もくじ
登山では大きな筋肉を使う
登山は持久系の運動で大きな筋力を使わないというのが定説になっています。本当にその通りだと思います。登山では大きくてバルキーな筋肉は必要ありません。
でも、テント泊装備+カメラ機材を担いで長時間行動の登山に及ぶ場合、日帰り登山の装備と比べ、体の大きな筋肉を使う割合が増えます。
どこの部位か?
第一に胴体を使います。背骨に付いている筋肉・脊柱起立筋です。ザックを長時間背負って歩くとこの部位に疲労が蓄積します。何も背負って歩かないと疲労感は感じませんね。
第二に脚・お尻の筋肉を使います。脚の筋肉に一番、疲労が蓄積、つまりは肉が損傷するのは下山です。それも一気に標高を下げるシチュエーションですね。
下山には2種類のパターンがあります。
①岩場や階段状の地形を下る
②急な斜面を下る
厄介なのは②のパターンです。ブレーキをかけながら下山してるので、太腿の前(大腿四頭筋)が常に緊張しています。
だんだんと疲労が蓄積してくると、脚のいうことが効かなくなって転倒し怪我をするリスクがあります。
登山後、3日間はデッドリフトとスクワットはやっても無駄に疲労をためるだけ
日帰り装備登山の翌日ならデッドくらいやっても大丈夫。
でも標高差のある山をテント泊装備で下山してきた翌日は、スクワットとデッドリフトはやっても無意味です。
脊柱起立筋と太腿が疲れているため、100%の力が発揮できないからです。
1発挙上ならできるかもしれませんが、実用的な体を作るという意味でのワークアウトという観点からすると、無駄に疲労をためるだけです。筋肉だけでなく関節にもよろしくありません。
週末にハードな登山をしてきたら、デッドリフトまたはスクワットを週の中頃にやるのがベターですね。
特に体幹部を使う種目は追い込まない。登山で使ってますから。短時間・5セット以内で切り上げる。特定シーズンになると毎週末、山に入ることになるのだから。
重量を伸ばすことよりも、ちょっとだけ刺激を与えて維持
二兎を追う者は一兎をも得ず。
登山シーズンでは山に行くことに集中することを前提とし、ワークアウトでは本気を出さない、というのがベストなやり方なと思います。
どちらも100%の力を出していたら、筋肉以前の問題として、関節や神経、内臓がぶち壊れてしまいます。
なぜかって?
ある程度まで体ができている人が、さらに体を成長させるには、カロリーが必要です。つまり体重を増やしていかなければならない。
登山では大量の汗を流しミネラルが体外に出されます。1日の登山で1日では賄うのが難しいくらいのカロリーを消費します。
その栄養素を補給するために食べ物を摂取します。いつも以上のカロリーが必要です。それを吸収するために内臓がフル回転します。
そのうえで更に筋肉量を増やすためにカロリーを取らなければなりません。これでは疲れてしまいます。
体も作りたい。でも登山も集中したい。こんな時は登山に比重を置きましょう!季節は待ってくれないですよ。
ワークアウトでは筋肉に刺激を与える程度で十分です。とりあえず筋肉は維持くらいの気持ちでいた方が登山も楽しめますよ。
自重(カリセニクス)の併用をしよう
毎週末、連チャンでテント泊の装備で、8時間クラスの縦走をやっていると高重量のウェイトをやっても記録が伸びるどころから低下すらしてくることがあります。
体全体の回復が追いついてないんですよね。カロリーを補うために内臓もフル回転してますし。
こんな時は自重ワークアウトに切り替えて、高重量を使ったトレーニングは2週間の間で1回あればいいかな?くらいのボリュームでOKです。
例えば、ベンチプレスは14日間に一度だけやる。メインの高重量は2〜3セットに抑える。次の週は自重ディップスで回数をこなす。低セットで最大限のパフォーマンスを発揮することに主眼を置くと言った感じです。
ハードな登山を連続した週でやってるなら、体幹部を使うデッドリフトやスクワットは追い込んではいけません。あくまでも刺激を与えることです。あまりやり過ぎると登山のパフォーマンスにも影響しますよ?
登山であまり影響を及ばさないのが懸垂です。登山の前日や後でもガンガン追い込んで問題ありません。理由はただ歩くだけの登山なら広背筋をあまり使わないからです。
ザックを背負って長時間歩くという前提なら、背中で一番使うのは脊柱起立筋です。
ただし、岩場をよじ登る、梯子が続くコースがある、ということであれば広背筋を使うので、登山の前日の懸垂は控えておきましょう。
重要なのは今、高重量上げることではない。大事なのは体を壊さずにワークアウトを継続していくこと
今、1回や2回、高重量のバーベルを上げたところで、一体何が変わるというのでしょうか。
ジムでドヤ顔したい?
重要なのは、体を壊さずにワークアウトを継続していくことです。これ大事。本当に大事です。
登山は季節との出会い。その一瞬しかない季節を逃すのはあまりにも惜しい。
季節の変化が乏しくなる時期が必ずやってきます。晩秋も終わりまだ雪がない中途半端な季節とかね。悪天候が続いて山に不向きな季節もあります。梅雨とか台風ね。
そんな時、ワークアウトに集中できる日がやってきます。今はパフォーマンスを維持し、その時期がやってきたらまたパワーアップを図ればいい。
長い目で体を運用していきましょう。
それでは。