軽量化が流行っています。「軽さは正義」。そうだと思います。荷物は軽いほど早く歩けます。短時間でより広い範囲で行動できます。
ただし時間に制限がある場合での話です。山に入る多くの人は現役世代。まとまった時間を割けません。軽さに正義を求め、時間辺りの行動に効率を求めてしまうのが根底にあります。時間さえあればゆっくり歩けばいいだけの話です。
海外でのロングトレッキングやエクスペディションでは、軽量化に拘り過ぎると命取りになります。100gや200g軽量化したところで何も変わりません。道具の軽量化よりも堅牢性・頑丈性が大事です。道具に対する絶対的な信頼を持てることが大事です。
コッフェルには親分であるバーナーが必要。親分はしっかりと子分の面倒をみてやらなければなりません。
実は子分のコッフェル(クッカー)に関しては、親分のバーナーほどシビアでないんですよ。
調理器具・コッフェル(クッカー)は大と小の2つあればどんな環境でも対応できる
初めて購入したコッフェルは、スノーピークのトレックでした。小サイズのコフッェルを大サイズに収納できるタイプのものです。
私が使用していたのはアルミタイプのコッフェルでした。
この大と小のコッフェル2つで残雪期から晩秋の山、標高5000mを越えるトレッキングに対応してきました。6年くらい使ったでしょうか。使って使いまくって使い倒しました。あちこち凹みや傷ができました。ついには内側のアルミが剥げてきてしまい、チタン製のコフッェルに買い替えをしました。
大と小の2つセットがあれば登山のテント泊のあらゆるシーンで対応できます。ポイントはコフッェルを2つ持つことです。1つはお湯沸かし専用。もう一つは調理用です。調理をした後、軽く掃除はしますがそれでお湯を沸かすと、調理をした後の味が混じってしまうことがあるためです。
コッフェルの材質は大きく分けて3つ。その中で何を選ぶのか?
- アルミ製:熱伝導率が高いですが、焦げ付きやすいです。
- チタン性:軽量です。熱伝導率が低いですが、実用上では問題なし。
- ステンレス製:万能。頑丈です。
アルミの熱伝導を取るか、チタンの軽量さを取るかの話になります。チタンは軽量ですが熱伝導が低い。だから燃料は消費します。という理屈になります。となると、その分、燃料を持たなければならないですね。ガス缶だと容量を調整できないので持ち歩く缶を増やしますか?という話になります。
アルミとチタンのどちらを選ぶのか?と言われると、直接鍋でラーメンを食べたきゃチタンの方がいい!って答えます。鍋の縁がアルミに比べて熱くなりにくいからです。あとは、チタンの方が焦げにくいですね。ただし気温が低い環境(厳冬期や国外の高地)で使うならアルミの方が調理性能が上なので、そちらをオススメします。
次にオプションです。
ステンレス製のクッカーはガッツリと調理したい人向けです。私はMSRのストアウェイポット(1.6L)を使っています。日常生活でもご飯を炊く時がありますよ。
ストアウェイポットは、山で煮込み料理を作りたい時にとても重宝しています。鍋の底は浅いですが、直径が大きめなので煮込み料理にはピッタリです。秋口に涸沢カールなどにベースキャンプを張り、まったり過ごしたい人にオススメです。鍋料理に舌鼓を打ちながら寝太郎コース確定版です。
ストアウェイポットの良い点をもう一つ。それは頑丈なことです。乱暴に扱っても凹まないです。
MSR コッヘル クッカー アルパイン ストアウェイ ポット 1.6L
MSRのドラゴンフライとも相性がいいんですよ。火力調整ができるうえに五徳が大きく、風防もついているので、どんな状況でもビクともしない性能を有しています。
ストアウェイポットとドラゴンフライはセット。かさばるドラゴンフライをストアウェイポットに収納できますよ。
このように季節、行動形態で持って行くものが変わります。
夏場はチタン性のコッフェル。基本的にお湯を沸かすことを目的としています。気温が他の時期よりも高めなので、熱伝導率の低さは気になりませんね。それよりも夏場は火が長いので、朝早くから行動したいです。手軽なドライフードにお湯だけ入れて済ませたいという場合に向いてます。
アルミ製のコッフェルは万能型です。とりあえずアルミタイプのものを持っておけば間違いないですね。オススメは、スノーピークのトレックコンボのセットです。
同じ形状でチタンのセットも出ていますよ。
ストアウェイのようなコフッェルは、対応したいシーンが増えてきたから購入しても遅くありません。
それでは。