山でタイムラプスを撮るには三脚が必要です。
三脚なら何でもいいというわけではありません。インターバル撮影機能を備えたカメラとレンズを載せてもブレない三脚が必要です。
もくじ
山に持っていく三脚はどんなものが理想か?
三脚は重量があるほど安定感が増すと言います。
でもテント泊装備という条件で撮影するなら荷物はコンパクトにまとめたいですよね。テント泊である理由は、山小屋泊まりよりも時間・場所に依存しないからです。
登山における理想の三脚は
・一眼レフやミラーレス一眼を載せても耐えられる造りであること
・撮影中にブレないこと。つまり剛性があること
・コンパクトな造りであること
です。
撮影地までは登山をする必要がある。機材は重量よりもコンパクトさを兼ね備えたものを持って行くべき
登山では軽量化がブームになっています。「軽さは正義」なんて言葉もあります。
荷物は軽い方が行動もラクになるという触れ込みなのですが、確かに当たっています。テント泊装備よりも日帰り装備の方が断然歩くスピードも上がるし疲労度合いも軽いです。
でも荷物が嵩張るともっと疲れます。荷物は重量よりもいかにコンパクトにまとまるかに重点を置くべきです。たかが数百グラムの重量差なんて体力でカバーできます。水場がない場所を歩く時は飲料水を5L持ち歩くことだってザラにあります。そんなことに比べたら数百グラムの軽量化なんて無意味だということを思い知らされます。体力こそ正義というスタンスで荷物をコンパクトにまとめることが大事ですね。
結果的にコンパクトな三脚ほど重量が軽いのですが、着目すべき点は重量ではなくコンパクトさです。
画像がブレるとデータは台無し。その時間は二度と戻って来ない
タイムラプスでは画像がブレてしまうと作品としてのデータが台無しになってしまいます。
一枚ずつ撮った写真ならブレても撮り直せば済みます。しかし数百枚のデータを繋げる際、途中で大きくブレた画像があるとその一連の流れはムダになります。
せっかく、登山の準備をし目的地まで行き撮影に臨んでも、失敗をするとその時間が無駄になってしまいます。そのタイミングはもう二度と戻って来ません。タイムラプスでは撮影中にブレないことが絶対条件なのです。そのために三脚は重要視すべきアイテムです。
三脚は風で揺れないことが大前提
タイムラプスの動画を作るうえで一番の大敵は風です。
現在、登山ではUltrek45Lを使用しています。このシリーズの三脚はコンパクトになるので登山や旅行ではとても重宝します。マグネシウム合金を使用しているのでカーボンファイバーまで軽量というわけではありませんが、それでもこのコンパクトさには代え難いものがあります。登山をする人のレビューを見ても評判がいいですね。
しかし、この三脚には欠点があります。風に弱いということです。
Ultrek45Lの推奨積載質量は2kgです。インターバル撮影をする時の積載重量はカメラ+レンズで約1300gです。このスペックで脚を伸ばさない状態で撮影をしても、山岳地帯では風が吹くと三脚が揺れ、ブレた画像を量産してしまいます。
脚の周りに石を置いて固めてもダメですね。一発の撮影ならとても便利な三脚ですが連続の撮影になると、ブレるリスクが高くなります。タイムラプスをやるなら、ちょっとくらいの風にでも耐えうる三脚が必須です。
Ultrek45Lで撮影した失敗例を載せます。約4秒(BGMなし)の動画です。
風で三脚がブレた結果です。朝焼けを狙うために眠い目をこすりながら真っ暗い道を歩いて行きました。でも台無しですね。この動画では全部で104枚の画像を使っていますが、風でブレたので途中で撮影を中断したんですよ。
Ultrek45LとGEOカルーマニュ445M
Ultrek45Lとカルマーニュ445Mの2台体制で山へ持ち込み撮影を試みたことがあります。
Ultrek45LにはK-30+DA18-135mmを。カルマーニュ445MにはK-3+Sigma10-20mmを搭載して異なるアングルと焦点距離でモルゲンロート狙いの撮影に臨みました。
この日は朝から風が強く雲の動きが速やかったので、岩陰がある場所を探して撮影に臨みました。しかしそれでも風の影響は避けられません。
K3を載せているカルマーニュ445Mはブレもなく撮影することができました。一方でUltrek45Lのほうは風の影響をモロに受けてしまっています。
こちらにも作例(BGMなし)を載せておきます。
K-3+ Sigma10-20mm (カルマーニュ445Mを使用)
K30+DA18-135mm(Ultrek45Lを使用)
いかがでしたでしょうか。この動画でも分かる通り三脚によってこんなにまで変わるものなのかと思い知らされた撮影でした。
カーボンとアルミの差額は1万円。その価格差は剛性である
カルマーニュ445Mは数ヶ月前に手放しました。理由は持ち運びに不便さを感じたからです。登山で持ち運びするには収納サイズが長いのです。ザックの中身は重量があったとしてもコンパクトなほうがいいのですよ。
そんなわけでManfrottoのBefree(カーボン)を購入しました。こちらの商品も人気がありますよね。やはり決め手になったのはコンパクトさでしょうか。
今回カーボンファイバー製を選択した理由は重量ではありません。剛性です。カルマーニュ445Mもカーボンファイバーを使用しており動画の比較でも実証している通りです。アルミ製のBefreeとの差額1万円は剛性に支払いました。
それでは。