冬季は山に登らないよ、という人もいよいよ本格的な山シーズンが目前に迫ってきましたね。
圧倒的な風景を目の前にすると写真に収めたくなりますよね。
もくじ
山に入ると一眼レフ保有率が下界よりも高くなる
登山者をしている人たちを見ていると、下界よりも一眼レフ保有率が高くなります。登山者が持っているカメラには傾向性があります。
例えば、ファミリー層が訪れような観光地では、18-55mmのズームレンズを着けたNikonやCanonのエントリー機をよく見かけます。NikonだとD3000番台、CanonだとKissシリーズがエントリー機用のカメラに当たります。カメラも小型で積んでいるセンサーはAPS-Cフォーマットです。
Nikon デジタル一眼レフカメラ D3400 AF-P 18-55 VR レンズキット ブラック
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X9 EF-S18-55 IS STM レンズキット
これが山になるとフルサイズ機(以下FF機)を持ち込む人たちを見かけるようになります。FF機の保有割合は全登山者の10%未満。それでも下界の観光地と比較すると圧倒的に多いですね。
機種はSONYのα7系、NikonのD610 、D750、D800番台、CANONのEOS 5D Mark 5ⅲ、EOS 6Dといったところです。行動用につけているレンズは24-70mm F2.8や、24-100mmまたは24-120mmのF4.0が多いです。山の風景では望遠レンズが要らないことを物語っているいい例です。
やはり一番分厚い層はAPS-C機を持ち込んでいる人たちです。
山というロケーションになるとPENTAXブランドのカメラ保有率が下界よりも高くなります。APS-C機で防塵防滴対応をしているというのが大きな理由ですね。ここではDA18-135mmF3.5-5.6 の高倍率ズームレンズをカメラに着けている人が多い印象です。
マイクロフォーサーズ機になると、オリンパスのE-M5やE-M1が下界に比べて圧倒的に目立ちます。やっぱりこれも防塵防滴に対応しているゆえに人気があります。
OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M5 MarkII ボディー
OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII ボディー
実は私は一眼レフを初めて購入する時、イメージセンサーのサイズという概念がありませんでした。一眼レフとは黒いカメラでゴツくてズームができて写りがいいカメラと思ってました。
量販店の店頭に並んでいたカメラの中で、私がイメージしていたものに合致していたのはCanonのKissシリーズ、NikonのD3000、5000、7000番台、それからPENTAXのK-30、K-5IIでした。
その中でも予算の兼ね合いを考慮し目に入ってきたのは、”防塵防滴”というフレーズでした。それまで使っていたカメラはオリンパスのμ780SW という防水対応のコンデジでした。そんな経緯があってPENTAXユーザーになってます。一眼レフといえばNikonかCanonしか知りませんでしたからね。PENTAX何それ!?という感じでしたよ。
とまぁ色々と書きましたが、山の上では壮大な風景が広がっているわけで、その風景を写真に収めたくなるのが人情というもの。だから写りがいいカメラを使いたくなる。必然的に一眼レフ率が高くなるというわけです。
山岳写真で必要な機材とは
日中、朝焼け、夕焼け、星空、タイムラプス動画の素材も撮影するなら機材は5kg程度になります。この撮影をするレンズの焦点距離は10mm〜100mm(FF機換算で15〜150mm相当)で組んでいます。
レンズ沼にハマっているあなたへ。ほぼ毎週登山に行っている私が分析したレンズの焦点距離
ここではPENTAX機で事例をご紹介します。どのメーカーのAPS-C機でも似た感じになります。
機材 | 重量 | 用途 |
メインボディ(バッテリー込み) | 800 | 行動中の撮影用。標準ズームレンズで稼働 |
サブボディ(バッテリー込み) | 650 | 行動中の撮影用サブ。超広角やマクロレンズで稼働 メイン機でインターバル撮影中に周囲を撮影 |
標準ズームレン ズ (DA 16-85mm F3.5-5.6 ) | 490 | 行動中に使用。主に森林限界を抜ける辺りから稜線で大活躍 |
超広角レンズ (SIGMA 10-20mm F4.0-5.6) | 420 | これも行動中に使用。圧倒的なパースが素敵。 |
マクロレンズ (DF A100mm F2.8) | 340 | 花を切り取るのはもちろんのこと山岳ポートレートでも大活躍。トワイライトの遠景撮影でもF2.8という明るさでカバーできる |
三脚 (Manfrotto befree カーボン) | 1100 | 軽量ながら耐重量4kg。コンパクトになるので登山にうってつけの三脚であることは間違いない |
予備バッテリー ・リチウムイオン電池2個 ・単三エネループライト4本 | 260 | メイン機にはリチウムイオンバッテリー(1860mAh)で2000枚の撮影に対応。サブ機にはエネループライト(1900mAh)を使用で1000枚以上の撮影に対応。 |
小物 ・アストロレーサー ・PLフィルター ・ND16フィルター ・レリーズ ・リモートコントロール ・ブロアー | 310 | アストロレーサーは星の追尾撮影で使用。APS-C機だと星を追尾するか星を流した撮影の方が幸せになれるかも PLフィルターは残雪期や紅葉に使うことが多い。それも超広角レンズ限定で使用。DA16-85mmに使わない理由はクリア感が損なわれるから |
合計4370gです。これにカメラ機材を入れるケース、レンズのキャップ、フード、そしてカメラをザックに固定するためのCOTTON CARRIER (コットンキャリア)が加わります。これで約5kgの重量になります。正確に測定したら5160gでした。
シチュエーション別で変わるレンズの組み合わせ
この中で外してもいいかなというのが、DF A100mm F2.8のマクロレンズですね。これはお花畑目当てか晩秋で足元の紅葉の様子を撮影したい時にケースバイケースで持っていきます。標高の高い山だと、朝日岳系山脈、雨飾山、火打山、白山がマクロレンズを持って行く対象山域にあたります。
関連記事:やっぱり春はマクロレンズだよね! 足元を撮るに相応しいDFA100mmを褒めてみる
日帰りの登山で特定のシーン(朝焼けとか星空、お花とか)を狙わないけど風景メインで撮影したい時はDA16-85mmの標準ズームレンズ1本、カメラ1台で行きます。備品を加えても総重量は1.5kgですね。
関連記事:六本木界隈でXF16-55mmとDA16-85mmで実写したら意外な結果が出た
楽しそうな天候(雲の動きや光が短時間で変化するような空模様)なら三脚、超広角レンズ、NDフィルターが加わります。タイムラプス用の素材を撮影したいからです。これで機材の総重量は3kgになりますね。
三脚は軽量なカーボン製のトラベラー用を持っていきます。ND16フィルターは77mmと72mmの両方のレンズで対応できるようにステップダウンリングを使っています。
Manfrotto コンパクト三脚 Befree カーボンファイバー 4段
Kenko NDフィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用
カメラ2台で対応したい場合は、景色をメインとしたテント泊山行のときです。ドラマチックなシーンを撮影するのが目的だからです。例えば1台はインターバル撮影をさせておき、もう1台では写真撮影をするようなシーンで2台のカメラが必要になります。これが5kgコースです。
前日まで雨で翌日以降に晴れマークがついていたら、ドラマチックの景色に出会える可能性が高いので、カメラを2台運用で風景の移り変わりを狙うことが多いです。
カメラとレンズって悩みますよね。今は15mm以下の焦点距離、歪みが少なくいF2.8クラスの明るいレンズが欲しい〜!なんて思ってます。
それでは。