YouTubeやVimeoで流れているタイムラプス作品。これらの映像は2〜3分くらいの長さが多いです。
仮に2分間の動画を24コマ(1秒間に24枚のデータを動画化)するとしたら、何枚の写真を撮影すればいいと思いますか?
答えは3000枚です。
そのために必要な機材は?
もくじ
登山で撮影したい場所までアプローチするということ
車でアプローチできる場所とは違い、登山では持っていける機材に限度があります。テント一式、調理器具や寝具、衣類に撮影機材が加わるからです。
行動中の飲料水やエネルギー補給源も考えなければなりません。ポンポンと荷物をザックに放り込んで行くわけにはいかないのです。そんな制約の中、山でインターバル撮影をしタイムラプスを作るにはどんな機材システムを組んで行ったらいいのでしょうか。
タイムラプス用の素材を撮影するため、これまでに私が一番多く持って行った機材を紹介します。
- カメラボディ2台
- 三脚2台
- ベルボン ULTREK 45L
- Velbon カーボン三脚 Geo Carmagne(この形状の脚にボール雲台を装着)
- レンズ3本 (超広角、高倍率ズーム、標準単焦点)
- 交換用バッテリー6セット(カメラ2台分)
- フィルター、レリーズなどの小物
これで約4000枚の撮影に対応できます。行動中の撮影することを考えるとタイムラプス用として使うデータを3000枚撮影することを想定しています。3000枚だと24コマ動画で約2分間の映像ができます。
24コマ * 120秒 = 2880枚
上記の撮影機材だけで約5kgあります。
山の状況は刻々と変わりますので、その季節のその瞬間を狙うために、一度の山行で撮って撮りまくるというスタンスです。でも機材はなるべく限定的にしたい。これが車でアプローチできる場所との相違点です。
イメージとしては1泊2日で数千枚の撮影に臨む感じです。これで日中から夕方、夜、朝の時間帯に対応できますからね。日帰りだと難しいです。
ミラーレス機より光学式一眼レフがいい最大の理由はバッテリーの持続力
ミラーレス機の利点は重量が軽いことです。そしてレンズによっては写りがいいことです。日中の撮影をするうえではAPS-C機やフルサイズの機作例と比較をしても写りに大差がありません。パソコンやスマホで見ると尚更です。
PanasonicのGX7をお供させる時があるのですが、このカメラに付けているLUMIX G 20mm / F1.7 II ASPHの写りがとてもいいんです。森の中では大活躍するレンズです。
PENTAX用の標準単焦点としてFA 31mm F1.8 AL Limitedの購入をずっと迷っておりました。しかし実際にFA31mmを借用して試し撮りした写真と比較してもLUMIX G 20mm / F1.7 II ASPHの写りに遜色がなかったのです。
そんな理由からFA31mmへの資金投下はやめ、GX7を標準域のスナップカメラとして存続させることにしまいた。状況によってはマイクロフォーサーズのカメラでもAPS-Cに対抗できるんですよね。
ただタイムラプスで数千枚を一度に撮影するスタンスで臨むなら、光学式の一眼レフ一択です。
その最大の理由はバッテリーの持ちにあります。ミラーレス機はバッテリー1台に対する最大撮影枚数が300〜400枚なんですよね。
Panasonic GX7 | μ4/3 ミラーラス | 320枚 |
OLUMPUS E-M1 | μ4/3 ミラーラス | 350枚(バッテリーホルダー併用で680枚) |
FUJIFILM X-T1 | APS-C ミラーラス | 350枚(バッテリーホルダー併用で700枚) |
Sony α7シリーズ | フルサイズ ミラーレス | 340〜380枚(バッテリーホルダー併用で700枚) |
PENTAX K-30 | APS-C 光学式 | 480枚(単三ホルダー併用・エネループプロ併用で1200枚) |
PENTAX K-3 | APS-C 光学式 | 720枚 |
Nikon D500 | APS-C 光学式 | 1240枚 |
Nikon DF | フルサイズ 光学式 | 1400枚 |
Nikon D5 | フルサイズ 光学式 | 3780枚 |
私はK-30にリチウムイオン2セット、エネループ・プロ(劣化が激しいので今はノーマルエネループへ変更)、K-3にリチウムイオン3セットというやり方で撮影をしています。
パナソニック エネループ 単4形充電池 4本パック 大容量モデル eneloop pro BK-4HCD/4
パナソニック eneloop 単3形充電池 4本パック スタンダードモデル BK-3MCC/4
理想のシステム
日中から夜のタイムラプスの両方に対応するということを想定した理想のシステムを考えてみました。ここでは私が保有している機材を中心に考えてますが、ご自身がお持ちのカメラに置き換えて頂ければと思います。
○想定撮影枚数 3000枚(24コマで約2分間の動画ができます)
○4K動画を想定 (800万画素以上あればできます)
●APS-C機1台+24mm相当のレンズ(日中の撮影)
リチウムイオンバッテリー3個(2100枚分の撮影に対応)
●フルサイズ機1台 + 20mm以上の超広角レンズ(トワイライト〜夜の撮影)
予備バッテリー1個(本体と合わせて2800枚分の撮影に対応)
上記2台のカメラ機材で3kg弱。これにManfrottoのBefreeカーボンの三脚を加えて4kgです。
この組み合わせで、4900枚の撮影に対応できます。実際にはインターバル撮影のような連続撮影では仕様上の枚数よりも多く撮影できます。素材は多いに越したことはありません。失敗する可能性も含めてこのくらいのバッファがあれば文句ナシですね。
Nikonが素晴らしいなと思う点。バッテリー容量が同じなら他社製の光学式一眼レフと比較して倍以上の枚数を撮影できることです。
K-3のリチウムイオンバッテリー容量は1860mAhに対して720枚、一方のdfで使われているバッテリーは1260mAhに対して1400枚の撮影に対応しています。省電力設計が優れているんですね。
夜の撮影用としてdfを候補に挙げた理由は、画素ピッチが広い(フルサイズなのに1600万画素)からです。これは夜景撮影においてISO感度を高くしてもノイズが入りにくいことを意味します。そして、重量に対するバッテリーの持続パフォーマンスが良いからです。
日中のタイムラプス撮影中は待ち時間が発生するのでGX7でスナップ写真を撮って遊びます。上記の組み合わせにミラーレスor高級コンデジがあれば鉄壁ですね。
それでは。