
星景撮影をするのに明るいレンズが必要なタイミングってそんなに多くないんじゃないのか、って思うことありませんか?
星を点像として撮影をしたい、天の川を撮影したいとなると月明かりは邪魔です。
となると、人里離れた山奥、新月の夜、或いは月が沈んだ後の撮影ということになります。
しかし、その逆もまた然り。
満月の日だってあります。
以前、この記事で、星を点像で撮れなくても流し撮りができることについて触れました。
今回も同じ手法で撮影をしてきました。
それも雪上で。
そう、今回は満月ではないけれど月明かりが盛大に出ている星空撮影を立山連峰の懐でやってきました。
使用したレンズはペンタックスのHD PENTAX DA16-85mmF3.5-5.6ED DC WRです。
DA16-85mmは日中の風景撮影向きだと思っています。
決して星景撮影に向いたレンズだとは考えていません。
しかし、条件によっては使えるレンズでもあります。
その条件とは月明かりの力を借りた比較明撮影でスタートレイルを表現する手法です。
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もくじ
ペンタックスのボディ(K-3)には比較明合成できる機能がついている

後継機がなかなか出なくてヤキモキしているペンタックスのAPS-Cユーザーも多いのではないでしょうか。
しかし、K-3はまだまだ現役でいけますよね。
ボディ内にはインターバル撮影をしながら比較明合成ができる機能が実装されています。
これはペンタックス機ボディのアドバンテージでもあります。
これまでAPS-C機のペンタックスのカメラには、明るい広角レンズがないことに不満を感じておりました。
裏を返せば暗めのレンズで露光時間を長くして星が流れたとしても比較明合成機能でスタートレイルを作ればいいじゃないか、と思うようになってきました。
月明かりがある雪上の適正露出は新月の星像撮影よりも6段暗くてOK
天の川撮影はサムヤン12mm f/2とFUJIFILM のミラーレス一眼でバッチリいける では、月明かりが完全に消えた後に出てきた天の川を撮影をした時の露出を以下に設定していました。
・絞りf/2
・ISO 6400
・シャッタースピード13秒
今回、月明かりの力を借りて撮影した露出は6段分暗いです。
月明かりと雪面に跳ね返る残照の威力を思い知らされますね。
・絞りf/5.6(上記より3段暗い)
・ISO 800(上記より3段暗い)
・シャッタースピード13秒
30秒ごとに240枚インターバル撮影した比較明合成
シャッタースピードは13秒、30秒ごとに撮影しています。
よって転送速度が速いSDカードは不要です。
実際に今回の撮影で使ったのは書き込み45MB/sのSDHCカードです。
撮影時間は2時間。
基本的に設定したらそのまま放置です。
ピント合わせ、構図さえしっかりと合わせておけば失敗することはないでしょう。
三脚はマンフロットのコンパクト三脚 Befree カーボンを使いました。
その他の設定です。
・マニュアル
・中央測光
・ハイライト補正OFF
・シャドウ補正OFF
・長時間露光ノイズリダクションOFF
・高感度ISOノイズリダクションOFF
・手ブレ補正OFF
・モードは風景
・WBは晴れ
・距離点切り替え:スポット
・RAWで撮影
240枚目をRAWからJPEGに現像しています。

その他、APS-Cフォーマット機で比較明合成ができるボディです。
PENTAX デジタル一眼レフ K-3II ボディ GPS内蔵
月明かりの力を借りればキットズームのレンズでも撮影できるはずです。
是非、挑戦してみてくださいね。
それでは。