5月の新緑の季節としては3年ぶりに関田山脈の鍋倉山へ行ってきました。
2015年、2016年、2017年、2018年に4年連続で訪れており今年2021年で5シーズン目となりました。
同じ時期、同じ山域に5シーズンも訪れていると同じ景色はないことに気付きます。
残雪状況、新緑前線の標高、空模様etc…すべて違うんですよね(そりゃそうか)。
ということで、5シーズンに渡って歩いた新緑の鍋倉山の様子をご紹介します。
標高は1280mとそれほど高くありませんがいい山なんですよ。
もくじ
地図
今年2021年の鍋倉山
今年2021年は5月15日に鍋倉山へ訪れました。
写真の道路は県道R95号(上越飯山線)です。
この先に関田峠がありますが冬季閉鎖中です。
真っ正面の新緑のブナに覆われた山は関田峠を堺に黒倉山へ続く稜線です。
鍋倉山へアプローチする方法は大きく分けて2つあります。
一つは関田峠までR95号を歩いて行き黒倉山を経由して稜線沿いに行く方法です。
但し道路沿いに歩いて行くので遠回りになります。
もう一つが駐車場から100mほど南方向へ進んだ波線の登山道(下の地図を参照)からアプローチする方法です。
地図上には波線が示されていますが、この季節は残雪があるため、ルートは自由に組みやすいです。
今回は後者の駐車場から100mほど下ったコースからアプローチしました。
この季節の問題点は入り口の場所を見つけ難いことです。
入り口付近は芽吹いた木の枝をかき分けながら進んでいくからです。
とは言え、100〜200mほど枝と格闘しながら進むと開けた場所に出ます。
こんな場所です。
ブナ林に突入し後ろを振り返ったところ。
この先も少しだけ谷間沿いの斜面を歩きますが暫く進むと広いブナの森に出ます。
新緑のブナ。
ブナの森。
谷間沿いの斜面を歩くので滑落には要注意です。
芽吹いていてますね。
広いブナ林。
静寂な空間。
波線に沿って黒倉山と鍋倉山の間の稜線に出るのが簡単(全体的に斜度が緩くなる為)なのですが、この季節は鍋倉山へ直登できるので斜面を登って行きました。
新緑の葉っぱが落ちてました。
どんどん直登して行きます。
斜度はそれなりにあるのでアイゼンはあった方がいいです。
心配なら10本爪がいいと思います。
慣れている方なら軽アイゼンでも大丈夫かなと。
気温が高くなって雪が腐るだろうと思いがちですが、ブナ林に覆われているせいか稜線に出る前までならアイゼンが効きます。
関田峠へ続くR95号。
見ての通り道路沿いに見えるブナと目の前の木の枝では葉っぱの色が違いますね。
この日は鍋倉山の山頂に着くまで誰とも会いませんでした。
この季節ならそれなりに人がいる山ではありますが、コロナ禍の影響(緊急事態宣言が出ている地域も多数ありますし)なのか今年は静かな山だなぁと感じましたね。
写真は鍋倉山から少し進んだ所から見た黒倉山です。
その向こうに見えるのが上越市です。
(空気が霞んでますね)
関田山脈沿い信越トレイルが走っています。
今回は黒倉山へ進まず下のブナ林へ下りました。
鍋倉山方面を振り返ったところ。
この季節にしか見れないですよね。
美しいですね。
稜線直下のブナ林はまだ芽吹いたばかりですね。
(あ、私が歩いてる^^)
この季節にこんな森の中を歩けるのって贅沢ですよね。
山を始めた頃は標高の高い山ばかりいってましたが、こういう世界があると知るようになると季節感を求めるようになりましたね。
こんな自由気ままにブナの間を歩けるのは残雪期だけかもしれませんね。
ブナの倒木。
逆光。
駐車場に戻ってきました。
車も少なめかな。
以上、3時間ちょっとのハイキングでしたがとても濃厚な時間を過ごせました。
静寂な空間と自由に歩ける残雪期オンリーのブナ林のお陰かな。
持っていった撮影機材
・FUJIFLM X-T2
・FUJIFILM X-T3×2台
・XF10-24mmF4 R OIS
・XF90mmF2 R LM WR
・XF16-80mmF4 R OIS WR
余談。
道の駅 花の駅 千曲川「Cafe 里わ」で買った笹寿司。
これ、美味しいんですよ。
では、ここから過去に行った新緑と残雪の鍋倉山を振り返ってみます。
2015年5月の鍋倉山
新緑の季節して初めて行った鍋倉山は2015年5月23日でした。
前年の2014年秋に信越トレイルを歩いて以来ハマり出したんですね。
2015年もアプローチをする際は今年2021年と同じルートを取っています。
さすがに今年2021年より10日ほど遅いので緑の濃さも違うように感じますね。
(カメラの設定のせいかもしれんけど)
雪の量は少ないですね。
この雰囲気を味わって以来、この年から4年連続で毎年5月には鍋倉山へ通うようになりました。
鍋倉山から見た関田山脈。
稜線の上まで緑が上がってきてますね。
黒倉山方面。
その年にもよりますが10日間違うだけで山の稜線もこんなに雰囲気が変わるんですね。
今年2021年はこのブナ林から下山をしました。
アップ。
鍋倉山方向を振り返る。
2015年は黒倉山を経由して関田峠方面へ進みました。
黒倉山の近くから鍋倉山方面を撮影。
こちらは上越側にある光ヶ原高原です。
茶屋池が近くなってきました。
茶屋池もまだ残雪で覆われています。
フキのとう。
関田峠からR95号を歩いて駐車場へ戻る途中で。
奥に見えるのが鍋倉山です。
持っていった撮影機材
・PENTAX K-30
・PENTAX K-3
・SIGMA10-20mm F4-5.6 EX DC
・smc PENTAX-M 28mm F2.8
2016年5月の鍋倉山
2015年に行った新緑の鍋倉山をもう一度味わいたくて翌年の2016年は5月14日に再訪しました。
しかし、この年は残雪がほとんどなく季節が進んだかのような雰囲気でした。
2016年は駐車場からR95号沿いに関田峠まで歩き、そこから黒倉山、鍋倉山を経由して「森の巨人100選 森太郎」沿いのルートを歩きR95号へ出るコースを取りました。
残雪がないのでこういう被写体に目が向きます。
道路沿いに生えていたツクシ。
山腹に残雪がない鍋倉山。
関田峠から茶屋池に入ったところ。
2015年に行った時よりも10日ほど早いですが残雪がありませんね。
ブナの芽吹き。
黒倉山も残雪なし。
残雪があれば木の枝が隠れて景色が見渡せるんですけどね。
なんか初夏っぽい雰囲気。
オールドレンズ smc PENTAX-M 28mm F2.8で撮影。
なんか梅雨っぽい雰囲気。
新緑というより成人した葉っぱと言った感じ。
という感じで、残雪なき鍋倉山を歩いてきました。
持っていった撮影機材
・PENTAX K-3
・LUMIX GX7
・SIGMA10-20mm F4-5.6 EX DC
・D FA MACRO 100mmF2.8 WR
・LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH
ランチは道の駅「信越さかえ」で蕎麦を食べました。
あと笹団子も。
前年2015年の印象が強かっただけにこの年は見事に外した感が拭えませんでした。
2017年5月の鍋倉山
3シーズン目となる2017年も5月14日に鍋倉山へ訪れました。
ドンピシャで大当たりした年でしたね。
新緑の進行具合、豊富な残雪状況、恵まれた天候、どれを取っても過去5回の中では断トツでナンバーワンの条件に恵まれました。
(この年に撮影した写真はPLフィルターを装着しているため鮮やかに写っています)
黒倉山へ続く稜線と関田峠へ続く県道R95(上越飯山線)。
青空と新緑に覆われた鍋倉山。
R95沿いまで残る豊富な残雪。
残雪で遊ぶ子供たち。
前年2016年とは天と地の差ほどある残雪。
この年は2015年、今年2021年と同様に駐車場から鍋倉山へ直登するルートを取りました。
そりゃ、こんなに条件が良くなればPLフィルター付けたくなりますって。
こりゃ気持ちいいですよ。
鍋倉山から見下ろした関田山脈。
残雪が下まで残っているのが一目瞭然ですね。
道路を追っていくと分かりますが上の方は除雪されていません。
この年も関田峠からR95沿いに下山してきますが、雪の道路を歩いて帰ってきます。
道の駅 花の駅 千曲川「Cafe 里わ」で買った笹寿司。
この年は鍋倉山の山頂にたくさんの人が訪れてましたね。
残雪がなければここも木の枝に覆われ景色は見えませんが、豊富な残雪のお陰で展望が良いです。
野沢温泉スキー場と毛無山(1650m)。
まだまだ雪がありますね。
黒倉山から鍋倉山方面を見る。
楽しむ人たち。
まだ新緑が到達しない稜線直下のブナ林。
茶屋池へ向かう途中で。
雪原ですね。
ここまで雪があるとルート取りの自由度が高くなります。
ある程度気をつけつつも自由気ままに歩く。
茶屋池が近くなってきました。
残雪に覆われた茶屋池。
2016年とは大違い。
道沿いに生えていたフキのとう。
残雪豊富な鍋倉山。
まだ山頂には新緑が到達してません。
関田峠から雪上のR95(上越飯山線)を歩いて駐車場に戻ります。
途中から除雪してありました。
まだ遊んでる子供たち。
持っていった撮影機材
・PENTAX K-3
・PENTX K-30
・DA16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR
・DA18-135mm F3.5-5.6ED AL[IF] DC WR
2018年5月の鍋倉山
4シーズン目となる2018年は5月5日に鍋倉山に訪れました。
さすがにGWということもあり車が多く入ってきてましたね。
いつも通り駐車場から鍋倉山に直登するルートを取りました。
2017年より更に10日ほど早く訪れましたが、残雪は前年よりも少ないですね(てか前年が多かった)。
この季節としてはこんな感じなのかなと思います。
いつも通りのブナ林。
駐車場の標高は約950mですが、この辺りは新緑が上がってきてました。
2017年の条件があまりにも良かっただけに、デジャブ感を通り越し、こんなものかなぁという感情も。
淡々と登りつつも写真撮影をしていく。
まぁ、行けばそれなりに楽しんではいるんですけどね。
だって、光芒出して遊んだりしてるんですから。
これはSAMYANG 12mm F2.0 NCS CSで撮りました。
いつもの斜面を登っていく。
鍋倉山が近いですね。
関田山脈を見下ろす。
まだ上には新緑が上がってきてません。
しかし、駐車場からR95沿いのブナ林は新緑に覆われています。
少し標高を下げた稜線直下にはホヤホヤの新緑が上がってきてました。
綺麗ですね。
見下ろします。
鍋倉山と黒倉山の間に稜線直下からブナ林に突入します。
ヨチヨチの新緑とブナ。
明るい森。
ここまで下ってくると枝の藪漕ぎがR95まで100〜200m続きます。
そしてR95に出てきました。
向こうには新緑のブナに覆われた黒倉山への稜線が見えます。
駐車場へ戻ってきました。
持っていった撮影機材
・FUJIFLM X-T2
・PENTAX K-3
・SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS
・XF16mmF1.4 R WR
・DA16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR
以上
以上、2015年、2016年、2017年、2018年と4年連続で新緑と残雪を求めて鍋倉山に行きましたが、2017年の記憶が強烈だった為に2018年の山行は少し物足りなさを感じたんですよね。
結局、翌年の2019年は鍋倉山をスキップし会津駒ヶ岳の残雪を楽しみました。
翌年の2020年はコロナ禍の全国的な緊急事態宣言による相次ぐ施設や道路の閉鎖により見送りました。
今年2021年は「また行きたいな」という欲が再燃しました。
そして、久々に行ったらやっぱり楽しかったんですよね。
コロナ禍真っ只中ですが、ここの森はコロナの世界を忘れさせてくれる空気がありますね。
これからも気持ちが向いたら鍋倉山に行くと思います。
今度はどんな景色に出会えるのかな?
知名度が高くて映える山もいいですが渋い里山もいいですよ。
それでは。