人生で2回目のボルダリングに挑戦してきました。1回目は5年以上前にやったきりです。
普段、ワークアウトや登山をやっている身としては、新たな刺激を得ることができましたよ。面白いじゃないの!ボルダリングって!
ボルダリングのルールやレベルがよく分かってないのですが、私がクリアできたのは垂直の壁でレベル6まででした。体を引き上げる筋力は十分にある(懸垂30〜35回)のですが、それだけではダメなようです。
今回はボルダリングをやって気づいたことを書きます。
もくじ
ボルダリングではBIG3はまったく役立たない
ご存知の通りBIG3とはベンチプレス、スクワット、デッドリフトです。
ボルダリングはBIG3では使わない筋肉を使います。BIG3の重量を上げてパワーアップしても、ボルダリングでは通用しません。
デッドリフトやスクワットなどのよう大腿部をフルパワーでも使うこともなければ、脊柱起立筋が気だるくなることもありません。当然、大胸筋なんか使いませんね。
ボルダリングで使う筋肉は、前腕、広背筋、肩の後部、カーフ、腹筋です。
特に前腕に関しては、手首を内側に巻き込む屈筋側(リストカールや腕相撲で使う)ではなく、指先でホールドを保持する力が問われます。握力で握り込む力でもありません。そのため前腕の伸筋群に疲労感を感じます。
ボルダリングで難しいコースをクリアしている人を見て気づいたことがあります。彼らの前腕は上腕に対して発達しているということです。特に前腕の外側、伸筋群や腕橈骨筋にかけて部位です。女性のクライマーもやり込んでいる人を見ると広背筋がクッキリと発達していました。
もう一つ気づいたことは、ジムで見るような胸の筋肉が発達指定やり、太い大腿部を持っている人がいないということです。下半身の筋力はボルダリングをするに相応しい分量しかありません。下半身に筋肉をつけると体重が重くなってしまいますからね。前腕の筋力発揮を持続する上で不利になってしまいます。
ボルダリングでは息が乱れない
登山やワークアウトをやっていると、少なからず呼吸がリズミカルになります。しかし、ボルダリングでは息遣いが荒くなことがありません。
登山では有酸素運動になるので、呼吸が少し早くなります。スクワットやデッドリフトをやると無酸素運動の領域に入り息が乱れます。
ボルダリングは単にコースを登るだけでなく、ゴールまでのルートを見定める必要があります。そのため壁に取り付いても考えながら登ります。そのため急激に脈拍が上がることがありません。
あるいは筋肉に乳酸が溜まってパンパンにならないように、特定の場所でなるべく筋力を発揮しなく済む姿勢で休んだりします。これは筋肉をどんどん太くしていきたい人のためのワークアウトとは逆の考え方ですね。
体力的なきつさという意味では、長時間の登山 > 下半身の動作が伴うワークアウト(スクワットやデッドリフト) > ボルダリングの順番になります。
ボルダリングで問われる体力的要素とは
ボルダリングで問われるのは自分の体を引き上げる懸垂力、指で突起物を掴んで自分が落下しないように保持できる指先のピンチ力です。強靭な握力ではありません。世界のトップクライマーに握力王はいませんよね?
次に下半身の柔軟性です。いくら懸垂力があっても、開脚できる幅に限度があるとホールド(壁の石)まで足先が届かないかもしれず、結局、落下してしまうかもしれません。
意外と必要だなと思ったのが、カーフの筋力です。ホールドは足先だけをちょこんと置くような場所があります。こんな時に力を発揮するのがカーフ(ふくらはぎ)の筋肉です。
ボルダリングには知的さが必要
ボルダリングでは、コースを攻略するためにルートを見定めてどのように体を動かしていくのか?を想像する能力が問われます。イマジネーション力です。
ボルダリングは知識の世界ではなくイマジネーション力です。思考する能力が必要です。知的さが必要です。筋肉だけ鍛えてもダメです。自分よりも明らかに筋力の劣る女性が、自分の行けないコースを攻略してますからね。ルートを見定める能力、それによって体の動かし方をイメージし、コースを攻略しているんですよね。
ボルダリング + 登山+ちょっとのワークアウトをやれば均整の取れたボディが手に入る
ボルダリングでは懸垂力を中心に前腕の筋肉が発達します。登山では脚の筋肉を使います。ここで足りないのは上半身で押す動作と腹筋です。
ボルダリングと登山をやり込んでいるなら、ディップスと逆立ち腕立て、腹筋ローラーくらいやっていれば十均整の取れたカッコいい体が手に入ること間違いなしです。
これに加え、たまに懸垂やって自転車でもやれば完璧ですね。
筋肉をビルダー並みに太く大きくしていきたい人には不向きですが、骨格に対する適正体重(BMI25くらいまで)で程よい筋肉がついた体になっていくと想像できます。
ボルダリングは体を壊さずに年配になってもできる知的なスポーツだ
ボルダリングは頭を使いつつも、プル系の筋肉も使います。指を除くと関節や腱には大きな負担がかかりません。
関節や腱は一度、怪我をしてしまうと完治するまでに時間がかかります。筋肉とは事情が違うのです。筋肉は年を重ねても鍛えることができますが、関節や腱は大事に労わってやらないといけません。
無理やり上げるベンチプレスやデッドリフトが齢を重ねてもできるわけではありません。仮に重い重量を上げれる筋肉を誇っていたとしても、関節や腱が耐えれられなくなっているかもしれません。プチン!やグキ!ってね。
一番幸せなのは、齢を重ねても自分の体を元気に動かせる筋力や体力を持っていることです。体を強くする目的で、関節や腱を壊すのは本末転倒です。
ボルダリングはビルダーみたく増量期や減量機が不要です。急激な体重の増減を伴う必要がないのです。急激な体重の増減は、内臓に負担がかかります。大きな筋肉の裏側では内臓を疲弊させてしまうようでは、本当に健康的だとは言えません。
ボルダリングは自分の体一つで楽しめる知的なゲームです。
それでは。