危険は図に乗り始めた頃にやってくる。私が夏の山で滑落事故を起こしそうになった安易な行動

Pocket

7月の天気の悪い日の雪倉岳

あなたにも思い当たる節はありませんか?物事がうまく行く頃になると調子に乗っちゃうなんてことが。私も含めて、そんな節は誰もが一度や二度あるのではないでしょうか。

 

図に乗る、調子に乗る、有頂天になる、表現は違えど同じ意味合いですね。どの言葉で表現しても当てはまります。

 

私の場合、登山という枠で見るとこんな感じで調子に乗ってました。ある程度、経験も積んでたいぶ心に余裕がある時ですね。

 

・鍛えてるから体力がある。ごぼう抜きなんて楽勝だぜ
・あちこち行ってきた。こんな登山道なんて楽勝だぜ
・道具なんか頼らなくても何とかなる

 

そしてピンチな場面に自分が立つことになります。

 

 

手に持った小石でステップを切った雪渓。失敗したら数百m滑落のリスクを背負う

 

7月と言ったら夏山真っ盛りの季節です。気温は高くなり融雪が進んでも北陸に近い山岳地帯では雪渓が残っています。条件によっては雪渓の表面がアイスバーン化としてしまうことがあります。こんな具合ですね。

夏にアイスバーン化した雪渓

その条件とは何か。前日に雨が降って強風が吹き朝方に気温が低下した場合です。こんな時にアイゼンを持たずに雪渓を渡るのは自殺行為です。

 

そんな条件の時に白馬大池経由で雪倉岳へ向かいました。

 

前日まで雨が降っていたので白馬大池で待機していたのですが、天候が安定してきたので出かけることにしたのです。ここで悪魔の囁きが聞こえてきます。”アイゼンなんか邪魔だから置いてこうぜ” と。その通りアイゼンはテントの中に置いてきました。

 

俺なら大丈夫。体力があるから何かあっても大丈夫。ピンチに陥ることなんてない。道具に頼るなんて軟弱だ。面倒くさいものなんて置いてこう。なんて思ってました。

 

そして、三国境から雪倉岳に向かう雪渓でピンチに窮することになります。

7月の雪倉岳

雪渓の大部分はスリップするような雪質ではないのですが、部分的に表面が固くなっている場所があります。アイゼンを置いてきたばかりに雪渓を渡るのに難儀を強いられることになります。

 

わずか数m幅の限ってアイスバーン化とした雪質だったのです。滑落するとゆうに数百mはスリップしていくであろうことは簡単に想像できます。

 

ここでやるべき正しい判断は、諦めてそれ以上先には進まないことです。しかし、それをやりませんでした。理由は機会損失です。無理をして渡ることを試みます。アイゼンもなし、ストックもない状況で。

夏の雪渓。三国境から雪倉岳に向かう途中

この雪渓をどうやって渡ったと思いますか?

 

小石で雪面を砕きながら僅かなステップを切り、そこに足を置いて次のステップを切るということを繰り返して渡りました。本当の核心部の幅はわずか5mほどだったと思いますが20分以上かけて渡りました。行きも帰りも。写真は実際に使った小石です。

小石で雪渓を砕いてステップを切った

ここでせめてチェーンスパイクがあるだけでも違かったんだろうなと思います。実際に私が難儀している最中にアイゼン着用組はスイスイ歩いてましたね。哀れの視線すら感じました。そりゃそうですね。はたから見てアホですもん。

 

私がテントに置いてきたのは10本爪のアイゼンでした。これさえ持ち歩いてれば往復で40分の時間をロスすることもなかったでしょう。

 

うまくできるようになったら(図に乗り始めたら)、慎重になれ!
でも、根拠のない自信も大事だ!

を、うまく使い分けて事故を起こさぬよう山歩きを楽しんでいきましょ。

 

それでは。

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA