ふと手にとってみた本がキッカケとなり、行動の幅が広がることってありませんか?
手塚治のブッダという本、漫画を通じてブッダの概念を理解できます。この本ね、面白くて一気に読んじゃいました。
次に目を向けたのが「小説ブッダ」でした。この本を読んだことがキッカケとなり、著者「 ティク・ナット・ハン」に興味を持ちました。
ティク・ナット・ハンはベトナムの僧侶でマインドフルネスの教えを説いております。
私はマインドフルネスという言葉は「過去の悔やみや、未来の不安に縛られるのではなく、ただ今を生きること」と解釈しています。
私自身、何かに対して信仰心があるわけではありませんし、自分で見たこと、やったことしか信用しないです。筋が通らないことがあれば遠慮せずにカウンターを打ち返すタイプの人間です。人から好まれようなんてことはあまり考えません。
そういう性質を持ち合わせた人間ですが、このマインドフルネスという考え方は好きです。多くの人があるべき姿だと思っています。現代人は「今を生きない」という病にかかっていますからね。
そんなこともありティク・ナット・ハンの弟子が来日した際、リトリートというものに参加したわけです。
リトリート(Retreat)という言葉をケンブリッジの英英辞典で引くと3種類の意味があります。
一つ目がPOSITION、二つ目がDECISON、三つ目がPRICEです。
ここで言うRetreatを指しているのが一つ目がPositionです。ニュアンスとしては物理的な場所ですね。
to go away from a place or person in order to escape from fighting or danger
to go to a quiet safe place in order to avoid a difficult situation:
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/retreat
物理的に危険な場所から逃れる。
難しい局面(精神的に)にいる時、安全な場所に逃れる。
と説明されています。
そのはじめの一歩を踏み出した場所が長野県池田町のお寺でした。
もくじ
成就院(曹洞宗)
北アルプスと対局するように標高900〜1000m前後の山々が長野県池田町に連なっています。成就院はこの山奥にあるお寺です。
ここでティク・ナット・ハンのお弟子さんたちと共にリトリートをやりました。説明するのが難しいのですが、今振り返ってみればこんな感じかなぁと思っています。
何者にも邪魔されずに、自分だけの物理的な空間を確保し、過去でも未来でもなく、ただ今この瞬間に心を集中することをやる、です。
彼らは瞑想とはただ座ってやるだけでなく歩きながらやるんですよね。もちろん私も参加しました。
登山をやっている方なら分かるでしょう。
あなたがソロで誰もいない稜線を歩いている時、過去や未来のことって考えますか?何も雑念がなくただただ目の前の圧倒される風景に心を奪われていませんか?これって今この瞬間を生きている証なのですよ。
そんなことを感じましたね。
さて、こういう場ですから食事は菜食のみです。夕食は何を食べたのか忘れましたが、朝食はブドウとお茶でしたね。ランチはベジタブルカレーです。
まだまだこの後の1年間は肉食人でしたね。ノートの記録に書いてありましたよ。焼肉に生姜焼きなどをよく食べていましたね。
ところで、こういう世界を通じてプラントベース食にしてきたのかと言うとそうではありません。
まったく関係がないところから徐々に食生活が赤身の肉中心から魚とプラントベースに変わってきた感じですね。あまり殺生がどうのこうのとか意識してなかったですし。感覚的に体がラクなほうを選んでいるのでしょうね。
結果的にプランドベース寄りのペスコベジタリアンというスタンスでワークアウトを続けて体を作っている自分がいます。
太陽寺(臨済宗)
単に宿坊に泊まりたくて行ってみた場所。
話題のお寺ですし都内から近いこともあり女性の方々が多かったですね。それから外国人の方もいましたよ。ヨーロッパやアジアから日本の旅行ついでにいらしていました。
太陽寺はガチな修行というよりは、ゆるい感じで瞑想や写経をプチ体験できるお寺です。初めてのかたや女性にはウケけがいいお寺じゃないでしょうか。実際に私が行った時も女子が多かったですし。
ゆるい感じですから宿坊体験をしている方々とコミュニケーションを取る時間もあり、楽しい時間を過ごしましたね。
ここで私と同じペスコベジタリアンの外国人の方と食についてお話をする機会がありました。彼女は日常生活で半年ぶりに肉を食べた体験を話してくれたのですが体が重く感じると言っていました。
食に対する意識は日本よりも外国人の方が高いと感じましたね。自分の体のことをきちんと考えています。
この頃には私も赤身の肉を食べる生活からフェードアウトしてましたから、彼女の感覚が理解できました。
自らの考えで食生活を変えその生活に慣れ親しむと、元の食事に戻した時に違和感を感じるのですよ。
当然、こういう場所ですから精進料理が出てきます。動物性の食品は一切使われておりません。実は私の目的は精進料理でした。
ここで何かを得たというわけではありませんが、精進料理の味噌汁の出汁の取り方が分かりました。
ポイントは昆布で出汁を取り胡麻油で風味をつけることです。それ以来、我が家では出汁は素材と胡麻油がベースになっています。
標高1700mに建つ七面山敬慎院(日蓮宗総本山系)
七面山敬慎院は日蓮総本山の身延山久遠寺に属すお寺です。
敬慎院は標高1700mにありますから嫌でも4時間の登山をしなければ辿り着くことができません。道は登山道のみです。せめて厳冬期は軽アイゼンはあった方がいいかもしれません。
そんな敬慎院ですが立派な建物が建っています。お寺の中はそれはもう荘厳なものです。建築材や重機(軽トラなど)はヘリで運んだんだそうですよ。すごい財力ですね。
実は日蓮にはあまりいい印象を持っていませんでした。以前に日蓮を流布している一般の方からあの手、この手で激しい入信を勧められたという苦い過去があります。
しかし、本家に行くと印象が変わりますね。僧侶たちは入信を勧めないしどこの何を信仰してもいいんだよ、という立場を取っています。これで本家の人たちはまともなんだなと思いましたね。
ここでは説法を聞いて祈ることをやりました。そりゃ総本山ですからガッチリとやります。法蓮華を唱えたりしますし。
食事は精進料理です。動物性のものは一切ありません。ご飯、味噌汁、ひじき、高野豆腐が夕食です。ご飯はお代わり自由です。私は6杯食べました。ところで夕食に熱燗が出てくるんですよ!
私が行ったのは冬でしたので、お客さん?は数名だけでしたね。多いときは1000人もの人が訪れるのだと僧侶が言っていました。
私が行った時は僧侶の数の方が多かったです。なかなか体験できないことですね。人混みが嫌いな方は冬に訪れてみてはいかがでしょうか。
以上、3つ宗派で瞑想やら精進料理を体験したお話でした。
それでは。