星空っていいですよね。
梅雨が明けると天の川の撮影が楽しい季節になります。
あなたは何のカメラを使っていますか? フルサイズ機? APS-C? マイクロフォーサーズ?
もくじ
内容
- APS-Cセンサー機の現状
- RAWで撮影した生データ
- 自動補正をやってみましょう
- 露光量を調整して明るさを調整しよう
- ハイライトを調整して明る過ぎる部分の照度を調整しよう
- シャドウを調整して黒潰れしている部分のシルエットを目立たせよう
- 明瞭度の調整して立体感を引き出そう
- ノイズを除去してザラザラ感をなくそう
- 仕上げに色温度を調整して青味がかった空にしてみよう
1. APS-Cセンサー搭載機の現状
私が星景撮影をしていて感じること。
それはAPS-Cセンサーを搭載したカメラの高感度撮影ではノイズ耐性に限度があるということです。
画素数が少ないほど高感度にも強いことを考慮すると、1600万画素クラスのX-T1やK-5系のカメラがAPS-Cセンサー機におけるベストチョイスです。
詳細は「APS-C機で星を撮るカメラとレンズのベストな組み合わせ」読んでみてください。
そは言っても、1600万画素クラスのAPS-C機も世代が古くなりつつあります。
最近の新機種では2000万画素を超えるようになりました。
APS-C機の2400万画素クラスのカメラです。
- NIKON(D3400、D5600)
- Canon(EOS Kiss X9i 、EOS 9000D)
- PENTAX(K-70、KP、K3系 )
- FUJIFILM(X-T2、X-Pro2、X-2、X-A3)
1、2世代前なら1600万画素クラスがメインでしたが最新機種では皆無ですね。
というわけで、2400万画素センサーを積んだカメラを前提に「ノイズだらけの星景写真をレタッチする」手順をご紹介します。
使用するサンプル画像はK-3で撮影したものですが、上記のカメラリストを参考にして頂ければと思います。
では、下の画像を見てみましょう。
左は補正前の画像、右は補正後の画像です。
AdobeのLightroomを使って星景写真をレタッチしていきます。
2. RAWで撮影した生データ
RAWで撮影したときのカメラの設定です。
焦点距離:10mm(フルサイズだと15mm相当)
絞り:F4
シャッター速度:20秒
ISO感度:2500
ホワイトバランス:晴れ(色温度:5100)
撮影シーン:風景
暗いですね。
ちょっと20秒のシャッター速度は短かったかな。
理論的には(500のルールに当てはめた場合)星を点像として撮影するためには33秒の露光まで耐えられるハズです。
実はこの画像はタイムラプス用として400枚ほど撮影した中の1枚です。
実際に制作した動画は【タイムラプス】ドーリー不要!Photoshopでパン効果を出す方法でご紹介していますのでご参照ください。
撮影間隔は40秒。
そのうちの露光時間(シャッター速度)は20秒。
カメラ内の処理負荷のことも考え、シャッターを切った後は、次の撮影まで20秒のバッファを持たせました。
そのため、ちょっと明るさが不足してしまいました。
なぜ、40秒の撮影間隔にしたのかというと早く撮影を終わらせたかったからです。時間にゆとりがあれば60秒間隔で撮ったんですけどね。
3. 自動補正をやってみましょう
画像が暗いので自動補正をかけてみました。
露出が+3.45です。
テント場の様子が判別できるようになりましたね。空の雲、そして星空もいい感じに写ってます。
でもノイズが目立ちますね。
これが一般的なAPS-C・2400万画素センサー搭載カメラの実力です。
ソフトで露出を上げるとボロが出てしまいますね。
うーん。
ちょっと明る過ぎるかな。空が眩しいですね。
4. 露光量を調整して明るさを調整しよう
ちょっと明るいので、露光量を落としてみます。(露光量を+3.45 → +2.5)
いい感じになりましたね。
眩しさ加減が減りましたね。
でも左下にあるテントの明るさが気になりますね。
5. ハイライトを調整して白飛び部分を調整しよう
左から2番目のテントが明るく白飛びしているので、ハイライトを−100まで落としてみましょう。
左下にあるテント(左から2番目)が程よい明るさになりましたね。
実際に人間の目で見た感じになりました。
しかし、無数のテントが黒潰れしているように感じます。
6. シャドウを調整して黒潰れしている部分のシルエットを目立たせよう
「テント場から星空を撮影した」ということを強調したいので、テントのシルエットが欲しいですね。
ちょっとシャドウを+50まで持ち上げてみます。
どうかな?
星空の下にある無数のテントの形が少し浮き出てきたように感じますね。
7. 明瞭度の調整して立体感を引き出そう
メリハリのある立体感のある絵にしたいので、明瞭度を+50まで高くしてみましょう。
全体的にキリっ!とした絵になりまたね。
なかなかハンサムじゃないか! でも、APS-C機の宿命でノイズが目立ちます。
8. ノイズを除去してザラザラ感をなくそう
RAWファイルのデータで露出を上げた途端、ザラザラ感が目立ってしまうのはAPS-C機の宿命です。
これはソフト編集してノイズを除去するしかないですね。
ノイズ軽減をしましょう!
あまりやり過ぎるとソフトな絵になってしまうので注意。
だいぶザラつき感が減りましたね。
よしよし。
ん? もうちょっと雰囲気が欲しいですね。
今の絵だと下界からの光害を受けている様に見えます。
9. 仕上げに色温度を調整して青味がかった空にしてみよう
星空を撮影する時はホワイトバランスを「晴れ」に設定して撮影しています。そのためデフォルトの色温度は5100になっています。
風情が欲しいので青味がかった空にしてみたいですね。
色温度を3500程度まで下げます。
出来上がりましたー!
と言った具合に簡単にノイズ感がない写真に仕上げることができますよ。
これから夏に向かって星空撮影に挑戦してみてはいかが?
マイクロフォーサーズやAPS-Cセンサー搭載のカメラだと、高感度撮影でフルサイズに負けてしまいますが、最後の砦としてソフトでレタッチをするという手段があります。
ちなみに2019年7月現在、私はLightroomのクラウド版(CC)を使っています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
RAWで撮影さえしておけば、多少の暗さは何とでも補正できます。
考え方次第ですが、フルサイズ機にかける分の費用を画像編集ソフトとパソコンに投じるというのも一つの手ですね。
ところで、X-T2を導入して実際に星空撮影をしたら、ISO6400まで上げてもほとんどノイズが入らないことが分かりました。
もし、この手法でレタッチするならISO12800での撮影も可能になりますね。
それでは。