カメラを始めるきっかけは人それぞれ理由があります。 私が一眼レフを始めた理由は山の風景を撮りたい、タイムラプスを作りたかったからです。
カメラを始めた当初は彩度の高い色でばかり写真を撮っていました。とにかくビビットでコントラストの高い絵ばかりを好んでいました。
ですからカメラに設定するシーンも風景で彩度を+3、コントラスは+5といった設定にしていました。
そのような流れから自然とHDR(High Dynamic Range)で撮影された写真やタイムラプスにも興味が向くようになります。HDRで撮影された画像にはカッコイイというイメージがありました。
しかし、最近はどうも好みに変化が生じてきているようなのです。加工され過ぎている絵にあまり心が傾かなくなってきています。
根底にはシンプルさを求めているという背景があります。
このことは他の私生活にも表れています。ワークアウトもなるべく種目を少なめ、食事の味付けも何かの素には頼らずなるべく原料に近いものでと言った具合にです。
あらゆる物事に対してシンプルな方が力強さを感じるのです。そんな具合に最近はリバーサルフィルムの色やモノクロームに心が傾いています。
モノクロームは普遍的な色合だ
すごくないですか!?白と黒だけで平面の世界に立体感を表現するんですよ。シンプルですよね。白と黒の加減だけでこの世を表現するんですよ。
そういえば昔、Web TVとかCD5枚チャージャーのオーディオとかありまたよね。これらの製品が世の中に出た時は画期的で人気だったのでしょうがいつの間にかこの世から姿を消してしまいました。
それがipodに置き換わりiphoneにまで変移してきました。今、世の中の変化スピードがどんどんと加速しています。
今やアプリで絵や画像を作り出せる時代になりました。でも、モノクロームは普遍的な色合いです。
モノクロームの世界は水墨画が伝わってきた時代から本質的には変わっていません。たった一色の墨だけでこの世界を表現しています。たった一色の濃淡だけでですよ。奥が深いです。
白と黒だけで世界観を表現をする。もっと深く言うなら黒の濃淡だけで目に映る風景を人に伝えていると言えます。
GENESIS
どの写真家が好きだとかそういったものはないのですが、風景写真というと自ずとアンセル・アダムスの写真集というところにたどり着きました。
そりゃど素人が物事を調べる時はGoogleの検索エンジンで「風景 写真家 世界」みたいな言葉で検索をかけて上位に出てきた言葉から知ることになりますから当然ですね。
そんな幾つかの過程を経てセバスチャン・サルガドのGENESISという写真集を手にしたというわけです。
GENESISで最も目を引いた点は表紙の写真です。アラスカのブルックス山脈の合間に流れる谷川の絶景に力強さを感じました。それも実際に写真集の表紙を見たわけではなく、インターネットで検索した画像で見ただけです。
白黒だけでこれだけ強力な印象を残せることに純粋にすごさを感じました。サルガドがどんな人物でどんな生き方をしてきたのかという背景事情は知りませんでした。
この凄さはサルガドに対する個人的なバイアスが一切ない状態で受けた純粋な印象でした。
この写真のページをめくると数々の白と黒の世界が目に飛び込んできます。この写真を見る度に世界に吸い込まれていってしまいます。
最新の加工された絵作りには流行りと消費感を感じます。しかし、この写真集に収められている絵には心に印象付けられます。
本当に白と黒だけでこんな世界が表現できることがスゴイ!
僕もサルガドの影響を受けて何となく真似てみました(笑)。
※ SMC PENTAX-F 80-200mm F4. 7-5.6 200mm(300mm相当)で撮影
あ、この写真は中古店で購入した2000円の望遠レンズで撮影したものです。RAW画像をLightroomでモノクロにしてみました。意外と写るでしょ。
それでは。