車の運転にトラブルはつきもの。
車をガリっ!と擦ったり、バッテリーが上がってしまったり、ライトが消えたり etc。でも、林道の中でタイヤが修復不可能なくらいのパンクに遭遇してしまうことって人ってどれくらいいるんでしょう?
誰もがこう思います。「俺はそんな目に遭わない」と。誰もがトラブルに遭遇することを望んで行動などする人などいません。しかし、その「万が一」が起こってしまうことがあります。
半年ほど前、そんな事件に自分が遭ってしまいました。
これから融雪が始まり4月後半から登山口までの道路が開通していきます。冬季の間は山道で何が起きているか分かりません。落石があったり、倒木があったり、土砂崩れがあったりします。行政でも道路開通に向けて整備をします。しかし、完璧でないこともあります。
今回は私が遭ったトラブルの事例から、その時に取った行動と、気をつけるべきポイントを解説して行きます。
もくじ
早朝の暗い時間に突然、落石にバンパーをぶつけたような衝撃を味わう
登山口と林道は切っても切り離せない関係にあります。
まだ夜が明ける早朝のことです。その日、登山をするために登山口まで舗装された山道を時速40km/hくらいで登っていた時のことです。突然、バン!と大きな音を立てて車内に衝撃が走りました。
「あ。落石にバンパーぶつけたかも。まぁいい。登山口に着いたら確認しよう。」と思いながら300mほど車を走らせていると、ガタガタと揺れ出しました。
車を降りてヘッドライトでバンパーを照らしてみるもどこも凹んでない。よくよく確認をしてみると前輪タイヤの側面にナイフで切り裂いたような10cmほどの亀裂が入っているじゃありませんか。はて、何でこうなったんだろう?
あの衝撃は、高圧な空気が入っていたタイヤがパンクした音だったわけです。タイヤの側面が鋭利な物体が接触し、瞬時に切り裂かて空気がパンっ!と抜けてしまったんですね。これでは車に積んであるパンクの修理キットでの修復は不可能です。
亀裂が入ったタイヤを履いたまま自走して山麓まで下る
タイヤの修復ができないとなれば助けを呼ぶしかありません。が、私は山麓まで自走して下ることにしました。走行速度は時速20km/hです。
通常、このような状況になったらJAFを呼んでタイヤ交換をしてもらうのがベストな選択になります。会員の場合、時間を問わずに無料でサービスを受けることができます。(パーツ代や現場までの駆け付ける燃料費は別)
JAF未加入でもサービスを受けることはできます。非会員の場合、20時から翌朝8時まではタイヤ1本交換につき13000円程の費用がかかります。加えてパーツ代も別途かかります。ちなみに私はJAFに未加入です。
もう一点のネックは山道であるがゆえに携帯の電波もビミョーってところですね。docomo系のキャリアを使っている方なら電波の入りもいいと思いますが、au系だとビミョーなんです。わざわざ電波入る場所まで歩くのも面倒だし。
さて、タイヤのみならずホイールまで損傷を受けていたので、「どーせ壊れてるし」とも思い自走して山麓まで下ることにしたのです。
言うまでもなく一箇所に入った亀裂は全周に周りタイヤは無残な姿になりました。
だからと言ってその日の登山を諦めたわけではありません。何せテント泊装備で計画を立てて来ているわけですからね。行けるなら行きます。
タイヤを交換してから再び登山口まで行きましたよ。時間はロスしてしまいましたが、目出度くテント泊をすることができました。時間をある程度、挽回できたのも日々のワークアウトのおかげです。
タイヤに亀裂が入った原因はグレーチングが車道にはみ出していたから
グレーチングとは側溝に被せてある四角い金属の鉄板のことです。
こいつが見事に車道にはみ出しておりました。真っ暗い時間だと特定できません。私以外にも複数の車が大きい音を立ててグレーチングを踏みながら山道を駆け抜けて行きました。ただ、グレーチングの接触具合が悪く私の車のタイヤだけが被害に遭ったというわけです。
グレーチングの角は鋭利なナイフ。タイヤの側面に接触したら間違いなく切り裂かれます。タイヤの側面は弱いですから。
写真は再び登山口へ向かう最中に撮影したものです。これは明らかに行政の管理不足ですね。
行政の管理不備による事故
下山後、道路を管轄している行政に事故に遭ったことをメールでお知らせ(要するに管理不足であることを指摘)しタイヤの修理代金の補填をお願いしました。当然ですが事故に遭った日は土日ですので行政なんかやってません。
後日、この行政は現場のグレーチングを元の場所に戻し、動かないようにグレーチングの上の重りを乗せ、工事現場で使われる黒と黄色のストライプ模様のバリケードを設置しております。
以下、行政からの回答です。
(※行政の尊厳にも関わりますので具体的な地域名を出すことは差し控えます)
この度は大変申し訳ございませんでした。再度、林道の点検を実施したいと考えております。メールでお問い合わせ頂いた事故車両等の写真の送り先につきましては、お手数ですが下記のアドレス宛でお願い致します。また、今後の保険手続きについて、以下の書類が必要となることから、お忙しい中誠に恐縮ですがご用意をお願いいたします。
1)事故証明書
2)免許証の写し(裏・表)
3)車検証の写し
4)修理等の見積書事故手続きにつきましては、保険会社の審査・議会報告手続等で数ヵ月要する場合もありますが、早急に手続きを進めたいと考えております。今後、事故等の詳細につきましても、お聞かせ願うこともございますが、何分よろしくお願い申し上げます。
ここで問題になったのが1番の事故証明書です。なぜならば、後日、警察と揉めることになったからです。
警察の高圧的な態度にプッツン
事故証明を貰うには警察官の現場検証が必要です。
そんなわけで、警察に事故証明発行依頼を電話で要請しました。現場の写真と破損物品の証拠写真だけは撮影していましたので、それが何よりの証拠になると考えたのです。
しかし、ここで問題になったのが事故に遭遇してから間が空いてしまっていること。というのを最初に言えばいいのですが、彼(ら)は言わないんですよね。
以下、警察とのやり取りです。(警察のやり取りの後に文章をタイピングして残したものですので大筋の内容は合ってます)
警察:なぜ、届けをしなかったのですか?
私:タイヤのパンク程度で報告する必要があるのですか?
警察:道路交通法第72条で即座に届けをする義務があります。
私:そんなの免許更新時にも言ってませんでしたが?
警察:いつどんな時でも即座に届出をする必要があります。
この間、警察との押し問答です。
私:じゃ、今すぐ現場検証やってください。
警察:現場検証は当直の関係でご希望の時間にはできません。
私:はぁ?さっきいつどんな時でも届けに来ないとダメって言ったじゃないですか?お宅、自分らの都合押しけてるだけじゃん?バカじゃないの?
警察:ではいつがいいのですか?
私:じゃ、XX日のX時です。
警察:XX以降になります。
私:今、いつがいいの?って聞いただろうが!!何言ってんの?
まぁ、この矛盾っぷりと自分の都合しか考えない態度に腹が立つこと。
結果的に都合のつく時期に現場検証をしたのですが、残念がら事故証明書が発行されることはありませんでした。現場検証を担当した方はきちんと説明ができる方でした。
彼曰く、事故発生から時間が空いてしまうと、飲酒の可能性を疑われることがあるそうです。そのため事故が起きたら即座に警察に届出をするのが一番いいとのことでした。電波が通じならいならとりあえず下界に降りてからでもOK。
結論としては、事故証明書が必要なら、私が遭遇したようにタイヤのパンク程度でも警察を呼ぶ必要があります。24時間365日です。
行政の返答は遅い。動きも遅い。しかし結果的に弁償はしてもらった
事故証明書は発行されませんでしたが、「現場検証をした」という言質は警察と取ったので、行政から警察官に確認をするようお願いをしてきました。
結果的に保険金の支払いがされたのは事故発生から3ヶ月もの期間を要しました。
事故の何が面倒かというと、煩雑な手続きと時間の損失です。警察は動きが早いかもしれませんが行政はトロいですね。市議会に稟議を通さないといけないとか、とにかく内部での意思決定までのプロセスが多過ぎ、というのが印象。
外部的要因でタイヤのパンクに遭ったら必ずやっておくべきこと
・現場と物損の写真を撮影しておくこと(スマホでOK)
・警察に届出をすること(朝だろうが夜中だろうか)
・国土地理院に地図で正確な場所を特定しておくこと(行政に説明するため)
以上のことをやっておけば物損の補填は受けられる可能性は高いです。面倒だけどね。
車内のスペースに余裕があるなら、スペアタイヤを積んでおくことのが一番の安心を得る唯一の方法ですね。
それでは。