本当にブリザックが必要かどうか考えたことありますか?
タイヤさんに行って勧められるのがブリザック。「ブリザックは滑りません。買うならブリザックです!」なんて具合に力説されると、あ。商売だね。って感じてしまいます。
少し私の雪上運転の経験を語りましょう。
わたくしは雪国で車の免許を取得しました。高校生3年生の時です。学校を卒業する年の1月から自動車学校に通い出しました。雪国ですから除雪をした国道でも圧雪された雪が道路に残ります。塩カルなんか撒いていたのかな? 本当のことは定かではありませんが融雪した道路ではありませんでしたね。
ですから公道を走る教習の時はデフォルトで雪上を運転するのが当たり前の環境でした。道路の白線なんか見えませんでしたから。そんな環境で普通自動車免許を取得しました。
晴れて免許を取得したら父親の車を借りて、あちらこちら走り回っていました。当然、山間の国道ではアイスバーンの道路もありました。普通に走行しても60km/hは当たり前。無謀だったんでしょうね。このような道路で時速100km/hで前方の車に追い越しをかけたりしていました。滑ったらアウトですよ。当時はそんなことすら考えませんでしたね。今思えば命が幾つあっても足りません。
そんな感じで、現在は登山のために圧雪やバーンになった道路から標高の高い場所へアプローチするようになりました。スタッドレスのみで登ります。初代のスタッドレスなんか中古で購入し5シーズン使いました。それででも、困ったことはありません。さすがに側面の経年劣化のことも考慮し新調しましたが。
もくじ
急発進をすれば滑る。急ブレーキを踏めば滑る。急ハンドルを切れば滑る
こんな当たり前のことも分からない人がどれだけいるのでしょうか。雪上の運転をほとんど経験したことがない人の中には、この当たり前の原理が体感として分からないでしょうね。
圧雪された雪上で急発進をすればタイヤが空回りします。FF車だと顕著です。付け加えれば鉄のチェーンを履かせていても勾配があれば、やはり急発進をするとスリップ現象が起こります。たとえ4WD車でもです。チェーンが雪上よりも強度が強いため、食い込んだ雪上が崩れるためです。
急ブレーキを踏めばタイヤがロックして制動が効かなくなります。ABSシステムが作動していたとしても急ブレーキには負けてしまいます。新雪よりも古い雪面の表面が固くなっているコンディション下で顕著にタイヤがロックする現象が発生します。タイヤの経年劣化によるゴムの硬直化以前の問題です。踏めばロックをするという当たり前の原理です。
カーブで路肩に突っ込んでいる車をどれだけ見てきたでしょうか。運転のプロ、バスのドライバーですらカーブの先にある路面の状況を判断し損ねて、急ハンドルを切り、ガードレールにガッツン!なんてこともあるんですよ。急にハンドルを切るとやはり滑ります。これはタチが悪いことに左右に車体がブレ、最悪、コントロールが全く効かなくなり、スピンをしてしまいます。バスだって当然、スタッドレスやチェーンを履かせています。
「スタッドレスの減りが早い」は誤解だ
家電の店員がカメラのウンチクを語っても、実践が伴っていなければ、表面的な情報を流しているだけに過ぎません。何も知らない初心者は店員が流した表面的なカタログ情報だけ信じてしまいます。
タイヤも同様です。どこからか情報やら噂を聞いてきて、さもその情報が全ての真実かのような錯覚に捕らわれてしまうことがあります。「スタッドレスタイヤは減りが早いんだ」と。
んなことあるか!というのが私が感じるところ。
5シーズン履いたスタッドレスは、まだ溝が残っていました。雪上よりも路面が剥き出しになったアスファルトでの走行のほうが遥かに多いのにも関わらずにです。
大体12月にスタッドレスに履き替え、翌年の5月までそのままです。高速道路で雪とは無縁の場所によく出かけます。1回の遠出で1500kmくらい走行する時もあります。それでも減ったという感じはしませんでしたね。
減りにくいスタッドレスはiceGUARDとGARIT GIZ
はい。減りずらいスタッドレスというものも存在します。
まず、一つ目がYOKOHAMA(ヨコハマタイヤ) のiceGUARD です。これを5シーズン履きました。勾配13度の圧雪道路をFF車で何度も登りましたよ。私の経験上、途中でスリップして立ち往生したということはありません。もちろん運転の仕方もあります。速度を低下させないで走行する運転ではという条件が付きます。
二つ目がTOYO(TOYOタイヤ)のGARIT GIZです。ノーマルのTOYOタイヤも履いていますが、ホント減りませんね。iceGUARD同様、雪上の運転で致命的に困ったということはありません。強いて弱点を挙げるとすればiceGUARDと比較すると、若干、圧雪道でのグリップが弱いかなと感じます。しかし、運転の仕方次第ではその弱点をカバーできます。
価格が安いスタッドレスは「ノーストレック」というブランドをオートバックスで取り扱っています。雪もたまには降るんだけど、そんなに積もらない、すぐに融雪してしまうという地域に住んでいるなら、高級なスタッドレスは不要で、2年ごとに価格の安いスタッドレスを新調するというのもアリです。
スタッドレスって、本当の豪雪地帯に住んでない限り本当に必要となるシーンは限られています。ならば路面が露出しているアスファルト道を走行することも考え、耐久性にアドバンテージがある商品を選択するのも1つの手です。
それでは。