「前腕を鍛える為にダンベルが必要だ」なんて思ってませんか?
実は懸垂にバリエーションを加えるだけで前腕を鍛えることができるんですよ。
懸垂をやることで鍛えることができる前腕は…
- グリップ力(握力)・・・補助的に屈筋群
- 腕橈骨筋
- 前腕伸筋群
です。
今回は前腕に特化した懸垂のバリエーションについて発信します。
対象読者
- 懸垂だけで前腕を鍛えたい人
もくじ
【懸垂1】グリップ力(握力)を鍛えるならタオル懸垂
グリップ力を鍛えるならタオル懸垂です!
タオル懸垂で効く部位は優先順位順に
- グリップ力(握力)
- 腕橈骨筋
- 間接的に前腕屈筋群
です。
タオル懸垂のやり方にもバリエーションがあるんですよ。
難易度の低いから紹介しましょう。
2枚のタオルをバーに掛け、それぞれのタオルを掴む
タオルを2枚準備しましょう。
チンニングスタンドでも鉄棒でもいいので、バーがある場所に2枚のタオルを掛け、それぞれのタオルを左右の手で掴んでぶら下がります。
タオルを2枚使った懸垂の利点。
- 手幅を自由に変えられる(ワイド、肩幅、ナロー)
- 握り方のバリエーションが自由自在(逆手、パラレル)
という具合に自由自在に手幅や握り方を設定できるんですよ。
ここでは5種類の組み合わせを考えてみましょう。
- ノーマル × 逆手
- ナロー × 逆手
(※ワイドの逆手はやり難いので除外) - ワイド × パラレル
- ノーマル × パラレル
- ナロー × パラレル
タオルを握ってぶら下がっている時点でグリップ力は使っていますよね。
ここではグリップ力 + αでどの部位に刺激を入れたいのか、ということで考えればいいと思います。
この中でも特に「グリップ力 + 前腕」をターゲットとするなら以下の2種類の方法がオススメ。
- 手幅をナロー × パラレル・グリップでやるタオル懸垂
- 肩幅の手幅 × パラレル・グリップでやるタオル懸垂
握る動作に加えパラレル・グリップでやることで腕橈骨筋を使うからです。
他にもバリエーションが考えられますよ。
例えばワークアウトの時間があまり取れない時です。
こんな時は一度の動作で多くの部位に刺激を入れたいですよね?
最強のタオル懸垂があります。
それは肩幅のパラレル・グリップでやるL字懸垂です。
体をぶら下げている最中に足を持ち上げてL字の姿勢を保持するんですよ。
この姿勢とはハンギングレッグレイズの最終動作に相当します。
L字の姿勢のまま懸垂動作をやってもOK。
そのまま懸垂の姿勢で10〜15秒保持してもOKです。
タオルを使ったL字懸垂は、
- グリップ
- 腕橈骨筋
- 上腕二頭筋
- 広背筋
- 腹筋
- 腸腰筋
を一気に鍛え上げます。
時間がなくて、色々と端折りたいときにオススメですよ!
バーに掛けたタオルの分岐を掴む
バーにタオルを掛けると、それぞれ分岐ができますよね。
左右の手でそれぞれの分岐を掴みます。
このやり方は自ずと
- ナロー × パラレル
の懸垂になります。
グリップ力と合わせて特に腕橈骨筋を集中的に鍛えたい場合にオススメです。
タオルの分岐を掴むやり方の利点は、なんと言っても
- 加重をしやすい
という点にあります。
1枚のタオルだけだと耐久性の面で不安になりますよね。
ぶら下がっている途中でタオルがブチん!と破けて落下なんかしたくないですもんね。
そんな場面でもタオルを2枚掛けて懸垂ができますよ。
具体的には総重量90kgでも耐えられます。
(てか、それに耐えられるグリップ力が足らんけど)
加重した際に強度を確保できるという特性から、
- 徐々に加重の重量を増やしていきながらグリップ力を強化していきたい
というような場面で向いたワークアウトと言えます。
私のやり方を2つ紹介します。
普通に懸垂動作をやってもいいのですが、一番効くのは一定の姿勢で特定の時間、筋力を発揮し続ける方法(アイソメトリック・トレーニング)ですね。
一つ目は、自重だけで1分程度ぶら下がる方法です。
ぶら下がり方は2つあります。
・腕を伸ばしたままぶら下がる
・腕を曲げて(ハーフ懸垂のイメージ)ぶら下がる
グリップをより使うのは、腕を伸ばしたままぶら下がる方法です。
しかし完全に腕を伸ばした姿勢を1分も続けると関節への負担を感じるので、私は腕を曲げてぶら下がる方法でやっています。
地味に見えますがキツいですよー。
握力も疲れますが、屈筋群にも強い刺激が入るんです。
(ただし、手首を巻き込むようなリスト力はあまり強くならないと思う)
もう一つは加重をするやり方です。
20kgのケトルベルを登山用のロープを使って体にぶら下げてタオルを掴んで20秒保持します。
グリップが元気なときにやってます。
タオルを握るやり方は、感覚的に握力を鍛えるグリップハンドをやるよりも効果が高いように感じますね。
特定の形状のものを握るよりもタオルのように形状が変化しやすいものを使ったほうが、個人差がある骨格にも最適化できるのかなと思っています。
お金もかからないし、効果も感じるし、一石二鳥じゃないですか!
タオルを2つ折りにして正面に掛け両端を掴む
中でも難易度が高いのが、タオルの両端を掴むタオル懸垂です。
タオルを平らにした状態で2つ折りにしバーに掛けます。
掴める厚さが薄いので掴みづらいんですよね。
利点は
- 指でつまむ力(ピンチ力)の向上
です。
手の平で握るグリップ力よりも指で掴む感覚が強いので、ボルダリングをしている方に向いたタオル懸垂とも言えます。
このやり方は体重のある人はぶら下がるのが難しいかもしれませんね。
指の筋力に依存するやり方ですし。
(私自身、このやり方だと20kgの加重をすると保持できません…)
クライミングやボルダリングをやっている人で、体重を減らし相対的に指の力を向上させる、というような目的がある場合にやるといいと思います。
私は本当に気が向いたときにだけ、自重でやっています。
筋力の強化というよりは体重に対する相対的なピンチ力を確認する、という趣が強いです。
【懸垂2】腕橈骨筋(肘の盛り上がり)を鍛えるならコマンドプルアップ
腕橈骨筋を鍛えるワークアウトの代表格として有名なのがダンベルのハンマーカールですよね。
実はダンベルがなくても懸垂で腕橈骨筋を鍛えることができるんですよ。
順手の懸垂だけでも腕橈骨筋を使っていますがパラレルグリップにするとより腕橈骨筋を使う割合が増えますよ。
更にパラレルグリップの懸垂を発展させたのがコマンドプルアップです。
パラレルグリップ懸垂との相違点は
- 平行なグリップバー(つまり2本)ではなく、1本のバーに手を置く
- 体に対して左右それぞれの手の距離が違う
という点です。
自重だけの懸垂を続けていると回数が伸びてきて、自分の体だけじゃ軽いと感じることってありませんか?
かと言って、片手懸垂をやるには負荷が高過ぎるし、故障リスクも抱えたくない、加重をできる環境にない(または加重するのが面倒)なんて思うこともあるのではないでしょうか。
コマンドプルアップは自重だけで広背筋や腕橈骨筋に強烈な刺激が入るんですよ。
その理由は、手の置き方にあります。
上に掲載した写真を見てもらえれば分かりますが、手幅を広げるほど(支えている手を遠くに置くほど)片手懸垂の負荷に近づいていきます。
つまり、手幅を変えることによって負荷調整がなんとでもできるワークアウトなんですよ。
コマンドプルアップはこんな人にオススメです!
- 手軽に自分の体重だけで普段より高い負荷で懸垂をやりたい
- 加重する道具(ケトルベルやアンクルウェイト)がない
- そもそも加重のセットアップが面倒だなぁ
懸垂って本当、バリエーションが広いですよね。
【懸垂3】伸筋群(前腕の筋張った部分)を鍛えるなら指懸垂
ボルダリングをやっている人って細身の方が多いですけど、肘から手首にかけての前腕部分が筋張っていますよね。
アームレスラーとクライマー(ボルダリングも含め)の相違点は前腕の筋肉のつき方にあります。
アームレスラーは、肘部分の筋肉(腕橈骨筋)やリスト力に相当する手首側の筋肉(屈筋群)が発達しています。
対するクライマーは前腕伸筋が発達しています。
指をバーに引っ掛けてやる懸垂は前腕伸筋群に刺激が入りますよ。
私は第二関節から引っ掛けて4本指でやっています。
日常的にあまりやらなくても一応できるので、気が向いた時にやる感じですね。
(ダンベルを持ったブルガリアンスクワットやデッドリフトでもでも間接的に指の力を使っているため)
もし、どれか1つだけやるとしたら?
1つしかワークアウトをやる時間がなければ、断然、タオル懸垂を選びますね。
その中でも、バーに掛けたタオルの分岐を掴む方法でやります。
理由は
- 短時間のワークアアウトで
- 怪我のリスクを回避し
- 前腕の中でも最も実用的な
- 腕橈骨筋とグリップ力
を同時に鍛えることができるからです。
先ほどご紹介した1分間ハーフ懸垂の姿勢で保持するやり方です。
前腕をチンニングスタンドや公園の鉄棒で強化したい人は、是非、挑戦してみてくださいね。
どのタイミングでバリエーション懸垂をやる?
前腕って通常の懸垂やデッドリフトをやるときにも使ってますよね。
ですから前腕のワークアウトをやらない、という方もいます。
しかし、前腕だけ他の部位と比較して見劣りすると悩む人もいます。
そんなときは、どんなタイミングで前腕のワークアウトをやればいいのしょうか?
消去法で考えてみましょう。
私の事例を出しますね。
- ダンベルのブルガリアン・スクワットやデッドリフトを取り入れている。→ グリップ力を使っている
- 20kgのケトルベルでワンハンドのスイング運動をやることもある。
→ グリップ力を使っている
- 広背筋のワークアウトでは加重懸垂をやっている。
→ 腕橈骨筋を使っている
さて、どのタイミングで前腕に特化したワークアウトをやりましょうか?
答えは「広背筋」を鍛えた日です。
広背筋を鍛えることを目的とした懸垂では、補助的に腕橈骨筋を使っています。
しかし、グリップ力はあまり使っていません。
(厳密に言うと、グリップ力は使うけど強化されるほどの負荷は掛からない)
じゃあ、予備疲労ができている腕橈骨筋を最後にタオル懸垂を入れて追い込むと同時にグリップ力も鍛えちゃおう、というのが狙いです。
そんなわけで、広背筋を鍛える日に、最後の締めとしてタオル懸垂をやるといいじゃないですか。
必要なのは、チンニングスタンド(公園の鉄棒でもOK)とタオルだけです!
私は、リーディングエッジのチンニンングスタンドを使っています。
チンニングスタンドって自宅に置くにには物を整理する必要性という観点から敷居が高いように感じちゃいますが、わずか1万円ちょっとの投資でワークアウトが、
- いつでも、
- 好きなときに、
- やりたいだけ、
- 好きなように、
- 自分流にアレンジして、
実現できるんですよ。
今回、ご紹介した前腕のワークアウトでも恩恵を受けています。
それでは。