理に人をつめこまない姿勢を貫いています。
これが本来あるべき姿なんですけどね。
(余談ですが、ここのテント場、週末でもアホみたいに混まないですよ〜)
さて、あなたは寝不足にまつわる登山の在り方について、どのように考え、どのように行動しますか?
それでは。