よくJPEGで撮影したデータをレタッチすると画質が破綻すると言いますが、実際にどの程度破綻するのかイメージがつかない人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで実験です。今回はRAWファイルに対してどれだけJPEGが破綻しやすいのかを実例でご紹介します。
データはAPS-C機の1600万画素14bitで撮影したものになります。撮影地は夏真っ盛りの北アルプス・朝日岳の小屋付近です。
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レタッチ前のRAW+JPEGで撮影した写真
上がRAW、下がJPEGで撮影した写真です。撮影時の設定値は 10mm f/8 1/200秒 ISO100 露出+1.3です。


Lightroomで露光量を-1.5落とした後のRAWとJPEGの写真
さて、ここから先ほどのデータを少しづつ編集していきます。ちょっとキツ目でパラメータを設定してみます。露出をLightroomで意図的に-1.5落とします。上がRAW、下がJPEGで撮影した写真です。


どうでしょうか?下のJPEGで撮影した写真は、雲と空の階調感がなくなってますね。
更にLightroomでシャドウ+100にした時のRAWとJPEGの写真
先ほど同様にキツ目にパラメータを設定します。更にシャドウを+100にするとこうなります。上がRAW、下がJPEGで撮影した写真です。


どうですか?RAWは階調が潰れずに残っていますが、JPEGでは雲が白飛びし階調感がありません。
更にLightroomで黒レベルを+100にした時のRAWとJPEGの写真
今度は黒レベルを+100にしてみましょう。
上がRAW、下がJPEGで撮影した写真です。


下のJPEGでは塗り絵感が強くなってきましたね。
更にLightroomで明瞭度を+100にした時のRAWとJPEGの写真
今度は基本補正の中の外観をキツ目に設定していきます。明瞭度を+100にしました。上がRAW、下がJPEGで撮影した写真です。


下のJPEGは相変わらず雲の階調感がありません。
更にLightroomでかすみの除去を+30にした時のRAWとJPEGの写真
かすみの除去をやってみます。+30にします。上がRAW、下がJPEGで撮影した写真です。


JPEGデータは救いようがないレベルになりました。一方でRAWで撮影したデータは階調が潰れずに粘っています。
更にLightroomで自然の彩度を+100にした時のRAWとJPEGの写真
最後に自然の彩度を思い切り上げてみましょう。100に設定しました。上がRAW、下がJPEGで撮影した写真です。


これがRAWとJPEGの差です。レタッチまで考えるならRAWで撮影しておけば間違いないですね。
オリジナルのRAWデータとレタッチして見たRAWデータ
最後にRAWで撮影下データの編集前と編集後をみてみますか。今度はキツ目のパラメータの設定はやらずにきちんとレタッチしました。
オリジナルのRAWデータです。

レタッチ後のRAWデータです。

とまぁ、こんな感じでRAWファイルから現像処理をするとレタッチで雰囲気を変えることができます。しかし、やり過ぎると現実の世界から乖離します。自然な感じでレタッチできると最高ですね。Lightroomはオンラインコード版を使用しました。
それでは。