2020年8月。
黒部源流界隈を歩くことにした。
この界隈を歩くのは10回目だ。
それほど好きな場所だ。
今まで少々急ぎ足で訪れていたこともあり今回は「じっくり歩く」ことにした。
今年の縦走登山は例年通りにはいかない。
少し不自由だ。
新型コロナウィルスの感染防止の観点からソーシャルディスタンスを確保する意味で、山小屋はもちろんのこと特に休みが集中する7月・8月の連休はテント場ですら人数制限をして完全に予約制になっているところが少なくない。
今年2020年の縦走は計画をきちんと立てたうえで、かつ、予約に沿って行動をしなければならない。
これまで通り自由気まままに山の中に入って行って「今日はここに泊まるぜ!」というスタイルの登山が難しくなった。
そう、今回はそんな背景事情を抱えての山旅だった。
しかし、振り返ってみるとネガティブな要素を抱えての登山だったがなかなか良かったというのが本音だ。
もくじ
宿泊地の争奪戦
2020年7月1日 AM10:00。
三俣山荘と雲ノ平山荘が8月分までの電話予約受付を開始した。
予想はしていたが全く電話が繋がらない。
多くの人が電話かけてをいたのであろう。
妻と手分けをして時間を置いて電話を掛けてみるが、常時、通話中になっているような状況だ。
夕方にもう一度、三俣山荘に電話を掛けてみると運よく繋がった。
ここで2日間分のテント場の予約を申し込んだ。
しかし、雲ノ平のほうは夕方になっても相変わらず電話が繋がらない。
19時近くになってダメ元でもう一度電話を掛けてみたら繋がった。
お陰で雲ノ平山荘の宿泊予約ができた。
遅い時間まで対応して頂いたことに感謝申し上げる。
三俣のテント場を最初に押さえたのは理由がある。
どうしても三俣での宿泊を確保しておきたかったのだ。
理由は北アルプス最深部である高天原温泉へ行くための中継地だからだ。
三俣の宿泊をなくして高天原温泉へ行くのは難しい。
いや、軽量化した装備で1日で行こうと思えば新穂高からでも行けるだろうが「ゆっくりとした気分」は味わえない。
ただ移動して終わってしまうことは目に見えている。
「ゆっくりとした気分」を味わうために、高天原温泉の宿泊予約を5月の終わりに太郎小屋グループ「ロッジ太郎」の予約フォームから予約を済ましていたのだから。
せっかく確保した高天原温泉の食泊の予約を無駄にしないためにも、どうしても中継地点である三俣での宿泊は外せなかった。
双六小屋のテント場で1泊してから行くこともできますが、三俣山荘で予約受付を開始した時点で双六小屋ではまだ予約の受付をやってませんでした。
そのため先ずは三俣のキャンプ場を押さえることを最優先にしたのです。
三俣で宿泊ができれば4時間で高天原に行ける。
朝6時に出発すれば10時には高天原へ着ける。
この時間に高天原へ到着できるなら「ゆったり」と過ごせるだろう。
最悪、三俣ならテント装備でも1日あれば新穂高から行ける。
そんな背景事情から三俣を押さえておく必要があったのだ。
もう一つ予約を確保しておきたい場所があった。
それは双六小屋のテント場だ。
1日で三俣まで行けるが体力は温存しておきたい。
そのため三俣への中継地点となる双六での宿泊は確保しておきたかった。
7月10日 AM 10:00。
予約受付開始。
やはり電話がつながらない。
双六小屋は槍ヶ岳、黒部五郎岳、雲ノ平方面への中継地点だけあって行程中の宿泊地として確保しておきたいと考える人は少なくないだろう。
とにかく電話が繋がらない。
「最悪取れなくてもいい。新穂高から三俣まで一気に行けばいい」という気持ちだったが、翌日の15時過ぎに電話をかけたらようやく繋がって双六小屋のテント場の予約を確保できた。
双六小屋のテント場は、初日と最終日の宿泊地として2日間分の予約を入れた。
(結果的に最終日は雲ノ平から一気に帰ることにしたので、帰路で双六小屋に立ち寄った際に最終日の予約のキャンセルを申し出た)
そう、今回の登山計画は行きたい場所の予約を最初に確保してから登山行程を組み立てて行ったのだ。
例年なら最初に計画を立ててから行動時間や地理的に区切りのいい場所に適当に泊まればよかった。
コロナ禍の今年(2020年)はそんなお気楽な登山はできない。
予約ありきの計画
高天原(5月にWebから予約済み)、三俣山荘のテント場、雲ノ平山荘(両者とも7月1日に予約確保)をした。
こちらが実際に作成した登山計画行程表だ。
見ての通り「ゆとりのある行程」を計画した。
理由は「ゆったり」と過ごしたいからだ。
(計画では7日間だが、実際は6日間で登山を終える)
登山の計画行程表はYAMAKEI ONLINEの登山計画(要ユーザ登録)から簡単に作れる。
【参考情報】YAMAKEI ONLINEの登山計画ページ
そう、この行程は予約ありきの計画なのだ。
この点が自由気ままに行動できる例年とは大幅に異なる。
天候がブレてしまうリスクまで考慮すると、1日辺りの行動時間はなるべく短時間で切り上げたい、ということまで考えたうえでの計画だ。
とは言っても繰り返しになるが予約ありきでの話なのだが。
(だから疲弊することを覚悟してでも争奪戦に参戦した)
前夜
新穂高の無料駐車場はいつも慢性的に混んでいる。
週末に行って空いていたらラッキーくらいな気持ちで行かないとダメだ。
深夜0時を少し回った頃。
「今回も満車だろう。鍋平の駐車場に車を停めることになるだろうな」と考えながらも新穂高の無料駐車場に向かってみた。
ガラ空きだった。
駐車率は50%ほど。
連休前の前夜としては珍しい。
おそらく翌日以降の天気予報が悪い予想を出しているからであろう。
なにしろ向こう1週間は雨や曇り予報を出しているのだ。
この天気予報を見て直前になって山行自体を取りやめた人が続出したのだろう。
あれほど争奪戦をやって予約を確保しても天気次第で状況がガラッと変わってしまうのだ。
1日目
初日は新穂高から双六小屋まで行く。
荒天だったらスタート日を1日遅らせて三俣まで一気に行ってしまうことも考えていたが小雨なので大丈夫そうだ。
5時半過ぎ、身支度を整えて新穂高登山指導センターへ向かう。
登山者はここで登山届けを出す。
今回は「ながの電子申請サービス」からパソコンで作成した登山計画行程表を登山届けとして出しておいた。
【参考情報】長野県警察本部地域部山岳安全対策課
今更ながら考えみれば新穂高から入るなら岐阜県庁危機管理部防災課に登山届けを出しても良かったかもしれない。
なんだかんだで6時頃から登山を開始する。
雨
生憎の雨だ。
雨の中、傘を指して歩く。
雨の中、レインウェアを着て歩く。
わさび平小屋の名物。
この雨じゃ食指が動かない。
雨を避けられる席に座りたいが為にオーダーしたコーヒー(500円)。
インスタントコーヒーの粉を入れてお湯を入れただけ?の味だったぞ。
コロナ禍で営業が大変なのも分かるが価格と労力(サービスを提供するためのモノを運ぶ費用、利益)に対して、クオリティとマッチしてないモノにはお金を落としたくないという気持ちもある。
小池新道入り口。
いつもなら炎天下にやられて暑いから涼しい時間に登ってしまいたい場所だ。
今年は生憎の天気で炎天下にやられずに済む。
でも雨模様の天気じゃレインウェアを着なくちゃならない。
濡れ鼠になってしまう。
レインウェアはあまり好きではない。
少しでも汗をかくと肌にぴたりとまとわりついてきて気持ち悪い。
と文句を言ってはいるもののレインウェアの性能には一目置いている。
モンベルのレインウェア「ストームクルーザ」の出来栄えはよく、稜線に出て汗をかかなくなると透湿効果が本呂を発揮し蒸れなくなる。
気を取り直して小池新道の世界に戻ろう。
いつも秩父沢では汗だくになった頭から水をかぶったり顔を洗ったりする。
今回はそんな必要なかった。
小雨のお陰でいつもほど汗をかかなかったのだ。
道中で咲いていた花。
景色が見えなければ花を撮影しながら楽しめる。
バテもせず鏡平近くまで来れた。
時刻は10時40分、鏡平山荘に到着。
カキ氷が名物だけどこんな天気じゃ….。
15分ほど休憩して出発。
弓折乗越を目指すもガスガスで景色が見えないので花を撮影する。
花見平もガスガスだ。
ここ晴れていれば景色がいいんだけどな。
稜線のアップダウンを2、3度繰り返し双六小屋を目指す。
双六小屋越しに鷲羽岳が見えるところに来たが….
ガスガスで見えない。
ガスガス!
13時時点でテント場はこんな具合だ。
この後、双六小屋でテント場を予約していた旨を伝えテントを張った。
双六小屋
今年はどこの山小屋も神経を使っている。
3密を避けるための対策で食事を食べる際は外で食えと言っている。
辛辣に思えるかもしれないが、今年はそういうものだと誰もが理解するだろう。
この後、双六小屋でオーダーしたラーメンを霧雨の中ベンチに座って食べた。
侘しい気持ちにならないわけではないが仕方があるまい。
あとはやることはない。
テントの中に引き引き篭るだけだ。
晴れていれば夕方に樅沢岳(もみさわだけ)に登って陽光浴びる穂高連峰を拝みたかったが今回は断念した。
暴風雨に耐えたローカスギア・クフ
今回は軽量化のため、非自立式のテント・ローカスギアのクフ(LOCUS GEAR Khufu)をを持って行った。
双六のテント場で撮影した写真がないので、翌日の三俣でテントを設営した時の様子を載せる。
で、こっちが双六で設営した時の様子でテント内で撮影したものだ。
雨風が強く外に出たくなかったのだ。
見ての通りトレッキングポール1本で立てている。
雨風に耐えら得るか不安だったが耐えてくれた。
もちろん外では8本のガイロープを張り地面に差し込んだペグが外れないようペグの上から石を置いた。
雨風のピーク時ではないが、テント内で撮影した様子を載せておく。
なんとなくイメージが湧くのではないかと思う。
ピーク時は本当に風が強く石を載せたペグが地面の土をえぐって外れてしまうほどだった。
それでも外のシェルター(フライ)は破けなかった。
引き裂き強度に対しても耐性があることが分かった。
荒天のお陰でローカスギアのシェター型テントは全天候型で問題ないことを確信した。
それもトレッキングポール1本で!
2日目
この日は双六から三俣のテント場まで2時間ちょっとの行程だ。
急ぐ理由はない。
好きな時に出発して好きなペースで歩く。
実のところ朝方に土砂降りの雨がやってきて今回の山行を続行するかどうか迷っていた(先ほどのテント内の動画参照)。
しかし、朝の時点で双六小屋でチェックした翌日以降の高山の天気は….
3日目:晴/曇
4日目:曇/晴
5日目:曇/晴
6日目:晴/曇
7日目:曇/晴
という具合で晴れが続くかのような予報になっている。
前日まで向こう数日間は悪い予報だったのに手のひらを返したように変わった。
大気が不安定で予報の精度が落ちているのだろう。
この日も3時間予報を見ていると高山市に限って言えば天候が安定してくるかのような予報だ。
しかしとても信じられるような天候ではなかった。
それほど風も強く雨混じりの空模様が続いていた。
先ずは昼頃までテントで待機することにした。
そのうえで3つの選択肢を考えた。
- 新穂高に下山してから後日、仕切り直してから他の山に行く
- 双六のテント場にもう1泊して様子を見る(荒天のためテント場も空いており予約続行が直ぐにできる)
- 予定通り三俣へ向かう
迷ったが結局は3を選んだ。
9時少し前、意を決してテントを撤収し行動開始をする。
撤収した人たち。先に進んだ人たち
選択肢にどちらが正しいなんてない。
「天気ではああ言ってるけど明日のことなんか分からん。今回は西鎌尾根の縦走はやめます」という人。
折角、予約を取り先々の予定まで組んできたのに「今回は諦めて下山します」という人。
先の好転に掛けて進む人。
色々な人がいる。
それでも半分くらいの人は双六で引き返したんじゃないかな、という印象だ。
9時前の双六のテント場はこんな感じだった。
自分たちは進む選択をした。
天気が好転することに期待を掛けていることは勿論だが、三俣まで足を運んでしまえば次の宿泊予定地であり今回の目玉でもある高天原山荘まで4時間で行けてしまうという事情も手伝って足を進ませた。
小屋での宿泊なので雨でもいいだろうという判断だ。
とは言っても、三俣でキャンプ場の予約を2日間連続で取っていたので、雨でもテント場で過ごさなければならないのは変わりはないのだが。
出発する9時頃には雨は上がったのだが天気はまだ不安定だ。
静かな稜線を歩いて行く。
人がいないのだ。
時折、ガスが上がったりまた覆われたり…。
巻道は相変わらず美しい場所だ。
景色が見えたらなぁ….。
巻道のカールには小川が流れている。
もし、晴れていたら朝の早い時間に移動を開始してここでゆっくりと過ごしたかったよ。
しっとりと濡れたハクサインイチゲ。
雨の花もいいな。
三俣蓮華岳への分岐。
たまに人とすれ違うものの相変わらず連休の山とは思えないほど人が少ない。
ハイマツのトンネルを潜れば三俣はすぐそこだ。
三俣
ドドーン!
11時半過ぎだがテント場はガラガラだ。
黒部源流。
私はテント場を確保し妻は三俣山荘へ受付しに行く。
先ほども掲載したが三俣でテントを張った時の様子。
この頃には曇りがちの空ではあるが天候が安定してきた。
荷物を整理して落ち着いたら展望食堂へ向かう。
人が少ないな。
展望食堂ではおでんやカップラーメン、パンの販売を行っている。
私はコーヒーとカップラーメンを頼んだ。
展望食堂で飲むコーヒーは格別だ。
きちんと入れてくれるので美味しい。
これなら700円払っても満足する。
展望食堂からの風景。
快晴もいいけど雲がある三俣も嫌いじゃない。
テント場に戻ることにする。
ハイマツに囲まれた道は三俣のトレードマークだね。
好きだぞ、ここの道。
少し晴れの兆しが見えてきた。
ということは、一応、天気予報は当たっているということだったのだろう。
雨は降らぬと見てシェラフやTシャツを干すことにした。
こういう時にハイマツがあるテント場のありがたみを感じる。
少し湿っぽくなったシェラフや、濡れたテントもパリパリに乾いてくれたよっ。
強気でテントの外に荷物も出せる。
こういう乱雑な感じ、好きだなぁ。
水晶岳も時折、姿を見せてくれるようになった。
大天井岳の向こうは曇りかな??
わーい!
夜になったらまた少しガスガ出てきた。
という具合に2日目は三俣のテント場で、ゆったりと過ごした。
前日の双六では暴風雨であまり寝付けなかった。
この日も夜中に暴風と雨が来たが、三俣は風の影響をダイレクトに受けないうえ、シェラフもパリパリに乾いていたので熟睡できたのであった。
3日目
この日は三俣での滞在2日目となる。
予備日として確保しておいたのだ。
最悪、2日間縦走を開始する日が遅くなったとしても新穂高から三俣まで一気に来ることができるからだ。
初日から予定通りスタートを切ったお陰で時間的な余裕はある。
予定では三俣から黒部五郎岳のピストンを考えていたが、ちょっとスローダウンして三俣周辺の散策をすることにした。
夜中に雨が降った影響だろうか。
朝はガスっていた。
この日の朝、三俣山荘でチェックした高山の天気予報では朝だけ晴れて、終日、曇りの予報だった。
翌日以降の予報も少しブレてきた。
4日目:晴/雨 (前日の予報:曇/晴)
5日目:曇/晴 (前日の予報と同じ)
6日目:曇/晴 (前日の予報:晴/曇)
7日目:晴/曇 (前日の予報:曇/晴)
高山市の天気がそのまま当てはまるとすれば、これから晴れるはず。
散策に出る頃には晴れるのだろう。
その前に買いたいものがあったので小屋の中へ入る。
三俣山荘の談話室。
買いたいものはこれ。
鷲羽岳がプリントされたTシャツだ。
価格は4000円と高めだが、カッコいいから買うことにした。
私に触発されて妻も女性用のTシャツを購入した。
こういう物には惜しみなくお金を使いたい。
自分もハッピーになれて小屋にもお金が入る。
人に何か付加価値があるものを提供できる小屋には積極的にお金を落としたい。
鷲羽岳
8時過ぎ、鷲羽岳へ散策へ出掛ける。
三俣山荘のほうを振り返るとまだガスガスだ。
ガスは出ているけど明るい。
ほらね!
うっへーい!
晴れてきたぞ!
眼下に見える三俣山荘。
槍も見えてきた。
雲の間から姿を現すとセクシーだな。
双六小屋方面はまだ雲の中。
道理であの地形じゃ風が強くなるわけだわ。
定番の鷲羽池。
ここは行政上の区分で長野県の大町市になる。
こうなると一体どこの天気予報を信じたらいいのか分からなくなってくる。
鷲羽岳のピークとワリモ岳。
ピークで少し休んでからゆっくりと下山開始。
眼下には黒部源流が見える。
黒部五郎岳。
カール内で丸1日かけてゆっくりと過ごすと贅沢な時間を味わえる場所だ。
双六岳。
夕方に行くと槍ヶ岳が真っ正面み見えてカッコいい。
三俣蓮華岳。
いつも新穂高へ帰る時に稜線ルートで通過する。
まだ夜が開けぬ暗い時間帯に歩くことが多い。
後ろを振り返ると眩い太陽が燦々と輝いている。
すっかり天気が安定した。
双六小屋方面もガスが取れ始め天気が安定してきた。
鷲羽岳を振り返る。
散策してきたら当然、小屋の前で休む。
時刻は11時前。
三ツ矢サイダー。
糖分たっぷりで体に悪いものだが、山に行ったときくらい許している。
テント場に戻りランチ休憩をする。
黒部源流
今度は黒部源流の散策へ出かけることにした。
相変わらず秘境感たっぷりの場所だ。
2年ぶりにやってきた黒部源流。
わーい!
それにしても人が全然いない。
夏の時期にこんなに静かな黒部源流はなかなかないかもしれない。
黒部源流の谷へ至る道沿いにはお花が沢山咲いている。
ここだけでも半日は時間を潰せそうなくらい自然豊かだ。
黒部源流は何回来ても飽きない。
水が綺麗。
時刻は14時前。
再び三俣山荘でまったりと過ごす。
持参してきたナッツをつまみにしてビールを飲む。
テントに戻ってからもまったりと過ごす。
不味そうに見えるインスタントコーヒーも山で飲むと美味い。
予報では朝しか晴れないことになっていたが、夕方になってもバッチリと晴れてくれた。
やっぱりテント泊は晴れてくれないとね。
夕方が迫ってきている。
雲が夏っぽさを醸し出している。
雲が染まった!
アーベントロートに染まる鷲羽岳。
0時を回った頃に目が覚めた。
星が出ていたので撮影をする。
月明かりに照らされる雪渓が美しい。
静寂な時間が流れている。
鷲羽岳。
大天井岳と槍ヶ岳。
40分ほど撮影して再びテントに戻る。
いつの間にか寝ていたようだ。
4日目
高天原へ行く日だ。
何度も黒部源流に来ているが高天原だけは一度も行ったことがない。
とても楽しみだ。
なんと言っても10年越しの夢だ。
今まで何度も行く機会を逃してきた。
やっと行ける!!
三俣山荘へ向かう。
朝5時の時点では天気が良かった。
気になる点が一つあった。
鷲羽岳に登った際、やっとキャッチしたLTEの電波でスマホをネットに接続しGPVを見てみると…
長野県、岐阜県、富山県の県境、つまり三俣蓮華岳の辺りだけ朝の5時頃から雨が降ることになっているのだ。
三俣山荘で流れていた富山市の天気予報をチェックしてみると、日中は雨が降らないが曇りで夜から雨が降ることになっている。
大町市の天気では晴れ予報になっているのだ。
ここはGPVの予報を信じることにした。
まだ晴れているけど。
岩苔乗越
5時40分、移動開始。
先ずは黒部源流に向かって行く。
岩苔乗越方面は少し雲行きが怪しい。
黒部源流の谷底に下りガスっている方面へ登り返す。
なんか空模様が怪しくなってきたぞ。
あっと言うまにガスに巻かれ霧雨にやられる。
ザックにカバーをつけてレインウェアを着る。
7時を回った頃。
GPVの予想とは2時間ほどズレたが予報は当たった。
岩苔乗越に着く頃はすっかり雨模様の天気になった。
またも雨
岩苔乗越の峠を越えて今度は高天原方面の谷間へ下っていく。
ガスガスで景色が見えん!
標高で100mほど下がるとガスガス地帯を抜けた。
ひたすら雨の中を歩く。
でも写真も撮る!
ええ、景色が見えないから花でも撮りますとも!
標高をどんどん下げて樹林帯に入る。
時折、高天原からやってきた人とすれ違うもののやはり少数だ。
キヌガサソウ。
雨の滴で光る花もいいな。
鬱蒼とした樹林帯。
快晴だったら蒸し暑いだろうな。
年季の入った看板。
おや?
向こうの山が晴れてるぞ。
山では峠を越えた途端、天気が変わるなんてことがある。
今回もそのパターンに遭遇したのだろう。
憧れの高天ヶ原温泉
途端に地形が広けた。
初めて来る場所だけど高天原山荘が近いことを物語っていることを感じる。
後ろを振り返ると湿地帯が森に囲まれるように存在していることの気付く。
10時頃、高天原山荘に着く。
宿泊者の中では一番乗りだ。
そうそう、ここに来たかったのよ。
高天原山荘からの景色。
右の道が歩いてきた登山道でガスで覆われた山が水晶岳だ。
左の道は、高天原温泉へ続いている。
高天原山荘へのチェックインは部屋の掃除等があるので10時半からと言われたの外のテーブルで待機することにした。
部屋は角部屋を案内された。
高天原山荘の2階テラスに一番近い場所だった。
早速、温泉へ向かう!
こんな景色の中を歩いて温泉に向かう。
温泉には15分で着いた。
外湯。
後てここに入ることになる。
温泉周辺の様子。
男性の内湯。
3、4人が入れればいいかな。
私が行った時は単独で入っていたが、人が来たので外湯に行くことにした。
先ほどの外湯。
もちろん囲いなんてないからその場で衣類を脱がなくてはならない。
独りで広々と使えるのでノーストレスだ。
ここで前半3日分の汗と垢を洗い流した。
スッキリするぞ。
温泉から高天原山荘への帰りは少し登りなので所要時間が30分ということになっているが、実際のところ20分で戻れた。
が、帰りは汗をかきたくないので、もっとスローペースで歩いて30分かけて戻るのがいいのかもしれない。
高天ヶ原温泉へ行く時は午前中の早い時間に着くように計画していくと、ゆっくりと小屋周辺の雰囲気を堪能できる。
まだ13時にもなってないけどビールを飲む。
飲みつつも道具を乾かすことは怠らない。
天気も安定してきたのでテラスで過ごすことにした。
こんな感じで夕食まで過ごすことに。
青空と水晶岳。
夏の雲。
外の散歩に出てみた。
朝とは雰囲気が違う!
すっかりと天気が良くなった。
富山市に割りかし近い位置にいるけど晴れ予報じゃなかったよね?
天気が外れたパターンだ。
食堂ではコロナウィルスの感染対策でシートを張っていた。
小屋も対応に苦慮してることをひしひしと感じた一面でもあった。
夕食の席でも対面の席の人とはシートで隔てるように仕切っていた。
夕食。
炊き上げたご飯がふっくらとして美味しかった。
なぜかというと、圧力鍋を使って炊いているからとのこと。
ランプがサマになるなぁ。
3蜜を避ける対応をしているということは、収容人数を絞っているということでもある。
実際に今回の宿泊では一人当たり畳2畳分が割り当てられた。
ストック置き場もある。
2階への階段。
寝床もシートで仕切られていた。
登山者としては快適な山小屋生活ができたと言える。
顧客に対する物理的占有面積が通常営業時の倍も割り当てられているのだから。
ただ、山小屋としては収入が落ちることは目に見えている。
個人的には高クオリティで勝負して単価を上げても良いと思う。
深夜、激しい雨が断続的に降り何度か目が覚めた。
翌日の山行に不安を覚える。
5日目
朝5時、朝食を頂く。
私は日常生活でプラントベース食を好んで食べている。
可能な限り肉(ハム、ウィナーも含む)を避けているが、基本的に山小屋で提供された食事は食べるようにしている。
この日は、いよいよ雲ノ平山荘へ行く日だ。
雲ノ平には過去に2回訪れおり、いずれもテント泊だった。
2年前に行った時、是非とも小屋に宿泊したいと思ったのだ。
6時頃、雲ノ平へ向けて出発をする。
曇り空だ。
前日の予報では「曇/雨」になっていた。
双六小屋にいた時点では、この日の予報を「曇/晴」で出していたけど、だいぶブレたね。
原生林の森
まずは高天原峠を目指す。
このような橋を2カ所ほど渡る。
7時頃、高天原峠に到着。
人が全然いない。
小雨の原生林を登って行く。
梯子を3箇所登って行く。
詩ノ原に出る。
歩いている時は「お! 樹林帯を抜けた!」と思ったけど、まだまだ樹林帯が続くのであった。
景色が見えないので、また花を撮りながら歩く。
歩き始めてから1時間50分。
「雲ノ平」という文字が入った看板を見て「もう近いぞ!」なんて思ってしまったが、まだまだ先だった。
再び樹林帯に突入する。
だんだんと焦ったくなってくる。
奥スイス庭園の看板。
足元に咲くチングルマの綿毛。
景色が見えない!!!
だから、目の前にある被写体を撮る。
晴れていたらもっと展望が利くのだろうな。
雲ノ平山荘
9時過ぎ、雲ノ平山荘に到着!
雲ノ平山荘では直ぐに受付してもらえた。
今年は完全予約制なので予約さえ取れていれば話がスムーズに進む。
相変わらず外では雨は降ったり止んだり。
この日も宿泊予定者の中では一番乗りだったので好きな場所を選べた。
結果、8人分のスペースを2人で使わせて頂くことになった。
こんなことは例年では考えられない。
荷物を整理したら乾燥室に濡れた登山靴やレインウェア、Tシャツなどを干させてもらう。
この日は雲ノ平山荘を楽しむことに徹することにした。
そのために予約を取ってきたのだから。
外はガスガス。
でも晴れ間が出た!
確かに予報では晴れは出てないんだけど、山では突然、晴れ間が出てくるなんてことが起こる。
期待感に満ちた空が見えてきた。
黒部五郎方面もガスガ取れてきた。
バルコーニから。
オラオラ晴れろ!
俯瞰する。
洒落たドアだね。
雲ノ平山荘でもコロナ禍の対応をしている。
感染対策でアルコールが置いてあった。
あと、各部屋の入り口にウェットティッシュを備え付けてあった。
洒落た食堂だ。
人が少ないね。
ここでブランチタイム。
至福のひと時だ。
雲ノ平では電波が入らない。
電波をキャッチするために丘に登る。
天気は小康状態。
また青空が出た。
この繰り返し。
美味くて上手い
夕食は17時。
食事は加工肉に頼らない姿勢を感じた。
これならプラントベース食を実践している人にもやさしい。
ひよこ豆、高野豆腐、ひじきなどの海藻を使っている。
これなら栄養価も高く常温でも保存できる。
名物の石狩鍋。
3杯食べた。
具材は、じゃがいも、人参、玉ねぎ、長ネギ、ゴボウ、鮭だ。
入っている野菜もまた常温で保存できるものである。
それでいて、調理の汎用性も高く栄養価も高い。
やり方がうまいなと感じたよ。
外はまた雨模様に。
でも美味しいもの食べたから満足だ!
流れゆく山小屋の在り方
夕飯後、少し落ち着いてから「黒部源流の開拓時代」のドキュメンタリーを流してくれた。
この後、雲ノ平山荘のオーナー伊藤二朗氏が語った言葉で印象に残ったことがある。
以下、伊藤氏が話した趣旨。
巷では山ブームとは言われているけど、人口減少に登山業界は縮小してきている。このままでは山文化も衰退し山小屋の営業存続(減益に伴い)が難しくなる。我々も先々のスタイルを考えていかなければならない。
SNSで山をやっている人たちだけを見れば、さも多くの人が山を楽しんでいるかのような錯覚に陥る。
しかし、現実は少しずつパイが縮小しているのだ。
このことを考えると、近い将来、サービス提供に値上げするシナリオもあり得るのだろうなと思う。
だが、私はそれでも構わないと思っている。
こうして夜が更けていく。
消灯は21時だ。
6日目
深夜、また激しく雨が降ったようだ。
しかし、この山行で一番、熟睡ができた。
小屋の快適性と栄養価の高い食事のお陰だろう。
この日、一気に新穂高まで帰ることになる。
朝の段階では双六のテント場にもう1泊する選択肢が残っていた。
朝食は朝5時。
タンパク源は、魚、ひよこ豆、麩、卵だ。
海藻サラダまである。
ご飯が美味しくて、ついついお替りをしてしまう。
時刻は5時20分。
身支度をする。
日本庭園
6時に出発をする。
天気は良くない。
景色が見えない時は花を撮るに限る。
滴の草も絵になるな。
淡々と進む。
景色が見たい!
誰もいない日本庭園。
淡々と通過する黒部源流・三俣・巻道
2日ぶりの黒部源流。
静か過ぎだろ。
これもまた自然の風景。
見慣れた道を淡々と進む。
もうすぐ三俣だ。
テント場もガラガラ。
三俣からの登り返しは、ハイマツのトンネルを潜る。
キヌガサソウが咲いていた。
再び稜線へ出る。
ますます天気が悪くなってきたようだ。
一番、三俣蓮華岳から巻道へ入る辺りが風も強く肌寒く感じた。
下界では汗だくになるような気候でも山では異なるのだ。
雲ノ平山荘に岩を被写体にしたポストカードが置いてあった。
なんかいいなと思って真似して撮ったやつだ。
4日ぶりの双六小屋
4日ぶりの双六小屋。
なんか出発した時もこんな天候だったなぁ。
天気が悪くずぶ濡れなのでテントを張る気になんてなれない。
予めテントの予約もしていたが、キャンセルするとにした。
時刻は11時20分を少し過ぎたところだ。
まだこの時間なら新穂高まで十分に下山できる時間がある。
一気に帰ることにした。
その前に腹ごしらえをする。
雨風の中、ラーメンをすする。
12時過ぎ、再び下山を開始する。
後ろを振り返ると急に天気が回復してきた。
鏡平山荘で少し休憩をし淡々と歩く。
最後の下り小池新道に入る。
下りは長く感じるよね。
長く感じる小池新道
だんだんと天気が安定してきたようだ。
人工物もちらほらと出てきた。
最後の休憩はわさび平小屋で。
ポカリスェットで水分補給をした。
ここからの1時間が長いんだよな。
ひたすら単調な林道を歩いて18時に新穂高到着。
朝、雲ノ平を出てから新穂高に戻るまでに12時間も掛かってしまった。
裏を返せば、程よく休憩を取り、急がないペースで歩いても1日あれば新穂高まで戻れちゃうってことだね。
また行こう!
以上で5泊6日の登山は終わり。
動いた体
今回の山行は行程を緩めに設定した。
それでも最終日だけは天候と気分により、雲ノ平から新穂高まで一気に歩くことになった。
それもあまり疲労を感じずに歩くことができた。
行程自体が緩く疲労が蓄積してなかったこと、雲ノ平で食べた食事としっかりと取れた睡眠、炎天下でない気象条件が重なった結果だと思っている。
(が、帰宅してから疲れは出たよっ)
ここで今回の体を動かす源となった食べ物について触れおこう。
行動食
今回の山行では2人分の行動食として、グラノーラ800g、ビスケット2箱、ドライフルーツ1袋、甘納豆500、inゼリー4つ、つまみと兼用でナッツ600gを持ち歩いた。
中でも抜群に役立ったのは、ナッツと甘納豆だ。
ナッツは柔らかいほうが食べやすだろうと考え、生のカシューナッツと、生くるみを、それぞれ300g(計600g)持った。
<参考情報>ナッツの一覧
黒豆の甘納豆もいい。
食べていても飽きがこない。
<参考情報>黒豆甘納豆 甘さひかえめ
以下、今回の山行で感じたことだ。
- 夏山は行動食としてグラノーラはあまり食べない
- ナッツは持って行って正解(酒のつまみにもなる)
- 甘納豆は行動食にもつまにもよい(パンが不要になる)
テントでの食事
テントでは夕食をメインと考えパスタを1kg持って行った。
想定していたテント泊は4日間で、パスタを1人1日100gで計算し、予備を200gとした。
パスタにはパック入りのオリーブオイルとシーチンキンを入れて食べた。
だけど、あまり美味しくなかった。
味気ないのだ。
一方で、パスタを食べ終えた後に作った味噌汁は美味しかった。
乾燥キノコ、わかめ、高野豆腐をメインの具材とし、顆粒みそで味をつけた。
ミネラルもタンパク質も摂れる。
顆粒みそフリーズドライのものでmarukomeのものを使った。
山ではとても使いやすい。
味噌汁が美味しかったので十分にオカズになるなと感じた。
次回はパスタではなく、アルファ米と味噌汁でいいかも。
<参考情報>料亭の味 フリーズドライ 顆粒みそ
テント装備
昨年からローカスギアのクフ(Khufu HBセット)を導入した。
重量は外のシェルター(フライ)、内側のメッシュ、ペグを含めて1kgを切る。
UL系のテントで、今一つ、悪天候に対する耐性はどうなるのか気になるところだったが、今回の悪天候のお陰で暴風雨でも耐えてくれることが分かった。
ザックに詰めても場所を取らない。
トレッキングポールが1本あれば設営できるので楽チンだ。
軽量化を考えているなら買って損はない。
カメラ機材
2年前と大きく変わったことと言えば、カメラ機材の持ち方だろう。
今回は3本のレンズと2台のボディを中心に機材のシステムを組んだ。
機材周りの詳細は以下の通りだ。
2018年 | 今回 | 重量差分 ※フード、プロテクター含む |
---|---|---|
X-T2+バッテリーグリップ(VPB-XT2) | FUJIFILM X-T2 | -270g |
LUMIX GX7 | FUJIFILM X-T3 | +130g |
SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS | XF10-24mmF4 R OIS | +150g |
XF16mm F1.4R WR | XF16mm F1.4R WR | 差分なし |
XF90mm F2 R LM WR | XF50mm F2 WR | -390g |
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO | ←今回は妻が持っているためカウントせず | -450g |
Manfrotto Befree カーボン | Manfrotto ミニ三脚 PIXI | -850g |
FUJIFILM純正バッテリー (NP-W126/S)5個 GX7用バッテリー2個 | FUJIFILM純正バッテリー(NP-W126/S)6個 | -40g |
Anker Core 13000 | Anker Core 13000 | 差分なし |
TTL | -1720g |
重量はフードや保護フィルター込みで、3kgを少し切る程度だ。
前回(2018年)の登山から2kgほど軽量化した。
意識した点は以下の通り。
- バッテリーグリップは不要。270g軽量化できる
- XF90mmの代替えでXF50mmにすることで約400g軽量化できる
- 遠景撮影の焦点距離はXF50mm(換算76mm)でも十分届く
- XF90mmには敵わないが、XF50mmでも背景をボカした撮影はできる
- 縦走”ついで”なら星景撮影はミニ三脚で十分で800g軽量化できる
- ガチの星空ならサムヤン12mmを持って行くが、今回は風景がメインなので利便性と逆光性能を考慮してXF10-24mmを持って行った
- ガチの星空撮影でなければXF16mm でも撮れる
- 絶対にXF16mmは外せない(近接撮影、明るい、防塵防滴)
もし、次回、同じことをやるなら、同じレンズ構成でカメラ1台にするだろう。
なぜならば、時間をかけられる縦走登山ではレンズ交換をする時間があるから、あえて2台のカメラに焦点距離が異なるレンズをつけて速写性を求める必要はない。
日帰りや1泊2日の登山とは異なる点がある。
それは一度、森林限界を抜けてしまうと視界が効くことである。
この間、頻繁にレンズを交換することはない。
寧ろレンズ交換をしたくなるのはテント場や山小屋に着いてから辺りを散策する時だ。
ゆったりと行動できることを考えるとカメラ1台で状況に応じてレンズ交換をする運用ができる。
今回のレンズごとにおける撮影比率だ。(FUJIFILMのレンズのみカウント)
・XF16mm F1.4R WR 55%
・XF10-24mmF4 R OIS 35%
・XF50mm F2 WR 15%
最初の2日間だけ行動中は妻の12–40mm F2.8 PROを使った(雨で撮影しなかったため)。
1日目(小雨)
・新穂高 → 双六(12–40mm F2.8 PRO)
・テント場(XF16mm F1.4R WR)
2日目(霧雨〜晴れ)
・双六 → 三俣(12–40mm F2.8 PRO)
・テント場、三俣山荘(XF16mm F1.4R WR )
3日目(晴れ)
・三俣 ⇄ 鷲羽岳(XF10-24mmF4 R OIS/XF50mm F2 WR)
・三俣 ⇄ 黒部源流(XF16mm F1.4R WR)
4日目(晴れ〜雨〜晴れ)
・三俣 〜 黒部源流 〜 岩苔乗越 〜 高天原山荘(XF16mm F1.4R WR)
・高天原山荘 ⇄ 温泉(XXF10-24mmF4 R OIS)
・高天原山荘(XF10-24mmF4 R OIS/XF16mm F1.4R WR)
5日目(霧雨〜一瞬晴れ〜霧雨〜曇り)
・高天原山荘 → 雲ノ平山荘(XF16mm F1.4R WR)
・雲ノ平山荘(XF10-24mmF4 R OIS/XF16mm F1.4R WR)
6日目(霧雨〜雨〜曇り〜晴れ)
・雲ノ平 〜 双六 〜 新穂高(XF16mm F1.4R WR)
見ての通り行動中(移動中)はほとんどXF16mm F1.4R WRを使った。
理由は幾つかある。
- 換算24mmで風景撮影にちょうどいい
- 近接撮影ができるので足元に咲いているお花撮影ができる
- 明るいレンズなので樹林帯でも撮影ができる
- 防塵防滴なので雨の中でも撮影を続行できる
もし、天気が安定していたなら、お花と樹林帯以外ではXF10-24mmを使う比率が多かったかもしれない。
いずれにせよ、縦走がメインなら換算で16〜35mm程度あれば全体の撮影の80%以上を賄えることを考えると、広角レンズに振り切ると幸せになれることは間違いない。
そこで使いたいのがXF10-24mmF4R OIS。
今回も天気が良く遠景を撮影したい場面で大活躍した。
フィルターはEXUSの72mmをつけっぱなしにしている。
オールマイティな場面で使える広角単焦点レンズ。
今回もXF16mmF1.4R WRのお世話になった。
XF16mm F1.4R WRを使うなら角形フードがあるといい。
接写撮影ができることに気を取られてレンズをぶつけてしまうことも多々ある。
しかしフード(LH-XF16)があれば、岩場などにガツン!とレンズぶつけてしまってもダメージを受けない。
何と言ってもこのフードは金属製なのだ。
今回も夜に岩の上にミニ三脚を立てて撮影している最中にミスってしまいカメラごと転倒させてしまったがレンズは無傷だった。
その代わりフードに勲章がまた1つ増えた。
フィルターはEXUSの67mmをつけっぱなしにしている。
その他メモ
- 天気予報は話半分に見ろ
- 信頼性が高いのはGPV
- カメラのアタッチメントは、ピークデザインのキャプチャー よりもコットンキャリアのストラップショットのほうが、速写性も堅牢性も高い
以上
それでは。