登山中にサングラスをかけながら絞り優先モード(Avモード)写真を撮っていると、保存された画像が露出オーバーになってしまっていることありませんか?
ミラーレス機なら電子ビューがあるのでサングラスを着用していても適正露出を図りやすいのですが、光学式の一眼レフだと、ファインダーを覗いても適正な明るさで被写体を見ているとは言い難い状況に陥ります。
これ、従来の一眼レフの欠点でもありますね。
特にギンギラギンの太陽の光が燦々と降り注ぐ夏場の稜線なんかで、皆さん、苦労されていますよね。
私もそう。
撮影の度にサングラスを外してしまうこともあります。
この細々とした動作がストレスになるんですよね。
そんな時はマニュアル設定で撮影に挑戦してみるといいですね。
つい最近知ったことですが、露出の参考基準値となるものサニー16ルールというものがあります。
なかなか使えそうな指標なので、私の実体験の側面からサニー16を活用してみたいと思います。
もくじ
サニー16とは?
wikipediaの説明によると、
「晴れた日にf / 16に絞り、シャッター速度をISOのフィルム速度[またはISO設定]の直射日光下の被写体に合わせる」こと、と説明されています。
The basic rule is, “On a sunny day set aperture to f/16 and shutter speed to the [reciprocal of the] ISO film speed [or ISO setting] for a subject in direct sunlight.
Sunny 16 rule
上記の条件でISO100の時、シャッタースピードは、1/100または1/125になるとされています。
このシャッタースピードを基準にISO100の時の空の状況(光の加減)別に絞りを表にするとこうなります。
絞り 光の状況 影の状況 f/22 雪/砂 線がハッキリとしている f/16 晴れ 明確 f/11 若干、雲り 影の線が柔らかい f/8 曇り わずかに見える f/5.6 どんよりした曇り 見えない
この表から晴れの時にISOを100に固定して絞りを変えていくと、シャッタースピードはこうなります。
絞り | シャッタースピード |
---|---|
f/22 | 1/50 または 1/60 |
f/16(基準値) | 1/100 または 1/125 |
f/11 | 1/200 または 1/250 |
f/8(私が実践) | 1/400 または 1/500 |
f/5.6 | 1/800 または 1/1000 |
f/4 | 1/1600 または 1/2000 |
f/2.8 | 1/3200 または 1/4000 |
f/2 | 1/6400 または 1/8000 |
f/1.4 | 1/12800 または 1/16000 |
F1.4の場合、通常の一眼レフでは切れないシャッタースピードになってます。
しかし、ミラーレス機には電車シャッターを搭載しているもがあり、シャッタースピードを1/16000や1/32000で切ることが可能です。
そのため、日中でも適正露出を得たまま背景を大幅にボカすような撮影が可能になります。
ISO100、絞りf/8、シャッタスピード1/400が晴れた日の適正露出の基準
以前に、「登山でマニュアル撮影。肝となるのはシャッタースピードだった」でこんなことを書きました。
肝となるのがシャッタースピードです。野外での日中の撮影ならISO感度は100固定、F値も大体は5.6か8で固定するからです。
晴れや薄曇りの日中に、山岳写真をパンフォーカスで撮影するには、シャッタースピード1/250や1/400に設定すればいい。
カメラの故障のため絞り優先モードが使えなくなり、仕方がなくマニュアルで撮影せざる得ない状況に陥った結果、適正露出をマニュアルで設定するやり方が身につきました。
感覚値ではあったのですが、その時、明確に分かったことは、「快晴の山の稜線上における適正露出は、ISO100の時、f/8でシャッタスピード1/400」というものでした。
上記のサニー16から考慮した表に当てはめてみると、理に適っていたかなって思います。
ちょっとケーススタディを考えてみましょう。
ピーカンの雪上でf/2.8で背景をボカした彼女の登山姿を撮影するにはどのくらいのシャッタースピードは?
あなたは青空が広がる雪山で70-200mm相当のF2.8通しの望遠レンズを持っています。
遠くにある山肌を背景に愛しの彼女をカッコ良く撮影するにはどのくらいのシャッタースピードが適正なのでしょうか?
もう一度、サニー16のルールに則った表を使ってみます。
絞り | 光の状況 | 影の状況 |
---|---|---|
f/22 | 雪/砂 | 線がハッキリとしている |
f/16 | 晴れ | 明確 |
f/11 | 晴れだが若干雲り | 影の線が柔らかい |
f/8 | 曇り | わずかに見える |
f/5.6 | どんよりした曇り | 見えない |
f/4 | 日の出や日没 | – |
この表によると、雪/砂では、ISO100、シャッタースピードが1/100または1/125になる絞りはf22です。
あなたは焦点距離を200mmにセットしF2.8で撮影をしたい。
生憎、眩しくてサングラスを着用しているのでファインダーから覗いた明るさだけでは判断できません。
さて、この時の適正なシャッタースピードは?
まず、絞りは基準となるF22から6段落とします。
これで基準となるシャッタースピードは、1/6400 または 1/8000になりますね。ISO感度を200にすると、1/3200や1/4000までシャッタースピードを落とせます。
或いはNDフィルターで調整することも可能ですよね。
このようにサニー16の基準値を覚えておくと、サングラスを着用している状況でも絞り優先(Av)モードに頼らなくても、適正露出を調整できるようになります。
やっぱり、物事って基準が大事ですね。(注意点としてはあくまでも参考ってことです)
それでは。