登山をやっている人なら誰もが一度は憧れる槍ヶ岳。
私でも行けるかなぁ、なんて思っているあなたに「槍ヶ岳に挑戦するために必要な装備・体力・技術」をご紹介します。
結論を言うと、歩ける人なら誰でも槍ヶ岳の『肩の小屋』までなら問題なく行けますよ。そこから槍ヶ岳に登るかどうかは人それぞれ。
もくじ
「上高地」と「新穂高」のどっちから入る?
上高地
すでに多くの媒体やブログで紹介されている通りです。
上高地から横尾までほぼ平坦な道です。上高地から1時間歩くごとに明神館、徳沢園の山小屋があり、飲み食いができますし水場にも困りません。
横尾までは3時間の距離ですが、体力を消耗せずに着いてしまいます。景色がいいのであっという間に時間が経過してしまうでしょう横尾を過ぎると本格的な登山道に入って行きます。そこから槍沢ロッジまでゆっくりと標高を上げて行きます。
槍沢ロッジを過ぎると、徐々に谷間地形の間を高度を上げながら歩いていることに気づきます。やがてカール状の地形が現れ、広い空間があなたを出迎えてくれます。
槍沢からカール状の地形を上り詰めて行くと、次第に槍ヶ岳が姿を現します。あとはひたすら登るのみです。
ここのコースの利点は歩いていて気持ちがいいことです。足場(木の根やガレ場)の心配をする必要がありませんので、周囲の景色を楽しみながら歩くことができます。
初めて槍ヶ岳を目指される方は、断然、上高地から入るコースをオススメします。ただし歩く距離が長いです。片道20km以上あります。
新穂高
新穂高は槍ヶ岳まで最短距離で行ける登山口になります。距離は短いですが標高差約1900mを上り詰めて行きます。
ここのコースの見所は2箇所。
1つ目は滝谷です。真正面には大キレットの長谷川ピークがそびえ立っています。その姿は圧巻そのものです。
2つ目は飛騨沢です。ここも槍沢同様、カール状の地形になっています。遠くから飛騨沢を眺めると傾斜がキツイように見えますが、実際は這いつくばって岩を登るということはありません。ストックを併用した二足歩行で歩けますよ。
飛騨沢の後方には笠ヶ岳、双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、祖父岳、水晶岳、薬師岳などの裏銀座の名だたる山々がそびえ立っています。
デメリットもあります。スタートから槍平小屋を過ぎて飛騨沢に出るまでは樹林帯を歩かなかければなりません。
特に槍平小屋までは欝蒼とした樹林帯歩きになります。夏場には蒸し暑く、虫も多く、汗だくになることは必至です。加えて、ちょっとしたガレ場のような岩場を歩かなければならないので神経を使います。筋肉や関節への負担は上高地から入るよりもかかります。
気持ち良さの面では上高地コースの方が格段に上です。ただし、紅葉の季節なら新穂高から入るコースも樹林帯を気持ちよく歩けますね。
所用時間は?
新穂高 から槍ヶ岳山荘までは8時間40分です。(昭文社・山と高原地図では8時間30分)
上高地から槍ヶ岳山荘までは9時間です。(昭文社・山と高原地図では10時間20分)
槍ヶ岳山荘グループが紹介しているコースタイムと山地図のどちらが正しいんだ? 私が歩いた感覚では山小屋が発信している情報が正しいと感じています。ただし休憩時間は含みません。
標高差は?
上高地の標高は1500m。標高3060mの槍ヶ岳山荘までは標高差1560mです。
新穂高の標高は1100mです。槍ヶ岳山荘までの標高差は1960mですね。
上高地側と新穂高の差分は400mです。この差をどう見るか?ですね。
総合的に考えて上高地から入った方が楽ですね。ただし上高地はバスの時間に依存します。マイカーで新穂高に入ればバスの時間に依存せずに早い時間帯から行動できるというメリットがあります。
必要な装備
特別、必要な装備はありません。
ただし季節によってはアイゼンやピッケルが必要になります。槍沢(上高地IN)も飛騨沢(新穂高IN)も残雪が7月頃まで残るからです。
槍ヶ岳に登頂するならヘルメットはあった方がいいですね。ヘルメットを着用する目的は上部からの落石から身を守るためです。槍ヶ岳山荘で500円で貸し出してくれます。
槍ヶ岳にアプローチするための体力
やっぱり体力は基本中の基本です。体力があればあるほど行動に余裕が生まれます。
上高地から入るにせよ、新穂高から入るにせよ、標高差で1500m以上を登りきって、8時間以上行動できるだけの体力が必要になります。ただし、1泊2日で行く場合の話です。
特に帰路の下山では上りで使った筋肉に追い打ちをかけるように筋線維の破壊が起こります。ブレーキをかけながら下山をするためです。
登山をした翌日に筋疲労を引き起こしながら下山をするのはキツイです。私はワークアウトでデッドリフトやスクワットをやっていますが、長丁場の下山をした場合は太ももの前(大腿四頭筋)が筋肉痛になります。バーベルを使ったワークアウトをやっていても筋肉痛になるんですから、いかに激しい筋疲労が伴うのか想像がつきますね。
この行程を2泊3日のプランにすれば、体力を激しく消耗せずに槍ヶ岳までアプローチができます。
そこで私がオススメするプランは、1日目に一気に槍ヶ岳山荘まで行ってしまうことです。
は?途中で1泊してから登って行くのが2泊3日のプランじゃないの? みんな槍沢ロッジに泊まってから槍ヶ岳に向かうプランを提唱してるじゃないか!と思うかもしれませんが、最も体力を使い切ってしまうのは行きではありません。帰りです。帰路をいかに楽に行動できるか?が重要です。
事故や怪我は帰りに起こります。ほとんどの人が行くことだけを考えています。しかし、山ではその先のことを見据えて行動をしなければ取り返しのつかない事態に発展してしまうことがあります。
だからこそ、行きよりも帰りの方に重きを置くべきです。
2日目の朝は、ゆっくりと槍ヶ岳の雰囲気を味わいましょう!絶景を堪能したら9:00頃から下山を開始します。14:30頃には徳沢園に着きます。ここでもう1泊します。
徳沢園では外来入浴もできるんですよ!幸せですよね。ポイントは2日目なんですよ。ゆっくりと行動し、体力を使い切らないことが大事。
3日目は上高地までの2時間だけ歩けばOKです。
槍ヶ岳には登る?登らない?穂先に登頂するために必要な技術
登らない選択肢もある
世の中には不思議な人たちがいるもので、「穂先まで行かないとこに槍ケ岳まで来た意味がない!」と言う人もいます。しかし、それは彼らの狭い世界観に過ぎません。そんな奴らのお話は無視しましょう。
「槍ヶ岳の穂先に登頂した」というブランド欲しさに行くのはナンセンスです。「間近で槍ヶ岳を見る」という選択肢もあります。無理をして穂先まで行かなくてもいいんですよ。
槍ヶ岳山荘まで行っても穂先まで行かない人もいます。選択肢は人それぞれです。誰もが自分の内に秘めた想いを持ってここまで来ています。そのために槍ケ岳の小屋を目的地にしてもいいじゃないですか。
実際に登頂するのに必要なこと
恐怖心さえなければ大抵の人が穂先まで行くことができます。
問題は下る時です。油断は大敵。もっとも注意すべき点は鎖を使った下山です。自分の体重を預けざる得ない場所もあります。
ここで必要となるのは握力・引きつける力です。つまり懸垂力です。握力と広背筋の筋力が強いほど、安心して下ることができます。必ずしも必要ということもでありませんが、理想は、鎖を片手で掴んで自分の体を引きつけてもまだ余裕があるくらいの筋力を備えていることです。私はビビり屋ですから筋力があるだけで精神安定剤になっています。
握力に自信がない人はグローブを使いましょう。グリップが効いてホールド力が増します。
(おまけ)疲労回復にアミノバイタルは効く?
槍ヶ岳まで行って帰って来れば、疲労がたまります。そこで登場するのがアミノバイタルです。果たしてアミノバイタルはどこまで効くのでしょうか?
ぶっちゃけ、アミノバイタルを摂取しても、あー、頭がすんごいスッキリ!!だとか、体が軽〜い!!なんてことになることはありません。
激しい下山(登頂した翌日に一気に下山)をすると筋肉痛になってしまうことがあります。普段、筋肉を鍛えている私ですら筋肉痛になってしまいますからね。
アミノバイタルをこんなふうに摂取してみました。
1回目:登山直後にアミノバイタル・ゴールド4000を摂取
2回目:翌朝にアミノバイタル・ゴールド4000を摂取
3回目:下山後にアミノバイタル・プロ3600を摂取
4回目:帰宅後にアミノバイタル・プロ3600を摂取
5回目:登山の翌日にアミノバイタル・ゴールド4000を摂取
私の場合は荷物の重量が重いのが一因になっていますが、アミノバイタルを摂取しても大腿四頭筋が筋肉痛になっちゃいましたね。
ただ一つ言えることは、翌日に体の重さや気だるさを感じないということです。もちろん、脚の筋肉は怠さを感じています。でも全身の倦怠感はほとんどありません。これが私が感じているアミノバイタルの効果です。
それでは。