FUJIFILMのXシリーズをお使いの方の中には、絞りリングが付いてないペンタックスのDAレンズあるいはDFAレンズを使いたい人もいらっしゃのではないでしょうか。
ペンタックスのレンズにはXシリーズにはない魅力があるレンズもあるんですよね。
その中でも私が気に入っているレンズがあります。
それは、PENTAXのマクロレンズ「D FA MACRO 100mm F2.8」です。
DFA Macro100mm F2.8はAPS-C機で153mm相当の画角となり、最大撮影倍率1.00倍となります。
ピントさえバッチリ合えば、キレのいい絵を叩き出しますよ。
DFA Macro100mm F2.8とFUJIFILMのフィルムシミュレーションを組み合わせると純正のボディとはまた違った視点で撮影の幅を広げることができます。
もくじ
D FA Macro 100mm F2.8とはどんなレンズなのか?
FUJIFILM・Xシリーズには、純正のマクロレンズとしてXF80mm F2.8 R LM OIS WRの存在があります。
作例を見る限りD FA Macro 100mm F2.8は絞り開放であるf/2.8(※)における撮影を除けばXF80mmに匹敵する絵を叩き出します。
マクロ撮影という領域においては、D FA Macro 100mmもXF80mmもほぼ同等の能力があるとみていいでしょう。
(※)D FA Macro 100mmは絞り開放F2.8で撮影するとパープルフリンジが発生することがある
ただ、総合的な能力を見たらXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroのほうが優れていますね。
OIS (Optical Image Stabilizer) = 光学手ブレ補正機能が搭載されているので手ブレ補正が効くわけです。
防塵防滴ですし。
一方で、D FA MACRO 100mmF2.8 WRは、ペンタックスのボディと組み合わせた際に「ギュンギュン」音が鳴りお世辞にもAFが早いとは言えません。
そしてAFがよく迷います。
ペンタックスのボディには手ブレ補正が付いているとは言え、歩きながらの撮影だとピント合わせに手こずるときもあり歩留まりが悪くなることが日常茶飯事です….。
マニュアルモードで三脚を併用して撮影すればいいのでしょうが、歩きながらだとそうはいきません。
そんなD FA Macro 100mm F2.8をXマウントで使う利点とは何でしょうか。
D FA MACRO 100mm F2.8をFUJIFILMのXマウントで使う利点とは
軽量・コンパクト
XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroの重量は750gあります。
一方でD FA Macro 100mm F2.8は340gです。
ペンタックスのKマウントのレンズをFUJIFILM機のXマウントで使うには変換アダプター(後述)が必要になりますから、その分の重量も上乗せされます
それでもなお、トータルで450g程度で収まります。
その差は300gです。
価格が安い
XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroの実勢価格が11万円です(2019年10月現在)。
一方で、D FA Macro 100mm F2.8は4.5〜5万円を推移しています。
XF80mmの価格はmペンタックスのレンズをFUJIFILM機で使うための変換アダプターの購入代を合わせたとしても2倍強になっちゃうんですよね。
そのような観点からもD FA 100mmのコスパは非常にいいレンズですね。
ミラーレス機で使うとシビアなピント合わせが楽
前述した通りD FA Macro 100mm F2.8はAFがとても遅く一発でピントが合わない時があります。
これならマニュアルでピント合わせをした方が早いです。
ミラーレス機を使うとEVFでピント合わせがシビアにできます。
FUJIFILMのフィルムシミュレーションを使える
紅葉真っ盛りの落ち葉をは「ベルビア」で撮影すると、鮮やかな色合いで、紅葉が真っ盛りな状況を伝える表現ができます。
例えば、色褪せた落ち葉を撮影する時は「クラシック・クローム」で撮影すると階調を落としつつもコントラストの高い渋い絵を出してくれます。
生命の灯火が消えつつある雰囲気を醸し出してくれるんですよね。
このようにFUJIFILM独自のフィルムシミュレーションを使うことで多彩な表現が可能になります。
D FA MACRO 100mm F2.8をFUJIFILMのXマウントで使うデメリット
もちろん、純正ボディとの組み合わせではないのでデメリットも存在します。
X-H1、X-T4以外の組み合わせだと手ブレ補正が使えない
X-H1やX-T4はIBIS (In Body Image Stabilization) = ボディ内手ブレ補正があります。
しかし、X-T系、X-Pro系、X-E系、X-M系には手ブレ補正がありません。
私が使っているX-T2では撮影している時にブレる可能性がとても高くなります。
そこでシャッター速度を1//500〜1/1000まで上げて撮影することで手ブレが起こることを回避しています。
シャッター速度を上げたことに伴いISO感度も上がりますが、X-Trans系のセンサーは高感度にも強いのでノイズが問題になることはありません。
現像ソフトでもノイズ除去もできますし。
下の写真は、シャッタースピード1/1000s、ISO6400で撮影しています。
簡易防滴が効かなくなる
XF80mm F2.8 R LM OIS WRは防塵防滴に対応したレンズです。
X-H1、X-T3、X-T2、X-T1、X-Pro2の組み合わせで使うと全天候型に対応した撮影が可能になります。
D FA Macro 100mm F2.8は簡易防滴構造のレンズですが、小雨などの撮影の時はペンタックスのボディと組み合わせないと簡易防滴の効力を発揮しません。
FUJIFILM機でD FA Macro 100mm F2.8を使う場合はマウントアダプターを噛ませる必要がありますがアダプターはシーリング対応をしていません。
そのため、防塵防滴ボディのX-H1、X-T3、X-T2、X-Pro2などと組み合わせたとしてもD FA100mmの簡易防滴が効かなくなります。
遠景撮影も苦手な印象
ペンタックスの純正ボディ(K-3 など)と組み合わせて使うと遠景撮影でもバッチリな結果を出してくれます。
しかし、X-T2との組み合わせだと塗り絵っぽい絵を出してしまいます。
私の手ブレのせいなのかボディとの相性なのかは定かではありません。
FUJIFILM機で望遠系の遠景撮影をするなら、素直にXF90mm、XF55-200mm、XF50-140mmを使うことをオススメします。
ペンタックスのDAレンズをFUJIFILM機で使うにはPK/DA-FXを使おう
ペンタックスのレンズをFUJIFILM機で使うには、アダプターが必要になりますが、注意点があります。
ペンタックスのレンズには大きく分けて2種類あります。
1つは絞りリングがついたレンズです。
マニュアルのオールドレンズ(smc M28mmやM50mm)、電子接点が付いたFAシリーズ(31mm、43mm、77mm)、Limitedシリーズ(15mm、21mm、70mmなどのLimitedシリーズです。
アダプターには色々とありますが絞りリングがついたペンタックスのレンズをFUJIFILM機で使うにはアダプターPK-FXが必要です。
絞りはレンズの絞りリングで設定します。
もう一つは、絞りリングが付いてないレンズです。
DA12-24mm、DA16-85mm、DA55-300mmなどのレンズでボディ側のダイアルで絞りを変えるタイプのレンズです。
これらのDAレンズでもPK-FXでを介してFUJIFILM機に取り付けることができますが、絞りが最小値(F22など)しか使えません。
そこで必要になるのが、アダプターPK/DA-FXが必要です。
絞りはアダプターのつまみで調整します。
こんな感じでレンズにアダプターを取り付けてシルバー色のつまみを回すことで絞りを調整します。
どういうことかというと、レンズの突起部分がアダプターと連動して機械的に絞りが変わるという仕組みです。
ペンタックスのボディで使用している場合は、電子接点でボディ側操作からの信号を送ってレンズのモーター側で絞りを変えています。
D FA100mm Macro F2.8 にも絞りリングがありません。
よって、D FA100mmをX-H1やX-T3などのFUJIFILM機で使うには、PK/DA-FXが必要となります。
余談となりますがPK/DA-FXは絞りリングが付いているレンズでも使えます。
アダプター側の絞りを最小値に設定しておきます。
そして絞りリング側で絞りを設定することで、PK/FXと同様に絞り開放から最小絞りまでをレンズ側で設定ができます。
ですので、絞りリングが付いているレンズ(FA Limitedシリーズやオールドレンズ)、そしてDAレンズ(ズームレンズなど)の両方を使う予定がある人は、PK/DA-FX を1本持っておくことをオススメします。
それでは。