![](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-31.jpg?ssl=1)
ペンタックスK-30を分解してみました。(また組み立てましたよ)
※写真は下の記事にたっぷり載せています。
分解をした目的は防塵防滴用のシールド素材がどうなっているのかを知るためです。
おそらく他社製のカメラも似たような作りなのではないかと考えています。
もくじ
シールド加工は永続的に機能を発揮するものではない
分化して分かったこと。
- シールド加工は大きく分けて3箇所のエリアに施してある
- それはボディ底面、ボディ上部、レンズマウント部分である
- シールド素材はスポンジ状の気密パッキンテープのような素材を使っている
- 基板はコーティング(防湿処理)をしていない
- ボディ内部の配線はFPC(フレキシブル基板)で埋め尽くされている
以上のことから、
部結露や浸水が起こった際に影響を受けるのは、プリント基板であり配線部のFPC(フレキシブル基板)は半田付け部分を除けば大きな影響を受けない。
シールド加工は劣化をする。
よって、防塵防滴としての機能は正味期限がある。
このメーカーのカメラも一緒だろうと思われる。
永続的に防塵防滴機能は維持できない。
オーバーホールなどでシールドを張り替えてくれるサービスがあれば話は別だが。
以降は分解した時の様子。
論より証拠です。
K-30のボディ底面部カバーを外してみる
分解前の様子。
底面はなかなか年季が入ってますね。
よく中古でボディの傷が・・・何てことを言われますが、底面の傷はコンクリートに置いたり、三脚につけたりすると付くものデス。
機能には何ら影響はありませんね。
![](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-2.jpg?resize=779%2C520&ssl=1)
精密ドライバーで底面部のネジを外したところです。
エンジニア 精密ドライバーセット DK-60
ネジの長さには法則性がありません。
ですので、組み立て時に困らないようにボディ底面のネジ穴順にネジを並べています。
![K-30の底面カバー](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-5.jpg?resize=779%2C520&ssl=1)
底面カバーを外した様子。
![K-30の底面カバーを外した](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-4.jpg?resize=779%2C520&ssl=1)
シールドスポンジ状のラバーです。
爪で引っ掻いたらポロっと欠けてしまいそうな素材です。
![](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-6.jpg?resize=779%2C520&ssl=1)
こんな形状に合わせて製造用の機械を最適化なんかしていたらコストが高くなってしまいそうです。
諸外国の生産拠点で地道に手作業でテープを貼ってるんでしょうね。
シールド部分を拡大。
![K-30底面カバーのシールド詳細1](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-8.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
スポンジ状の形状だって分かるでしょ?
やっぱり人間の手で貼るしかなさそうですね。
![K-30の底面カバーのシールド](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-9.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
これで手作業だろうなって確信が持てそうです。
となると、個体差が出てくるかもしれませんね。
![](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-11.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
レンズマウント部を分解してみたらゴムパッキンが劣化してポロポロ取れた
マウント部の金具を取るのも簡単。
ネジを5個外すだけ。
![k-30マウント部分](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-16.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
なんか黒い針金みたいなのが出てるでしょ?
これ、ゴムパッキンです。
マウントの外周上に施されているものですが、パッキンの一部がポロっと欠けてビョーン、っと飛び出しています。
![K-30マウント部のゴムパッキン](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-14.jpg?resize=779%2C520&ssl=1)
もうちょっと拡大して見ます。
![K-30のゴムパッキン拡大](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-15.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
こんな感じでゴムパッキンがポロポロ状態になっているのが分かります。
![K-30マウント部のゴムパッキン劣化](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-17.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
赤丸印が劣化部分。
![K30マウンド部のパッキン劣化](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-19.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
ゴムの弾力性がありません。
![ゴムパッキンがポロポロ](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-18.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
要するにゴムパッキンが経年劣化してたということですね。
これでは防塵防滴としての機能は果たせなくなりますね。
ボディ上面部カバーを外してみる
ボディ上面部も底面部と同様にネジを外して行きます。
フラッシュ部分のカバー下にもネジがあります。
これはまだ分解前。
![k-30ボディ上面2](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-13.jpg?resize=779%2C520&ssl=1)
FPC(フレキシブル基板)が張り巡らされています。
黄色い平たいやつね。
この部分は湿気の影響を受けません。
![](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-22.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
FPC(フレキシブル基板)のオンパレード。
![](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-23.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
ハンダ付け部分は湿気や結露の影響受けるかも。
あとは接続端子部分とか。
![ハンダ付け部分](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-28.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
四角いシルバーの色をした金具の丸い部分はシャッターが押される部分です。
![K-30シャッター金具](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-20.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
この金属部分が先ほどの丸い部分に接触をして通電し、シャッターが反応する仕組み。
シャッター切れねぇーよ!なんて時は、ここの接触部分を見直すだけで改善するのかもしれません。
![K-30のシャッター部分](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-21.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
丸い金具にもシールド加工がしてあります。
![K30のボディ内部](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-27.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
ボディ上部のフタのシールド加工も取れそう。
![](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-26.jpg?resize=780%2C519&ssl=1)
分解はここで終わり。
シャッターユニットやセンサーぶまで見てみたかったけど、これ以上手をつけると元に戻せなそうな気がしました。
分解して分かったことはシールドやゴムパッキンの経年劣化を迎えるという事実
このK-30は故障のため本体交換をしたものです。
あれから3年経過。
使用上の環境にもよりますが、暑いところから厳冬期の山まで持ち歩いて劣化が早まったのかもしれません。
製造を経てから時間的な経過(在庫のためずっと保管とか)で劣化がしたのかもしれません。
防塵防滴の砦であるシールド部分やゴムパッキンは経年劣化をする。
だから、山や全天候型で使うならその前に写真を撮りまくれ!が結論。
オーバーホールサービスでシールド交換でもしない限り、4〜5年も経過すれば防塵防滴としてのカメラとしては現役引退かもしれません。
そうなったら、下界専用のカメラになるのかな。
分解中の様子と撮影機材
こんな感じで撮影しながら分解しました。
根気が要る作業ですよ。
![K-30分解中の様子](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-32.jpg?resize=779%2C520&ssl=1)
最後に組み立てた直したK-30+ smc M28mm F2.8のオールドレンズで分解の様子を撮影した機材を撮ってみました。
![smc M28mmF2.8で撮影](https://i0.wp.com/drasworld.com/wp-content/uploads/2017/12/knew-fact-by-disassemble-40.jpg?resize=780%2C517&ssl=1)
それでは。
撮影に使った機材
Manfrotto コンパクト三脚 Befree カーボンファイバー