岩場を制覇する人が偉いんだ、みたいな人っていません?
北鎌尾根を登ったり、槍ヶ岳に登頂したり、大キレットやジャンダルムを走破したから偉いんだ、みたいな雰囲気を醸し出す人です。そういう場所を好まない人を見下す人です。
つまりマウンティング野郎です。
マウンティングとは
相手に乗りかかる・のしかかかる行為を意味する語。動物が交尾のため背後から乗りかかる体勢、あるいは、サルやゴリラなどの霊長類が自分の優位を顕示するため相手に乗りかかる体勢などを指すことが多い。
霊長類の自己顕示行為としてのマウンティングは相手がオスかメスかに関係なく行われる。転じて、人付き合いの中で何事につけても相手をそれとなく貶め、自分が優位に立とうとする行為や性向をマウンティングと呼ぶことがある。
(日本語表現辞典 Weblio辞書より引用)
槍や穂高は有名どころだし多くの登山者の憧れの地だったりしますからね。そりゃ、一種のステータスにもなるんでしょう。
上高地に汗だくで大きめのザックを背負って帰ってくると、オバちゃんたちに「あらー!槍に行ってきたの?」って一発目に聞かれることがありますからね。それだけ一種のステータスにもなっているということですね。
山の中の楽しみ方は人それぞれで自分に合ったスタイルがあるハズです。自分が楽しけりゃそれでいいじゃん!って思うんだけど、人に自分の力を誇示しようとする人たちがいます。普段、よほど虐げらてるのかな?って勘ぐってしまいますよー。
マズローの自己実現論で言う承認欲求が不足してるんですかね? 自己肯定感がないだけなのかも。だから人へ承認欲求を求め、結果的に他人に対して力を誇示し承認を得ようとしているのかな?
マズローの法則で言う「承認の欲求 (Esteem)」に該当する部分、上から2番目の階層に属す人です。
(図はWikipedia のEnglish版から拝借)
もくじ
①生理的欲求
炎天下の中、樹林帯を登り続けていると水分が欲しくなります。せっかく稜線まで登りつめて見事な風景が目の前に広がっていても、脱水症状ではゆったりと景色を眺めることが困難になります。それよも「水飲みてぇー!」です。
トイレもそう。お腹痛かったりすると風景よりもさっさと山小屋に着きたい!と言う気持ちが勝ります。その結果、目の前にある景色よりも早歩きをすることに注力してしまうことになります。
そーいえば、携帯トイレはお持ちですか? 万が一に備え是非、携帯しておきましょう。
②安全欲求
山では道迷いや滑落、転倒による怪我からのリスクを未然に防ぐ行為が当てはまります。
だからこそ地図を見て所要時間はどのくらいかかるのか、とか転倒リスクがある場所はどこなのか、といったことをチェックしながら行動します。
快晴マークでも必ずレインウェア、ザックカバーを持って歩きますよね。それは突然の雨風からのリスクに晒され低体温症になることから身を守るためです。死に直結しかねないリスクに対して、みんな、無意識に対策をしています。
でも、一番効果が高いのはツェルトでしょう。咄嗟にかぶることができますので、常に携帯することをオススメしますよ。
私は常時アライテントのロングタイプのツェルトを持ち歩いています。ペグとストックが必要ですがテント代わりとしても使えますしね。
アライテント(ARAI TENT) ビバークツェルト1 ロング
③社会的欲求
んー。山では当てはまるのかな?
まぁ、少なくても人間関係が良好であることを前提に、何も気がかかりがない状態で山に入るか、人間関係が最悪で自分を見つめ直すために孤独な気分で入っているかのどちらかだと思います。
危険ゾーンを歩く時、人間関係が最悪で気がかりを持ちながら歩くのは、事故を引き起こす要因にもなり得ます。
山では気がかりを抱えて歩くのが一番リスクがありますよ。人間関係、身近な些細なことは精算してから山に入った方がいいかもしれませんね。
言い換えれば、日常生活を疎かにする人は山でも事故を起こしかねません。
④承認欲求
山でマウンティングする人たちのゾーンです。ごく一部の人ですが、岩場至上主義者やランニングの所要時間を自慢する人たちです。こっちは、聞いちゃいないんですけどね。
どうしても「スゴい!偉い!」と褒めてもらいたいようですね。
このゾーンに属す人たちは、物理的な面で私生活でもさほど困っておらず、ちょっとだけ余暇に回せる時間がある人たちって感じですね。
でも、日々の生活では他人から承認されてないか、自己肯定感が足りてないかのどちらかに属する人です。山に対して自己に対する絶対的価値観を求めているのではなく、他人に対する相対的価値観を求めている人たちです。
本当に絶対的価値観を求めている人は、他人にも自慢しないし力を誇示する必要もありません。ロッククライマーとかそんな感じじゃないですか?
⑤自己実現欲求(潜在的能力を最大限発揮して思うがままに動かす)
理想のゾーンです。心底から自分だけで楽しめる人はここのゾーンに属す人だけです。
山は他人から賞賛を得るために行くものではありません。自分の絶対的価値観、つまり自己実現欲求を満たすために行くものです。
それでは。