走行中に野生動物と激突したらあなたはどうしますか?
そんな他人事のような出来事が自分の身に降りかかりました。
年の瀬が迫る数日前、まだ夜が明けぬ暗い時間に山道を走行中に野生の鹿と激突してしまったのです。
あまりにも突然のことで一瞬、頭がフリーズしてしまいました。
ですが、直ぐに諸々の処理に取り掛かりました。
もくじ
事故当時の状況
時刻はまだ夜が明けぬ4時10分頃のことです。
早朝からロープウェイの脇から登山をして朝焼けの北八ヶ岳を堪能しようと思いR152号からピラタス蓼科スノーリゾートへ向けて車を走らせていました。
道路はアイズバーン。
40〜50km/hで走行しておりました。
走行中、「左前方に鹿がいるぞ」と思った矢先、突然「バーン!」と音がしたと同時に反射神経的にブレーキを踏みました。
アイスバーンなので急に停車なんてできません。
ABSが効きながらもタイヤが半ロックの状態で停車しました。
ほんの一瞬の出来事でしたが、その瞬間、鹿がボンネットに乗り上げ、車の停車と同時に茂みにピョンピョンと跳ねて逃げていったのです。
鹿が道路を横切り私が運転していた車と接触したのです。
あまりにも突然の出来事でした。
鹿を轢いたと認識した瞬間の頭の中
以前、早朝の国道で凄惨な姿をした鹿を見たことがあります。
「何か遠くに黒い物体があるなぁ」
「邪魔だなぁ」
なんて思いながら走行していると…
道路に座り込んでいる大きな鹿がいたのです。
早朝の寒さの中で湯気が立つ吐息のシルエット。
アスファルトにはドス黒いものが広がっていました。
よく見ると鹿の血でした。
うなだれた姿で、目の生気は失せ、口からは大量の血が滴り落ちていたのです。
あまりにも凄惨な姿でショックを受けたことを思い出します。
自分が運転している車と「鹿と激突したんだ」と認識した瞬間、無惨な姿を一瞬、頭を過りました。
車の破損のことよりも最初にです。
しかし、その鹿はピョンピョンと逃げて行ったんですよね。
その姿を見た瞬間、少し安堵感が広がりました。
(もしかしたらダメージを受けたかもしれんけど)
動物とは言えどぶつかるのは気分がいいものじゃないですよね。
ボンネットが凹んでるぞと認識した瞬間にやったこと
ここで次の現実が突きつけられます。
運転席からボンネットが凹んで盛り上がってるのが見えました。
これがその時に撮影した写真です。
外に出てみると…
右のヘッドライトが割れ、ボンネットが見事に凹んでいたんです…。
即座に点検をします。
走行はできる。
エンジンは大丈夫そうだ。
ライトも点灯している。
ハイビームも効く。
ハザードも使える。
ウインカーもつく。
とにかく自走はできそうだ。
と、一種の安心感を得るためのアクションを取りました。
警察に事故の連絡を入れる
「そうだ、警察に連絡を入れねば」
110番をし事故が起きたことを伝えます。
警察が現場に来るまでハザードをつけて待機していました。
その間にやったこと。
- 外に出てボンネットやライトを登山用のヘッドライトで照らして確認
- 山で食べるつもりだった行動食を食べる(お腹が空いて…)
- 車検証の準備
警察が来るまでに30分ほどかかりましたね。
事故現場の行政区分は地図上では小県郡長和町なのですが上田警察署から向かってくるとのことで直ぐには現場まで来れなかった模様です。
パトカーが遠くに見えたのでパッシングをして自分の居場所を相図しました。
現場検証
現場には4人の警察官が1台のパトカーで来ました。
ここで警察に訊かれたことや求められたことを箇条書きにします。
- 免許証の提示
- 居住地や勤務先など
- 車検証と自賠責保険の提示
- 具体的な事故現場はどこか?
- 激突した対象物(ここでは鹿)はどうなったのか?
- 対象物とはどのように激突したのか?
- どのくらいのスピードで走行していたか?
- ブレーキは踏んだか?
- ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は効いたか?
- お酒は飲んでないか?
- どこに向かうつもりだったのか?
- ライトは点灯するか?
- 自走はできるか?
何もやましいことなんてやってないですから問題なく受け答えしました。
こういう状況の時、警察が事故に対して疑いを持つのではないかと思いました。
嘘を答えようと思えば出来ますからね。
ドラレコで映像を残しているか動物の死体がその場にあれば証拠になるとは思うんですけどね。
生憎ドラレコは入れておらず決定的な瞬間の証拠動画はありませんし、ぶつかった対象物(逃げたし)の存在が確認できないでしょうし。
一応、車のフロントグリルに残った鹿の毛を見せて警察も納得している様子でした。
警察曰く直近1ヶ月でこの蓼科界隈で鹿との激突が5件あったそうです。
(そんなにあるのか?)
自走できるなら別に走行しても問題ないということなのでそのまま走行しました。
(この日の登山は諦めた)
保険会社に連絡を入れる
移動途中で保険会社に連絡を入れて確認をしたところ…
動物との激突は自損事故扱いになると言われました。
しかし、車両保険は掛けてないため自腹での実費修理になります。
痛い出費ですよね。
損害状況からして修理費用は20万は下らないだろうなと思いました。
(以前に車を擦られてボディの一部を修理した際に10万弱掛かった感覚で判断)
今回の状況を考えると修理をするのは得策じゃないという結論に至りました。
走行距離18万キロなので下取り額を考えても無駄な出費なんです。
かと言って修理をしなければ整備不良扱いになってしまいます。
事実、自走はできましたがすれ違う車のドライバーの視線を感じましたよ。
何しろボンネットは凹んでエンジンが見えそうな状態ですしヘッドライトは割れてますし…。
さぁ、困ったぞ…。
年の瀬でレンタカーの数も少ないし。
(翌々日から妻の実家に行く予定だった)
ということで、ある行動に出ます。
それは車の購入を契約し代車を得ることです。
(で、この車は廃車ですね)
繋ぎの車の確保と新車の購入
タイミングがいいと言うべきなのでしょうか?
実は次の車検を通さずに車を買い替えようかなと考えていたんです。
感覚的にはあと2年乗り潰す気持ちが30%。
買い替えへの気持ちが70%でした。
エンジン的には元気で「まだ5万キロは余裕で乗れただろうな」という気持ちがありつつも使い勝手などの面から「買い換えたいな」という気持ちもありました。
そんな背景もあり車種も決めておりディーラーで相見積もりも取っていたんです。
「さぁ商談で話を詰めるぞ」というタイミングでした。
ガツガツ売りたがるディーラーA店。
一切の押し売りをしないディーラーB店。
その日にB店と契約するつもりで(てか契約する意思で)、電話を入れ直ぐにでも代車を出してもらえないか打診しました。
翌日にディーラーB店で新車の契約をします。
こちらの足元を見ることもなく車の契約をすることができました。
代車も直ぐに出して頂くことができました。
(望み通りの車ではないけど納車されるまでの我慢…)
結論としては本来であれば車検の前まで乗り潰す予定だった車を急遽、廃車にし新車契約と同時に納車まで代車で凌いた、ということになります。
まとめます。
- 年の瀬の事故だった
- 自走はできるけど整備不良扱いで違反走行になる可能性がある
- 翌々日から妻の実家への移動を控えていた
- でもレンタカーの玉数が少なかった
- 車買い替え検討中の矢先での出来事だった
- そのお陰(??)で新車の契約が一気に進み納車までの代車を確保
登山で山道を夜明け前に走行される方は野生動物にご注意を。
新車なら車両保険を掛けた方がいいかも。
それでは。
状況確認をする時に役立ったのが登山用のヘッドライトです。
常時、ザックに入っていたので登山をやらない人は懐中電灯を車に積んでおくといいかもしれませんね。