あなたは、登山中に写真撮影をする時、カメラの撮影モードを何に設定していますか? プログラムオート・モードですか? それとも絞り優先モードですか?
おそらく多くの人が絞り優先モードで撮影しているのではないでしょうか。実はK-3が故障中のため、止む得なくマニュアルモードで撮影をしています。
修理すればいいじゃないか!と考えるのが妥当なところ。でも修理だけじゃ根本的な問題解決にはなりません!ってことできちんと調査をしてもらうことにしたのです。
これまではマニュアルモードと言えば、タイムラプスの制作のためにインターバル撮影をする時、星空を撮影をする時だけ使っていました。しかし、今回のカメラの故障で、日中の行動時にもマニュアルモードで撮影をするようになってからは、被写体の光量を意識するようになったことも事実です。
4週間・述べ7日間の登山で、実際にマニュアル撮影をして気づいた点を記します。撮影条件は晴れ・曇りの2種類です。
もくじ
絞り優先モードでは、F値を自分で設定して、シャッタースピードとISO感度はカメラ任せ
F3.5-5.6の標準ズームを使っているなら、前ボケを作りつつ遠くの景色を引き寄せるにはF値を5.6に、遠景を撮影するならF値をF8に、太陽の光芒を出したければF値を16にという具合にF値だけ変更すれば、あとはカメラが勝手にシャッタースピードやISO感度を設定してくれてました。
絞り優先モードを使っている時は、ほとんどの撮影シーンで、「絞り」と「どこの明るさで露出を測定するのか」さえ意識していればOKでした。
これがマニュアルモードでの撮影になった途端、白とびや黒とびの写真を量産してしまうことになりました。その理由は、被写体に当たる光の加減から適正な露出を判断できなかったためです。
絞り優先モードは便利です。しかしながら、露出を適正に判断する能力が身についてなかったと気付きましたね。そんな中でここ4週間・述べ7日間の登山で、マニュアル撮影のコツを掴んできました。
直近3日間の撮影で確信!肝となるのがシャッタースピード
最近の2泊3日の縦走登山が一番、適正な設定で撮影できましたのでサンプルデータとしてご紹介していきます。
肝となるのがシャッタースピードです。野外での日中の撮影ならISO感度は100固定、F値も大体は5.6か8で固定するからです。風景撮影ですからね。大体はパンフォーカスになります。そのためF値も大きく変化することはありません。
今までシャッタースピードだ大事だということを気付きませんでしたねぇ。動体撮影する人にとっては、シャッタースピードこそ大事な要素になりますよね。だからこそ高感度に強い低画素機のフルサイズセンサーを積んだD4やD5、EOS-1D系のカメラがスポーツ写真に使われるんでしょう。ISO感度を高くしてシャッタースピードを稼げますから。
それでは撮影データを見てみますか。
暗い時間帯である朝5時から動いているので、ISO感度が200〜3200のものがあります。ここでのデータはISO感度を100に固定したもので抽出しますね。
撮影データ338枚から更に、もっとも多用したシャッタースピードと絞りを抽出しました。
絞り | ||
シャッタースピード | F5.6 | F8 |
1/100 | 13枚 | 10枚 |
1/250 | 16枚 | 106枚 |
1/400 | 13枚 | 99枚 |
こうして見ると、圧倒的にF8での撮影が多いですね。登山で日中の撮影をするなら大口径の明るいレンズが不要であることを物語っています。
F8で撮影されたデータに焦点を絞って更に深堀してみます。
1/250で撮影されたデータです。
もっとも早い撮影時間が6:37。
もっとも遅い時間が14:46。
1/400で撮影されたデータです。
もっとも早い撮影時間が8:51。
もっとも遅い時間が14:52。
晴れや薄曇りの日中に、山岳写真をパンフォーカスで撮影するには、シャッタースピード1/250や1/400に設定すればいいということが分かりましたね。
実は1/250 や1/400というシャッタースピードについての知識は、以前、何となく書籍から仕入れいてました。うん、何となく現場で実践してみた感じですね。
作例1(日中の撮影):シャッタースピード 1/250 、絞りF8、ISO感度100
作例2(日中の撮影):シャッタースピード 1/400 、絞りF8、ISO感度100
作例3(日が昇る前の撮影):シャッタースピード 1/100 、絞りF5.6、ISO感度1600
作例2と比較すると、
シャッター速度が4倍遅いです。
絞りが1段明るいです。
ISO感度は16倍です。
晴れの日中の撮影では、早朝の128倍もの光量があります。
今まではシャター速度、ISO感度を意識したことがありませんでしたよ。絞り優先モードが全部やってくれてましたからね。
で、マニュアル撮影ができるメリットって何だ? 快晴の日に撮影をすると絞り優先モードでも白飛びが起こる。だから、露出をアンダーに設定する。マニュアルで撮影することで、この現象を事前に防止することができることかですかね。残念ながら答えは見出せてません。
それでは。