山で星を撮影したいと考える際に迷うのが、何のレンズを使ったらいいのか?ということ。さらっと答えるとしたら、「明るい広角単焦点で絞り解放からコマ収差が少ないレンズ」になるのですが、広角レンズとは言えど画角が色々とあります。
そこで、今回は、私が実際に撮影してきた中で感じた広角域における画角別の星景撮影に対するイメージをご紹介します。対象となる画角はAPS-Cフォーマット機に照準を絞っています。
今回は撮影手法ではなく画角にフォーカスした記事になります。なお、写真はAdobeのLightroomでいじっています。
もくじ
水平画角99°(10mm)の世界。
10mm(換算15mm)の世界観です。水平画角は約99°になります。100m離れた被写体が234m*167mの範囲でカメラのフレームに収まる広さです。
北極星を中心とした星の日周運動を表現できます。換算15mmのメリットと言えばやはりその画角の広さです。前景に人工物などの被写体を入れて星景撮影するにはもってこいの画角です。
前傾にテントや岩などの被写体を入れ、星の日周運動を絡めて撮影したい人にはオススメの画角です。星の軌跡(日周運動)を運動を狙うんだったらF4のズームレンズでできますよ。F2.8の明るさは不要です。
ちなみに、F2.8の単焦点レンズも出ていますね。ちなみにAPS-C用のレンズですが、Canon EOS、SONY、PENTAXなどでも対応されています。
SAMYANG 単焦点広角レンズ 10mm F2.8 フジフイルム X用 APS-C用
水平画角88°(12mmの世界)
換算18mm(12mmのレンズ)の世界です。水平画角は88°です。100m離れた被写体が195m*139mの範囲でカカメラのフレームに収まる広さです。
この画角では天の川の撮影ができます。
しかし、先ほどの10mmとの2mmの差は大きいです。水平画角の差は11°にも及びます。この差が被写体に近づいて天の川を撮影する時にちょっと狭さを感じさせます。ググーッと被写体に近づくと前景に収めにくいのです。10mmなら難なく入る感じなんですけどね。
とはいえ、天の川をメインに撮影をするなら十分な画角です。APS-C機で天の川の撮影をするには今のところベストなレンズはSAMYANG 単焦点広角レンズ です。
水平画角72°(16mm)の世界
標準ズームになると広角側が16mmスタートになるレンズが出てきますね。100m離れた被写体が146m*104mの範囲でカメラのフレームに収まる広さです。
この水平画角72°という世界が風景撮影では狭い!と感じる場面は限定的なのですが、星撮り、特に星の軌跡(日周運動)を収めようとすると狭さを感じます。
一方で、日周運動を撮影する場面では、星へ一歩踏み込んだ感じで絵に迫力が増します。是非、先ほどの水平画角99°(10mmのレンズ)の作例と比較してみてください。違いがよく分かると思います。
星を点像とした星景撮影をするとこんな感じになります。パースペクティブ誇張せずに、いい感じの広さで収めたい場合う画角でもあります。
上の写真は月明かりの力を借りてF3.5スタートのズームレンズで撮影しています。必ずしも明るいレンズが必要だというわけではありません。
星景撮影はメインじゃないんだけど、ついでに撮りたいというな時があると思います。新月の夜に星を点像で撮影するという目的があるならF2.8スタートのレンズがいいでしょう。
もちろん単焦点でもOK。私はFUJIFILMの広角単焦点レンズ、XF16mmF1.4 R WRで風景の撮影のついでに夜景や星を撮影することがあります。
以上、広角レンズでありがちな3つの画角からどんな感じになるのかお分かり頂けたかと思います。
まとめ
水平画角99°は10mmのレンズ。
近距離にある前景に被写体を配置し天の川や星の日周運動を捉えるのに向いています。
SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F4-5.6 EX DC
FUJIFILM 超広角ズームレンズ XF10-24mmF4 R OIS
水平画角88°は12mmのレンズ。
天の川を捉えるのに程よい広さです。星空撮影をするなら万能な画角ともいえるでしょう。
SAMYANG 単焦点広角レンズ 12mm F2.0 ブラック フジフイルム X用 APS-C用
水平画角72°は16mmのレンズ。
パースペクティブ誇張せずに程よい広さで、ちょっと離れた被写体と星空を絡めて撮影するのに向いています。
PENTAX 標準ズームレンズ HD PENTAX DA16-85mmF3.5-5.6ED DC WR
FUJIFILM 標準ズームレンズ XF16-55mmF2.8 R LM WR
FUJIFILM 単焦点超広角レンズ XF16mmF1.4 R WR
色々なレンズがありますが、ご自身の目的と用途から逆算してレンズを選択してみてはいかがでしょうか。
それでは。