かつて、私はテント泊をしながら食材を持ち込んで調理をするような登山に憧れていました。
山で調理するに憧れて、家庭用のカセットコンロをザックに詰めて丹沢の山を歩きましたよ。
自宅で切ってきた玉ねぎ、人参、ジャガイモ、肉などをジップロックで持ってきてカレーを作りましたね。
無知と憧れの組み合わせって凄い。
今の自分から見ると滑稽。
それでも当時は本気でした。
テント泊をやろうと思い立った時、何もかも知らないことだらけでしたよ。
シェラフって何? コッフェルって何? カートリッジって何だよ? という状況でした。
単語とモノが自分の頭の中でリンクしてませんでした。
何かを始めよう!と思い立つ時、そこには憧れがあります。
物事をスタートする時は憧れがあればOKです。
とはいえ、これからテント泊登山をやろうとしている人にとっては一番最初に何の道具を揃えていいのか分からないですよね。
超初心者で無知だった私から標高6000m級の山へのエクスペディションをできるようになるまで成長してきた自分なりの視点で情報発信をさせて頂きます。
お手本は世界各国のトレッカーやエクスペディション登山をする人たちです。
彼らから実に多くのことを学ばせて頂きました。
そのスキルは現在の登山に活きています。
これから紹介する製品には私の命を託して私を守ってくれた道具達が含まれています。
グリーンシーズの3000m級の国内の山からエクスペディションで使用した製品の両方をご紹介します。
この情報以外にも様々な発信元から情報を集めて自分が行くであろうシーンを自分なりに解釈をすることをオススメします。
で、必要なものは何なのか?
ザックは当然必要だとして、テント装備に的を絞って必要なものを列挙すると、
- バーナー
- 燃料
- コッフェル(つまり鍋です)
- テント
- シェラフ(寝袋)
- マット
突き詰めるとこれだけですね。
無雪期の国内登山ならガスタイプのバーナー一択
登山用のバーナーというと何やら専門的な機材のように感じてしまいます。
実際のところは家庭用のカセットコンロと変わらない構造をしています。
家庭用カセットコンロとの相違点は、
・折り畳みができること
・そのため、五徳(鍋を乗せる台)が小さい
・ゆえに、小さい鍋の利用がメインとなる
ことです。
バーナーに装着させるガスカートリッジには2種類あります。
1つ目は、家庭用のカセットコンロ用のガス缶(CB缶)と同じ形状をしたものです。
寒冷地にでも行かない限り、量販店で売っているガス缶(CB缶=Cassette Bomb)も使えます。
バーナーにカセットコンロ用のガス缶を装着する時はガス缶を真横にします。
地面に置いた時の安定性もバッチリです。
火力も申し分ないですね。
デメリットはガス缶をコフッェルの中にスタッキング収納できないことです。
かさばっちゃうんですよねー。
登山ではなるべく荷物はコンパクトにまとめたいものです。重量よりもかさばる方がストレスになります。
私もこの手のやつ(SOTO製のST-310)を使ってます。でもなかなか壊れる気配がないので使い倒してますよ。
品質がいい証拠ですね。
2つ目は、コッフェルにガス缶を収納できる形状(OB缶=Out Door)にしたものです。
一般的な登山ではこちらの形状の方が主流ですね。
調理をする時はこのガス缶の上にバーナーを装着します。
不安な点は地面にバーナーを置いたときの安定性です。
しかしながら、荷物をコンパクトにまとめられるというメリットがあります。
登山の大半の時間は荷物を背負おって歩くので荷物がまとまっていることに越したことはありません。
この中でも分離型もタイプもありますが、やっぱりコンパクトさに欠けます。
調理能力にはどちらを使用しても大差はありません。
登山に特化することを考えるとガス缶をコフッェルに収納できるOB缶タイプがオススメです。
色々あるバーナーの中でもSOTO製の「ウインドマスターSOD-310」が一押しです。
このバーナーの利点は軽量(本体は約70g)かつ、コンパクトにまとめられること、それでいてパワーがあること、加えて大きめの五徳(4本足)をオプションで付けれることです。
状況に応じて使い分けができるカスタマイズ製はポイントが高いです。
数あるメーカーの中でもSOTOのSOD-310を選ぶ理由はバーナーに特化したメーカーであることです。
それから品質面にも信頼を置いている点です。実際に現在使用しているST-310を使用して感じていることです。
はい、4つ目のバーナーとして購入しちゃいました(記事はこちら)。
冬季登山、海外へのエクスペディションまで見据えるならMSR製の液体燃料バーナー以外に選択肢なし
ガスバーナーの他にも液体燃料を使えるバーナーがあります。
仕様はエクスペディション・クラスです。冬季登山や高地(標高5000m以上)の場所、チャリダーで燃料の調達に万能性を求める人向きです。
海外トレッキングなら液体燃料タイプのバーナーを選んどけば間違いなし!
この液体燃料タイプのバーナーの利点は、世界中、どこでも燃料を調達できることです。
ガソリンでもケロシン(灯油)でもディーゼル(重油)でも手にできる点です。加えて酸素の薄い場所(高地)でも使える点です。
実際の実用上ではガソリンが一番使いやすいので、ホワイトガソリンまたは自動車用ガソリンを入手することが多いでしょう。
ほとんどの大陸で燃料を入手するのに困りません。
日本が一番面倒かも。
自分で缶に燃料を入れちゃダメだとかね。
ネパールやアフリカではガソリン屋さんで自動車用ガソリンを入手、南米のパタゴニア地方では雑貨屋さんでホワイトガソリン(Bencina Blanca =ベンシーナ・ブランカ)が簡単に手に入ります。
また、北米に行くとアウトドア店が増えるのでお店でホワイトガソリンを入手できます。
ガソリンが一番使いやすい理由は引火点が低いためプリヒート(余熱)をしやすいためです。
燃料の噴射口がプリヒートされると内圧で燃料を噴射させた瞬間、気化します。火はこの帰化した燃料を燃焼することで発生します。
実にシンプルな構造ですね。
次いでケロシン(灯油)になりますが煤が酷く発生します。
ディーゼル(重油)は引火点が高くプリヒートが困難です。
ディーゼルはバーナ用の燃料としては寒冷地で役立ちません。
今でもMSRのドラゴンフライ(火力調整可能)、そしてウィスパーライト ・インターナショナル(火力調整不可だが音が静か)には絶大な信頼を置いています。
構造がシンプルなだけに頑丈です。
メンテナンス製も抜群です!
大都市圏やトレッキングへのゲートシティに行けばスペアパーツも簡単に入手できます。
どんな過酷なエクスペディションでも使い倒せます。
私はドラゴンフライを標高6000mまで持って行き万年雪を溶かしてお湯にし、調理をしました。
将来的に海外遠征の登山や自転車での周遊を考えているならMSR製のバーナーを選んでおけば間違いありません。
登山基地などに行くと国籍関わらずMSR製のバーナーを使っているのが当たり前です。日本の山では絶対に見られない光景です。
それだけ高い支持を得ている製品です。
MSR シングルバーナー・ストーブ ウィスパーライト インターナショナル
SOTOにもMUKAストーブ SOD-371という液体燃料タイプのバーナーがあります。
もし、スペア部品を海外でも流通していて、かつ、どんな環境でもタフさを発揮できる能力があれば間違いなくこのストーブを選びますね。
MSR製バーナーの1.5倍もの発熱量を誇ります。
プリヒートも不要です。
最強なスペックです。
しかし、パッキンなどの消耗品やポンプなどのスペアパーツの入手にのしやすさを考えるとMSRに一歩譲りますね。
もし、このバーナーを使うとしたら厳冬期の日本の山が一番です。
それでは。