GWを過ぎたら初夏の雰囲気を感じます。心は夏へ向いています。山の最盛期がやってきますね。
そんな季節に避けて通れないことがあります。それは稜線に至るまでの樹林帯歩きです。
もくじ
登山をするなら樹林帯歩きは絶対に避けて通れない
日本国内の登山では、ほぼ必ずと言っていいほど樹林帯を歩くことになります。登山口のスタート標高が森林限界を抜けてないためです。
森林限界は一部の例外を除き北アルプスで2400m 、東北地方へ行くと約1300mです。一部の例外とは、上高地ように歩き始めから開けている場所のことです。
北アルプスに絞って登山口のスタート標高を羅列してみました。北アルプスに限らず他の山域でも参考になります。東北の山ではスタート標高が1000mを切る場所もあります。
・蓮華温泉 1400m
・猿倉 1250m
・扇沢 1400m
・中房温泉 1400m
・一の沢 1300m
・三股 1300m
・上高地 1500m
・新穂高 1100m
見ての通りスタート地点の標高はまだ樹林帯の中です。森林限界地点に達するには標高差で1000mほど登ることになります。登行ペースが300m/hなら森林限界を抜けるまでに3時間弱かかります。
樹林帯は湿度が高い
晩秋になると樹林帯は気持ちのいい気候になりますが、梅雨から真夏にかけては蒸し風呂のように熱と湿気が籠ります。特に日中になると気温がどんどん上昇し非常にパフォーマンスが発揮しづらい条件になります。
一方で、真夏の直射日光から身を守ってくれたりもします。上高地から横尾に至る道や、蓮華温泉から白馬大池へ行く登山道は緑の木々に覆われつつも景色がよく見えるため、樹林帯がある中でも退屈せずに体力温存しながら歩ける場所です。
湿度が高い場所では汗が大量に出る
梅雨から真夏にかけての時期になると、朝8時を過ぎると気温がどんどんと上昇し樹林帯の中も暑くなってきます。湿度も高い。暑がりの人にとっては地獄です。
汗がどんどんと吹き出てきます。手拭いで拭いても汗は留まることを知りません。水分を補給しないと脱水症状を起こしてしまいます。
その脱水症状を防止するためにいつも以上に水を持ち歩くことになります。荷物の重量が増え更に汗が出やすい条件が整ってしまうという皮肉なことが起きてしまいます。
暑がり屋さんにとっては負のスパイラルですね。心肺機能や筋力が備わっていて行動体力が強くても、肝心の防衛体力が弱くてバテてるというパターンにはまってしまいます。
これを防止するにはどうしたらいいのでしょうか?
その方法はただ一つ。「気温が上昇してない時間帯に標高を稼ぐ」です。
気温が低い時間に歩けば湿度が高めでも汗が出にくい
夏山では朝の8時を過ぎるとすでに暑くなってしまいます。気温がまだ落ち着いている7時台に稜線の近くまで行っておきたいところですね。となると、稜線まで3時間掛かると仮定すれば4時には登山口を出発しておきたいとことです。
しかし登山道によっては、稜線までアプローチするのに5時間以上かかるとこともあります。例えば笠ヶ岳の笠新道ですね。夜中に出れば暑い時間帯を避けることができますが、睡眠時間との兼ね合いもあります。
睡眠不足の状態で登るとパフォーマンスが低下します。私が徹夜の身で歩くと最大で30%ほどコースタイムが落ちます。
じゃ、どうしますか?と。
睡眠時間を確保しつつ暑さを避けて登山しても、最盛期の山では暑さの時間帯に被ることを覚悟することが必要かもしれません。
でも、修行僧のようなことはやりたくないですね。できることなら快適に歩きたい。
暑さの中、歩くという前提で発汗対応をしよう。機能素材ウィックロンのTシャツがいい
実は汗をかいても肌に快適なシャツがあります。それはモンベルのウィックロンTシャツです。速乾性と通気性に優れています。何よりも汗の臭いがつかないのがいいですね。
私は湿度の高い樹林帯を歩いていると汗を大量にかくのですが、稜線に出て比較的、アップダウンの少ない登山道に差し掛かると汗が引きます。
ウィックロンを着ていると速乾性があるのですぐにシャツが乾きベタつき感がありません。臭いもつきにくいので、縦走をする時は行動中に限り2日目・3日目で連続着用する時もあります。
縦走における2日目は稜線歩きが基本となります。すでに森林限界を超えているので湿度も樹林帯ほど高くありません。直射日光は多いものの気温も低めでそよ風が吹きます。登り返しも1日目よりもぐっと少なくなります。
発汗度合いが減るのです。だから連続着用しても問題ありません。
私がよくやるのは、行動中に着用したものはテント場で日干し、別のTシャツに着替えます。着替えたTシャツはテント場だけで着用し、翌日のテント場でも使います。テント場では汗をかかないので問題ありません。
このやり方だと2泊3日の登山で、3枚のTシャツがあればOKです。
・1日目の行動用:樹林帯から稜線歩きで1枚
・2日目と3日目の行動用:稜線歩きで1枚
・1泊目と2泊目のテント場用で1枚
1日目に使ったTシャツは乾かしておき、万が一に備え予備にまわします。例えば持っているTシャツが雨で全部濡れてしまった時ですね。こんな時に予備が役立ちます。
乾かして使い回す理由ですが、ウィックロンは肌触りがとてもいいからです。サラサラ感があります。まるで洗濯したてのシーツに身を包んでいるかのような錯覚に陥ります。肌触りはとても大事です。ざわざわしていたら着ているだけでストレスを感じますからね。
これまでにICI、Phenix、North Face、Patagoniaのシャツを着てきましたが、ウィックロンに敵うシャツには出会ってません。モンベルはデザインが海外メーカーと比較すると垢抜けないなと思うこともあります。しかしクオリティーの高いアンダーウェアを出していますね。
私はウィックロン素材のWIC.Tシリーズを5枚持っており普段着でも使っています。普段使いでは肌触りの恩恵を受けています。
それでは。