Xマウント機の導入(FUJIFILM X-T2+XF16mm F1.4)を開始してから改めて感じていること。
それは「ミラーレス機が軽い」という言葉には語弊があるということです。
真面目にシステムを組むと、APS-C機やフルサイズ機の光学式一眼レフのシステムと重量が変わらないかもしれませんよ?
街歩きならミラーレス機の軽さの恩恵を受けること間違いなしです。
ボディが軽いですし小ぶりの単焦点レンズをつけて歩けばいいですもの。
しかし、フィールドで撮影をすることを考えた場合、果たして本当にそうなのだろうかって考えたことありますか?
もくじ
冬季のフィールド撮影はバッテリーグリップが必須
バッテリーグリップの必要性をひしひしと感じております。
ご存知の通りミラーレス機は総じてバッテリーの持ちが悪いです。
光学式の一眼レフ機には敵いません。
「バッテリーを多めに持って行って交換すればいいじゃないか。バッテリーなんて1個50gくらいなんだし。」
と考えておりました。
少なくても2回の豪雪地帯の登山をやるまでは。
1回目は「XF16mm1本勝負。厳冬期・北陸の豪雪な山稜帯で撮影に挑む」で撮影した荒島岳。
2回目は 奥飛騨の山です。
どちらも日中の最高気温はー3℃での環境です。
そりゃ、野辺山の星空撮影と比べたら気温が高いですが、コンディションとしては野辺山より厳しい場面もあります。
風が吹いて雪が飛んできたり、木からどさっ!っと小雪が落ちてきたりとetc。
こんな環境ですから、X-T2のボディにバッテリー1個、そして予備のバッテリー2個、合計3個のバッテリーを順繰りにまわして撮影をしています。
厳冬期の日帰り登山で300枚撮影するとしたら、消費するバッテリーは2個は必要です。
低温下でリチウムイオンバッテリーを使うとバッテリーの持ちが悪くなりますよね。
だから予備のバッテリーを防寒具のポケットに入れて温めながら歩きます。
でもね、問題が発生するわけですよ。
温めておいたバッテリーを外に出した瞬間、外部が結露しちゃったんです。
それも2回の登山、両方です。
あれ?オレの体に湿気があったのかな?って思っちゃいますね。
仕方がないのでそのまま拭いて使いましたが、カメラのボディ内部のことを考えると決していいやり方ではありませんね。
これまでに結露問題で泣いてきただけに尚更そう思っています。
だとしたら密封性の高い袋にバッテリーを入れて、衣類の中で温めるしかありません。
が、行動中にそんな嵩張るようなものに入れたくないですね。
たださえ手袋しててバッテリー交換がやりづらいのに。
となれば、バッテリーグリップ(パワーブースターグリップ VPB-XT2)を使うことによって、バッテリー交換の手間を省くしかありません。
バッテリーグリップを使うことで、バッテリーが結露する心配、バッテリー交換時にボディ内部に雪の粒や湿気が入る懸念から解放されます。
フラグシップ機は「ボディ本体+バッテリーグリップ+バッテリー」が本当の姿と考えるべき
フラグシップラインのミラーレスカメラの特徴は「防塵防滴・耐低温性能」を謳っていること、そしてオプションとしてバッテリーグリップがあることです。
パナソニックなら、スチルカメラのフラグシップ機「LUMIX G9 PRO」。
オリンパスなら、連写とボディ内手ブレ補正が売りの「OM-D E-M1 MarkII」。
富士フィルムなら、4K動画機能に力を入れ出した「X-T2」です。
上記いずれの機種もボディ内バッテリー1個の状態では350枚前後の撮影に留まります。
しかしながら、バッテリーグリップをつけることによって光学式の一眼レフと同等の700〜1000枚程度の撮影が可能になります。
これでミラーレス機ボデイの重量は一眼レフと同等になります。
今、私はFUJIFILMのX-T2とペンタックスのK-3で機材を運用していますので、ちょっと比較してみます。
バッテリーを入れた重量です。
X-T2 + バッテリーグリップ(1000枚の撮影に対応) = 880g
K-3 (720枚の撮影に対応)=800g
もう一つこのクラスと比較されがちなNikonのD750も加えます。
フルサイズ機ですね。
バッテリー込みの重量で約840gです。
撮影可能枚数は1240枚です。
どうでしょうか?
フルサイズ機であるD750や、APS-C機の光学式一眼レフであるK-3と大差がない重量になってしまいますね。
「ミラーレス機でバッテリー交換を伴わずに1000枚撮影できるボディシステムの重量」 ≒ 「光学式の一眼レフのボディの重量」
になりますね。
これが雪山などの過酷なフィールド撮影で使うミラーレス機の本当の姿です。
レンズについてにもザックリと触れておきます。
換算24mmの広角から200mm相当以上の望遠をF2.8通しでシステムを組む、と仮定します。
もちろん、ミラーレス機にはバッテリーグリップを装着しているという条件です。
先ずはミラーレス機です。
・E-M1 Mark II:約2kg
・FUJIFILM X-T2:約2.5kg
・SONY α7rⅢ:約3.4kg
もはやα7rⅢはミラーレスの軽さという常識は通用しませんね。
レンズがでか過ぎ。ミ
ラーレスの軽さ=マイクロフォーサーズだけ、と考えるべきですね。
「X-2+換算24mm〜200mm相当のF2.8通し」と
「フルサイズのミドル機(6D Mark IIとかD750)+ 24mm〜200mmのF4通し」がほぼ同じ重量になります。
そしてどちらも1000枚程度の撮影ができるシステムです。
フラグシップ機のオプションにバッテリーグリップがある理由
なぜ、ミラーレス機のフラグシップラインは、バッテリーグリップをオプションとして準備をしているのでしょうか。
フィールドでの撮影を前提にしているからです。
厳冬期の雪山や雨風が吹く環境下で撮影するシーンがあるとすれば、都度、バッテリーを交換している暇なんてありません。
蓋を開けた瞬間、雪が入ったり、水滴が入ったりしますからね。
だからバッテリーグリップが必要なんですよ。
もちろん、望遠レンズをつけた時の安定感や、連射能力の向上、動画の長時間撮影対応という意味合いも兼ねていますが、フィールドで使う分には上記の理由が大きいと感じますね。
そりゃ、バッテリーグリップ なんかつけたら光学式の一眼レフライクになってボディが巨大化します。
でも、フィールドで撮影するなら避けて通れないかなって感じています。
- OLYMPUS バッテリーホルダー HLD-9
- Panasonic バッテリーグリップ ルミックス DMW-BGG9
- FUJIFILM X-T2用縦位置パワーブースターグリップ VPB-XT2
- ソニー SONY 縦位置グリップ VG-C3EM
あなたはなら、どう考えますか?
それでは。