何年も前から薄々と感じていたこと。
それは睡眠はすご〜く大事だということ。
私自身ソロで行動する時は寝ないで10時間ぶっ通しで歩くことがあります。
つまり徹夜です。
持ち時間と個人的趣向(求めるもの)を天秤にかけた結果、後者を選択しているからです。
しかし、弊害があることも強く感じています。
例えばこんな症状です。
・歩き出しは寝不足感を感じないためテンポよく行動できる
・朝になると突然、睡魔が襲ってくる
・日が昇って来て気温が上昇してくると、体の動きが鈍くなってくる
・更に追い討ちをかけるように頭がボーッとしてくる
「俺、寝てないんだ。でもこんなに行動できるんだぜー!」とアピールしてる人でも実際のところ同じ症状に悩まされてませんか?
こんなことがありました。
寝不足から上記の症状を経てルートを見誤り危険地帯を歩いたことが2度あります。
そのうちの1回は何度も歩いたことがあるルートでよく分かっている道です。
分岐の看板に気付かずに通過しルート外(とは言ってもかつて歩いた跡がある)から下山をしたんですよ。
足を踏み入れたのが不幸の始まり。
そこは傾斜がきつい雪渓がある谷間地形です。
稜線から十時印の辺りを下ってきました。
元のコースに戻るには滑落リスクが高過ぎて戻れません。
滑らないように雪渓の脇に生えている草を掴みながら何とか下山したという苦い経験をしました。
週末登山をライフワークとしている人が寝不足感を回避して登山を楽しむにはどうしたらいいのでしょうか?
もくじ
登山の初日は一番パフォーマンスを発揮すべき日。現実は一番悪いコンディションで挑んでる人が多い
駐車場確保のために駐車場に前夜INすることって多々あると思います。
車中泊(テントもだけど)をやる人なら察しがつくと思いますが、登山口で車中泊は熟睡できません。
車が次から次へと駐車場確保のためにひっきりなしに車が入ってきます。
そんな状況の中で何時間寝れてますか?
熟睡できる人は少なくないのではないでしょうか。
結果的に、睡眠が浅い状態で朝を迎えることになりますよね。
意識してないかもしれませんが、体のコンディションは普段の生活よりも悪いわけです。
そのツケは行動時間が長くなればなるほどジワジワと効いてきます。
登山の初日は登山行程の中でも一番体力を使う日です。
稜線へ出るためです。
一番パフォーマンスを発揮すべき日に一番体のコンディションが悪い状態で挑まなければならないわけですから皮肉なもんです。
心身ともにフレッシュな状態で登山をするのがあるべき姿
寝不足を感じたまま純粋に景色を楽しめますか?
「ちょっと、ねみぃーよ」なんて感じてませんか?
風光明媚な景色が目の前に広がっているのに”気掛かり”があったら心の底から景色を楽しめません。
本当にあるべき姿。それは心身共に何も心配事(気掛かり)がない状態で登山に臨むことです。
6時間の運転して一睡もできなかった真夏の飯豊連峰の記憶
飯豊連峰の南部を歩いた時の話です。
自宅を22時に出て翌日の4時に登山口(弥平四郎)に到着。
そこから6時まで車で仮眠。
仮眠をする時は窓の隙間を少し開けますよね。
蚊がすごくてほとんど寝れませんでした。
20数か所、蚊に刺されたのですよ。
こんな状態で登山を開始することになりました。
稜線に出るまで3時間40分。
気温がどんどん上昇してきます。
樹林帯を抜ける頃には灼熱地獄と化していました。
どんどん体力が奪われていきます。
ペースも落ちるし頭はぼーっとするし何一ついいことありません。
景色なんか見るゆとりがありません。
この状態で切合小屋に到着。
時刻は12時30分を回った頃。
テントを張ったらそれで終わり。
何もやる気が起きないのですよ。
思考回路も働かないし体も疲労しています。
せっかく早く着いたのにそこで過ごした時間の記憶すら残ってないんですよ。
これって、人生を無駄にしている行為だなと思います。
他の事例も挙げておきましょう。
登山のパフォーマンスではありませんが、そこへ至るまでにリスクを抱えたという観点からの話になります。
ある年のゴールデンウィークに伯耆大山へ行った時の話です。
この時は徹夜で車を運転して行きました。
ずっと高速です。7時間ぶっ通しで休憩も取らずに運転したわけです。
何度か集中力が途切れそうになったのを覚えています。
この時は仮眠もせず登山をしました。
同様に熊野古道の中辺路コースを歩いた時も同じような状況でした。
徹夜ぶっ通しで8時間運転をしました。
真夜中に紀伊半島の南部へ入り一般道を走行している時のことです。
ふと気付いた瞬間、中央分離帯へ衝突する寸前でした。
言うまでもなく慌ててハンドルを切りました。
タイミングがずれていたらこのブログは存在してなかったかもしれません。
世の中に出ている情報は輝かしいシーンにフォーカスした情報が多いですよね。そりゃそうです。
誰もがいいところを披露したいし注視されたいという深層心理がありますよね。しかし、その背景では無理をしている人たちもいるでしょう。
結論としては、寝ないで登山の行動(車での移動も含め)をしても何一ついいことないよ!ってことです。
寝不足感を解決するための方法はただ一つ。寝てけ!
多くの人が駐車場の確保のために前夜から登山口へ入ってきます。
しかし、その結果、熟睡出来ずに睡眠不足で登山をすることになり本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。
少しでも良質な睡眠を確保したければ少しでも自宅の布団で寝て行くこと。
車で中途半端な仮眠を4時間やるくらいなら、自宅の布団で4時間熟睡したほうがよほどパフォーマンスが発揮できます。
登山口に到着する時間が遅くなることで近くの駐車場が確保できずに30分間余計に歩くことになったとしてもです。
それでは。
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