ズームレンズと単焦点レンズを使い分けている方の中には、状況に応じて単焦点レンズだけで登山をしたい人もいるのではないでしょうか。
基本的に縦走がメインで歩くことを目的としている時はズームレンズ1本、あるいは単焦点1本勝負。時間があってゆっくりと歩けるなら単焦点レンズを複数持ち歩き、じっくりと撮影したいイメージです。
そこでネックになるのがレンズ交換。ザックから交換レンズを出すのは面倒です。
もくじ
レンズエクスチェンジは腰回りが嵩張る。汗かきの人にとっては不向き
レンズ交換をラクにするためのアイテムとしてレンズエクスチェンジケース というのも選択肢の一つとして考えてました。しかし腰周りに装着するのがストレスになる感があったので却下しました。
動画を見ると腰回りにレンズエクスチェンジ密着しているのが分かります。汗かきの人にとっては、ザックを背負いながら腰回りにアイテムを密着させると不快になることが容易に想像できます。
体との間に少しは隙間が欲しいのですが、そんなアイテムは見当たりません。さて、どうしたものかと。
ヒップバッグをチェストバッグとして使うことで体との隙間を確保できる
以前に汗かきの人が登山中に素早くシャッターを切るためのカメラと交換レンズの持ち運び方で、チェストバッグをつけると汗で胸下が不快になると書きました。
しかし、解決方法が見つかりました。それはヒップバッグをチェストバッグとして使うことです。ポイントはヒップバッグのベルトを腰に巻かずにフロントの3点だけで固定(後述)することです。
この方法であれば胸にバッグを密着させないで少し隙間を作り通気性を確保できることが分かりました。
レンズは胸下でレンズエクスチェンジケースと同じ要領で交換できる
レンズエクスチェンジケースは腰元で収納しているレンズとカメラから取り外したレンズを一時的に2つ同時に置くことで、手元で素早く交換できることをコンセプトとしたものです。
同じ要領で胸下でレンズ交換をやっちゃおう、というのが今回思い付いた方法です。
胸下に吊るしてあるヒップベルトにレンズを一時的に2つ同時に置いてレンズ交換をしている様子です。カメラはコットンキャリアのストラップショットに付けたままです。
バッグに入れるレンズは1つが限度
今回は、3本の単焦点レンズ(サムヤン 12/XF16mm/XF90mm)を持ち歩きましたが、1本はチェストバッグ以外の場所に仕舞っておく必要があるなと感じました。
物理的にAPS-C機の単焦点レンズなら仕切りを入れても2個程度なら入る余裕はあります。しかし、交換したいレンズとカメラから外したレンズを2個並べる必要があるので、バッグには最も交換したいレンズを1つだけ入れておくのがいいかな。こんな感じですね。
デッドスペースはどうするのか?何も入れません。その代わり空いているポケットにNDフィルターやステップアップリング、レリーズ、などを入れておきます。
レンズを2本以上交換したい場合はチョークバッグを併用する
レンズエクスチェンジケースもレンズ1本だけを交換することを前提とした作りになっています。そりゃそうですね。ほとんどのケースでは交換したいレンズは1本あれば足りるからです。
例えば、こんなイメージではないでしょうか。行動中の基本レンズ(APS-Cの場合)は16-55mmだったり16-85mmとし、これぞ!という時に望遠レンズとして55-200mmなどのレンズと交換したいですよね。ライチョウを撮りたい場合とかね。
さて、交換したいレンズが2本ある場合はどうやって運用すればいいのでしょうか?常用レンズの他に2本交換したい場合はそんなにないと思いますが方法はあります。
チョークバッグです。レンズをチョークバッグに入れて運用している方々の情報があったので、これはいいのではないか?と思ったのがキッカケです。
写真はFX90mmをフード逆つけにしてチョークバッグに入れた様子です。
紐を引っ張って蓋を絞るとこんな感じでスッポリ収まります。
冒頭で腰回りにレンズエクスチェンジケースを装着するのは不快だと書きました。特に私は額だけでなく腰回りにも汗をかきやすいので、なるべくなら体周りに”密着”するようなものは身につけたくないのです。
しかし、チョークバッグであれば腰に完全に密着させずにぶら下がることができます。難点はブラブラしちゃうことです。ですから動作が激しい登りや下りでは不快に感じるかもしれません。
この方法は完全に稜線に登り、アップダウンがなく足元が安全な場所でなら運用ができそうです。
もし私なら単焦点のみで行動するときは、XF16mmを常用レンズとし、これぞ!という時に胸下に吊るしているヒップバッグに入れてあるXF90mmに交換します。
ちょっとXF16mmじゃ広さが足りないな、と感じた時に腰元に吊るしてあるチョークバッグに入れてあるサムヤン 12と交換するイメージですね。つまり一番使用頻度が低けれど、もしもの時のためのレンズをチョークバッグに入れる運用です。
確実に2本だけのレンズで運用できると判断できた時は、チョークバッグに行動食、サングラス、ティッシュなど直ぐに取り出したいものを入れておくこともできますし。
ヒップベルトをチェストバッグとして使うための工作
ヒップバッグの前提条件として、左右にDリングが2箇所あること、それから取っ手が真ん中に付いていることです。わたしはカリマーのカリマーのヒップバッグを使っていますが、条件さえ満たせば好みのブランドでいいと思いますよ〜。
必要なもの
・バックル 2セット
・小さめのカラビナ4つ
・大きなカラビナ1つ
・二重リング4つ(私が使ってるのは22mm)
ヒップバッグの左右のDリングにカラビナを付けます。カラビナには金属のOリングを付けています。ちなみにバックルはホーボーバッグが壊れた時に回収したものを再利用しています。
こんな感じです。まぁ、カラビナは何でもいいと思いますね。そんなに重い物を吊るすわけじゃないので。
次にザック側にもカラビナとバックルの片割れを取り付けます。
大きいカラビナはヒップバッグの取っ手につけます。これはザックのチェストベルト部分に固定することを目的としています。
こんな感じになります。さて、ここで邪魔なのがヒップベルトです。この子をしまっちゃいます。
ヒップベルトはこの中でパッチん!と固定しています。これで3点固定できる準備ができました。
それぞれのバックルをパッチん!とするとザックからぶら下げる形になります。
こんな風になります。
大きめのカラビナをつけることで、ザックの左右で吊るしている部分への負荷軽減、それからヒップバッグが前後にブラブラすることを防止する役割を果てしています。
ヒップバッグの取り外しは簡単。左右のバックルとチェストベルトのバックルを外して終わりです。
最後に工作アイテムです。とりあえずこれらがあれば足りるかと。
それでは。