永平寺で修行してきました。
このブログのコアコンテンツでもある「ワークアウト、登山、食」と坐禅は相性がいいと思っています。
坐禅を組む行為は宗教というよりは哲学的な印象を受けております。
ワークアウトや登山は哲学(自分なりのポリシー)がないとブレてしまいます。坐禅で心も体も真っ直ぐにするというスタンスを取っています。
永平寺の坐禅はこれまでに体験してきた仏教系の瞑想の中では、一番、自然体さを感じます。
例えば、修行プチ体験!みたいな女性を狙ったマーケティングのにおいや、俺はこんなに瞑想やってるんだぜい!みたいなアピール感がないんですよね。
気張ってないというか自然体な印象を受けました。
実は永平寺には昨年の10月にも紅葉の越前勝山の大長山を登山ついでに行っています。
その際に今回の参禅の申し込みを直接窓口でしてきました。
参禅の申し込みがですねぇ、面倒なんです。
電話での受付なんかやっていません。
ですからハガキをやりとりしなければなりません。
今の時代はWebや電話予約が当たり前の時代ですが、永平寺ではきちんと参禅する意志があるかどうかをきちんと確認するためというスタンスを取っています。
もくじ
参禅する前に精進料理屋で高たんぱく質なランチを食べる
昨年の10月に永平寺に行く途中で見かけたレストラン「幸屋」。
ずーっと気になっておりましたが、今回、行ってきました。
さて、ここ幸家でオーダーしたのは「雪見灯籠御膳」です。
豆腐三昧なメニューですよ。
豆腐、豆腐、豆腐尽くしです。
こう見えて中は大豆ベースなメニューです。
最後にはデザートが付きます。
修行開始前に永平寺の外を周遊
永平寺には昨年の10月にも行っていますが、日中でしたので観光客が多くじっくりと歩いた感がありませんでした。
ですから今回はゆっくりと歩いてみることに。
福井県と言ったら雪のイメージですが、今年は全然ないですねー。
昨年2018年の大雪とは大違いです。
参禅するちょっと前の時間でしたので、観光客もほとんどおらず少しは外の雰囲気を楽しめたかな。
「永平寺」参禅の流れ(1泊2日)
40分の坐禅を3セット
坐禅は壁に向かってやります。
40分って意外と長いように感じますが、案外と時間が経つのが早いものです。
私の場合ですが、次から次へと日常生活の情景が脳裏に思い浮かび思考がどんどんと走り去って行った感覚を味わいました。
修行僧の方は「無」になるんでしょうけど、私の脳は忙しなくあれこれと考えていたようです。
映画または坐禅を選択
私は映画を選択しました。
永平寺での修行僧の1年間に流れを収録したものです。
YouTubeでも観れますよ。
雲水たちは夏に白山に登山をするそうですが、速乾性の服を着るわけではないので一般の方からは「登山をなめている」と言われることもあると修行僧の方が仰ってました。
なかなか難しい立場ですね。
夕食(精進料理:つまりビーガンとも言える)
夕食は植物性の食材を使った精進料理です。
料理の写真撮影は禁止なので文章でお伝えしましょう。
出たもの
・大根菜のご飯
・味噌汁(麩、豆腐)
・キュウリの漬物
・人参と大根の和え物
・煮付け(がんもどき、しいたけ、かぼちゃ、大根)
・揚げ出し豆腐
・黒豆の甘煮
・おやき(あんこ入り)
やはりメインのタンパク源は大豆ベースですね。
具材で言うと、がんもどき、豆腐がそうです。
それから黒豆も貴重なタンパク源です。
普段からワークアウトを実践している身としては、タンパク源が気になるわけですが、特段、不足しているという感じもありませんでした。
私はプラントベース食を中心に魚や卵は摂取をするペスコベジタリアンですが、菜食だけでも全然いけそうな感じです。
風呂
お風呂では他の方と話をしてはなりません。
持ち時間は約40分間です。
女性の方にはちょっと短く感じるかもしれません。
ちなみに永平寺のお風呂には石鹸しかありません。
女性の方や髪の毛が長い人はシャンプーやコンディショナーを持参した方がいいですね。
まぁ、本当はお湯だけでもある程度、頭皮の汚れは取れるので気にすることもなかろうかと思いますが。
就寝
21時には就寝です。
起床
起床は4時20分。
起床時間は季節によって変動するそうです。
夏場は3時台です。
寝る時間が早いので勝手に目が冷めます。
修行僧も日常的に7時間の睡眠時間を確保できているんですよね。
肉体的な面で言えばサラリーマンよりも健康的です。
日本のサラリーマンは睡眠時間が足らな過ぎだと思いますね。
寝ないで働くのが美徳と勘違いしてる方もいるくらいですから。
命削ってるだけんやんけ。
寝ないと色々な弊害が出るんですよ。
朝の坐禅
4時50分から朝の坐禅をやりました。
時間は35分。
坐禅をしてる間に修行僧の方がこんな話(説法??)をしていました。
要約すると「今を生きる」です。
「あなたは15日前に何をやっていたのか覚えていますか?」
「あなたは15日後に何をやっていますか?」
「答えられないでしょう?」
「過去や未来のことをあれこれ考えるのではなく今を生きなさい」
これってティクナットハンの弟子のリトリートに参加した際にも感じたことでした。
朝のおつとめ
坐禅が終わったら法堂で朝のおつとめに参加しました。
法堂の広さは420畳あります。
そこに永平寺の修行僧が集まってきます。
ざっくりと数えてみましが50〜60人くらいいたのではないでしょうか。
朝のおつとめではお経を唱えます。
その姿は圧巻ですよ。
本物ですからね。
筋金入りです。
もちろん私はお経なんぞ知りませんので眺めているだけでした。
朝食(精進料理)
もちろん朝食も精進料理です。
夕食ほど記憶が鮮明じゃありませんが覚えている限り書き出してみます。
・お粥
・すりゴマ
・白菜としめじの漬物
・豆腐を潰して丸めたものを醤油系で煮たもの
うーん、あとは覚えていません。
ちなみに味噌汁は出ませんでした。
朝食後は解散になります。
朝に観光客がいない永平寺を拝観する
解散後に永平寺の中を拝観しました。
真昼間は観光客が多くて風情にかけてしまう永平寺も朝の時間だと荘厳な雰囲気が漂います。
ちなみに写真は広角単焦点レンズXF16mmF1.4 R WRで撮影しました。
精進料理とビーガンと健康への弊害
永平寺の修行僧は精進料理を食しています。
ですからビーガンと言えるでしょう。
健康・不健康の議論になる分野ですが、どうも修行僧や年季の入ったお坊さんを見ていると健康上に大きな影響があるようには思えませんでした。
話を聞いたところ免疫力の低下はあるそうです。
修行僧は朝に廊下の雑巾掛けをするそうですが、膝をついてはいけないんだそうです。
膝をつくと擦り傷を作った際にそこからばい菌が入って体調を崩すのだとか。
ただ、修行僧の中には体重も上背もそれなりにある人もいて、日常的に修行を継続していることを考えると、体が慣れてしまうのかな?と思ってもみたりします。科学的な根拠はありません。
ただ世の中にはビーガンアスリートでトップ選手もいますからね。
坐禅と鼻呼吸
坐禅では鼻呼吸をやります。
普段から口呼吸をする癖があるのですが、鼻呼吸をすると喉のガラガラ感が緩和されることに気付きました。
鼻毛って本来、汚い汚れをフィルタリングするためにあります。
口呼吸をしていたらその汚れまで吸い込んでしまって喉を痛めてしまいますよね。
坐禅をやってワークアウトや登山でも実践できるように鼻呼吸を意識したいなと思いましたよ。
何事も無駄になることはありませんね。
がさつな人間は行動に出る
普段からガサツな生活をしている人は出ますよ。
例えば、水道の蛇口です。
蛇口は左右に回転しますが永平寺では蛇口を手前に出しっぱなしにするのではなく使い終えたら左側に回転させて栓と平行になるくらいの位置に収納しています。
ここで普段の在り方が問われるんですよね。
水道の蛇口を戻さない、水滴がでっぱなしにしているなどなど。
これ、本当に個人差が出ます。
登山をしている私からすれば命に関わることでもあります。
例えば、荷物をきちんと整理できない。
いつもガサガサと探し物をしているなんて人は自分のポカミスで登山で事故に遭うリスクも高くなります。
以上、永平寺で修行してきた様子や感じたことでした。
それでは。