あなたは雲ノ平に恋い焦がれるように憧れを抱いてませんか?
私も雲ノ平にずっとずっと憧れを抱いておりました。
行きたい!行きたい!と思って3年。
やっとそのタイミングがやってきて夢にまで見た楽園に行きました。
雲ノ平へ行くぞ!という情熱を持つあなたに向けて、私が3年越しで果たした雲ノ平への想いも交えてをザックリとご紹介します。
2018年の夏にも行きました。
詳細はこちらにも書いてますので併せてご覧ください。
もくじ
海外へ行くよりもアプローチが遠い雲ノ平。じっくりと堪能するなら4日間の時間を確保しよう
お金さえ払えば、24時間以内に日本から世界各地のゲートシティに行くことができます。
あなたは飛行機内で雑誌を読んで、映画を観て、食事を食べて、寝ているだけで目的地に連れて行ってもらえます。
楽チン♩
しかし、雲ノ平は日本国内にありながら
- 世界中のどこの首都へ行くよりも遠い場所
なんです。
理由はアプローチの長さ。
雲ノ平にアプローチするには大きく分けて3つのコースがあります。
いずれのコースでも片道で2日間の日程が必要になります。
各コースの所用時間です。
- 長野県の高瀬ダムから雲ノ平までのコースタイム(片道14時間)
- 岐阜県の新穂高温泉から雲ノ平までのコースタイム(片道13時間)
- 富山県の折立から雲ノ平までのコースタイム(片道 10時間30分)
2泊3日でも行けますが、本当にじっくりと雲ノ平を行く過程を堪能するなら合計4日間は欲しいですね。
(当記事ではトレランスタイルは除きます)
折立INであれば、雲ノ平までは頑張れば1日で行けるコースタイムです。
しかし、障害となる点が一つだけあります。
それは折立へ行くまでには有峰林道を通らなければならないということです。
有峰林道は20時から6時の間は通行できません。
つまり夜間や早朝の出入りが不可能ということです。
もし前夜の20時までに有峰林道を通過できなれば翌朝の通行になります。
折立INの場合、必然的に登山の開始は7時頃から開始になります。
コースタイムは片道10時間ですから、その日のうちに雲ノ平まで行けないこともありません。
が、ゆっくりと堪能するなら実質で片道2日間の日程は見ておいたほうがいいですね。
そのため、今回はスタート時間に依存せずに済む、岐阜県の新穂高温泉から入るルートを想定しています。
お金を積んでも(もちろん、交通費や装備に充てる費用は掛かるけども)雲ノ平の景色は手に入りません。
自分の足で歩いて行かなければ決して見ることができない風景が広がっています。
楽園・雲ノ平。
そこに行くだけであなたはアジア屈指のフィールドに足を踏み入れることができるんです。
雲ノ平に行けばパラダイスな気持ちになります。
そりゃ天国のような場所ですよ。
雲ノ平は自分の足で2日間かけて行く価値は十分にある場所です。
雲ノ平をじっくりと堪能するためには、何が何でも時間は確保すべきです。
新穂高温泉から雲ノ平まで歩き切る体力が心配。行けるかしら?
体力はあった方がいいに決まってます。
(私自身、体力至上主義の立場を取っている)
でも、それは限られた時間で、より広い範囲で行動したい場合の話です。
例えば、週末登山でテントとカメラ機材一式を担いで大縦走するような場合です。
雲ノ平までは、
- 片道2日間かけてゆっくり歩けばいい
んですよ。
そうすれば辛くない。
荷物も工夫をすれば軽くできます。
(ただし、体力のなさをカバーするために軽量化するのは本末転倒だけどね)
雲ノ平へ行くコースの利点は水が入手しやすいことです。
だから水を3Lも4Lも持ち歩かなくて済むんですよ。
つまり、軽量化できる環境にある、ということです。
感覚的には、常時、1人あたり1.5L程度の水を持ち歩いていれば心配ありません。
少なくとも3時間以内の区間ごとに水を入手できるからです。
ですから、最低限、ナルゲンのボトル程度は持ち歩きましょう。
これだけで1Lの水を確保できますよ。
今、私はこの記事は男性目線で書いています。
中には男性顔負けの体力を持つ女性もいますが、基本的に女性と男性とでは基礎体力に差があります。
ソロで挑戦したいと考えている女性(男性も)の方の中には、体力的な面から雲ノ平への挑戦を躊躇する人がいるかもしれません。
しかし、
- 荷物を選別し軽量化
を図ることで、アプローチできるのが雲ノ平です。
新穂高から雲ノ平距までは距離も長くアプローチに時間がかかります。
エスケープルートもありません。
しかし、新穂高から雲ノ平へ至るルートには利点があります。
- 鎖場もハシゴも直登するような岩場がない
- 水が豊富で、1〜3時間に一度のペースで入手可
- 雲ノ平へ行くまでに山小屋が4箇所ある
(わさび平小屋/鏡平山荘/双六小屋/三俣山荘)
詳しい地図は山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地をご覧下さい。
だから自分のペースでゆっくりと歩けば行けるんですよ。
最悪、半日行動したら小屋泊まりにしちゃおう!!ということもできますし。
区間ごとに小屋があるのでおトイレの心配リスクも減ります。
パートナー(妻)にインタビューをしてみました。
Q:雲ノ平にテン泊で行ける自信ある?
A:基本山小屋泊まりかなぁ。
テン泊なら荷物を13kg程度にまで抑えられなら行けると思う。
実は、13kgという重量は無雪期に2泊3日で北アルプスを縦走する時の妻の装備重量でなんです。
テントは私が持ちますが、食料の一部、調理器具は妻が持ち歩くスタイルになっています。
20kgの荷物を背負って涼しい顔をしながら歩く女性もいますが、ここでは一般的に登山をやっている女性であまり負担にならない限界値として考えてみましょう。
ちなみにですが…妻は体重が45〜46kgしかありません。
ざっと見積もって体重の1/3近くの荷物を背負っている感じですね。
実際に13kgの荷物とは一体どんな装備でしょうか?
オススメは断然テント泊。13kgの装備とは?
雲ノ平には桃源郷のような景色が広がっています。
断然、テント泊を強くオススメします!!
マイワールドに浸りたいですよね?
必要な荷物を列挙しておきます(実際に使用しているもの)。
- レインウェア 上下(モンベル ストームクルーザ)
- ストック(Black Diamond)
- テントまたはツェルト
- 寝袋ダウンハガー800#3
- THERMAREST(サーマレスト) マットレス
- 調理器具一式(バーナー、コッフェル)
- 下着
- 中間着(防寒具も兼ねる)
- 身支度品(歯ブラシとか)
- 直射日光から身を守るもの(サングラスとか)
- 携帯電話(スマホも含む)
- カメラ機材一式
女性を想定し13kgとしましたが、男性だって軽量化したい人がいるはずです。
さて、この荷物を13kgまで軽量化するにはどうしたらいいのでしょうか?
荷物のダイエットをしてみましょう。
荷物のダイエット1:カメラ機材を断捨離。ボディ1台、レンズ1本に絞る
荷物の重量に差がつくのはカメラ機材です。
本気でカメラ機材を準備すると5kg前後の重量になります。
一眼レフ(APS-C)2台、交換レンズ3〜4本、フィルター類、予備のバッテリー、三脚などです。
軽量化をするとカメラ機材の総重量を約1kgに抑えられます。
余計なものを持たずに、カメラのボディを1台、標準ズームレンズ1本 or 広角単焦点レンズ1本、予備バッテリー1〜2個(不足分はモバイルバッテリーに頼る)にし、三脚は諦める。
これで4kgのダイエットに成功しますね。
2018年の秋に妻の専用機としてミラーレス一眼のLUMIX GX8を導入しましたが、これがいいんです。
防塵防滴仕様で軽量なんです。
写真を撮るだけなら最新機種でなくてもOKです。
2、3世代前のカメラで十分ですよ。
F2.8通しの標準ズームレンズ、GX8の組み合わせ、それから予備バッテリー2個を加えたとしても、総重量がほぼ1kgといった感じです。
この組み合わせで1000枚撮影できます。
LUMIX GX8はパナソニックのカメラですが、我が家では同じオリンパスのProレンズを付けています。
同じパナソニックならライカブランドの標準レンズもあります。
こちらは上記の12-40mmよりも約60g軽量で同じく防塵防滴仕様となっております。
更に予備バッテリーをもう一つ加えても50g程度の重量しか増えません。
50g加えるごとに撮影枚数が350枚ずつ増加すると考えれば軽量ですよね。
あるいは予備バッテリーを1個にし、モバイルバッテリーとUSB充電器で賄うことで、バッテリー不足の懸念をなくすこともできます。
最近の我が家ではこの方法を使っています。
詳細を知りたい方はこちらの記事を読んでみて下さいね。
荷物のダイエット2:固形物を減らしてドライフードを活用する
食料の重量も侮れません。
私は固形物を持って行くので重量が重くなります。
ソロ登山で2泊3日の日程で行動するような時は、菓子パンなどをを合計20個くらい持ち歩いていた時期もあります。
夕食のメインはパスタが多いのですが、足りないと思って、ラーメン、グラノーラなども荷物に入ってます。
更に缶詰、酒、フルーツ、コーヒー、ナッツなどなど。
一体これだけで何kgあるんでしょう?
4、5kgありますかね。
燃費が悪い体で困ったものです。
これらの食料をドライフードにし、ランチは山小屋の食事を併用するだけでも軽量化できますね。
これで3kg以上軽量化できますよね。
荷物のダイエット3:小型バーナーを導入して調理器具を小型化しよう
調理器具を軽量化ですね。
これまた私はカッコいいという理由でガスバーナーと液体燃料タイプのバーナーを2台持ち歩くことがあります。
(は?)
知ってます?
液体燃料タイプのバーナーの本体/燃料容器/燃料を合わせると800g以上の重量になるんですよ。
そのうえでガスバーナーを持ち歩くんですからアホですね。
1kgオーバーじゃん!でも液体燃料バーナーの音がカッコいい、という非合理な理由で持ち歩く時があるんですよ。
(男って単細胞ですねw)
軽量化を図るためにはどのタイプのガスバーナーがいいのか?それは折りたためるコンパクトなやつです。
私はSOTOウインドマスター SOD-310を使っています。
非常に使い勝手がいいですよ。
実際の使い勝手はこちらの記事が参考になりますよ。
調理器具はSOTOウインドマスター SOD-310にお湯を沸かすためのコッフェルが1つあれば十分。
食料をドライフードをメインにするとお湯だけ沸かせばOKです。
ざっと挙げるこんなものしょうか。
ちなみに衣類は削るべきではありません。
下着は必ず予備を持って行くべきです。
汗で汚れていると不快な気持ちになりますからね。
気持ちよく歩きましょ。
(参考までに)私のツェルト泊で荷物の最低重量は14kg
上高地から南岳経由で大キレットを1泊2日で行った時の装備です。
大キレットは一般ルートの中では最難関のルートに相当する難易度です。
手や足の置き場をミスると体ごと落下してしまうような場所が至るところにあります。
こんなコースで普段通り重い重量の荷物なんか担ぎたくありません。
重量があるだけで安定性が減りますから。
この時はテントではなくツェルト泊にしました。
一眼レフは1台のみ、レンズは10-20mmの超広角ズームレンズ、28mmの単焦点レンズの2本だけにしました。
もちろん三脚なんて持ちません。
コーヒーやお酒などの嗜好品は持たないことにしました。
トータルで14kgの荷物でした。
2日目は行動食以外は山小屋で食事をしました。
軽量化のためです。
非常食だけは持ち歩いていました。
- 道具の選定
- 食料の見直し
- 山小屋を併用
することで13kgという荷物は決して実現できない重さではありません。
新穂高から雲ノ平に行くルートは山小屋が2、3時間置きの距離にあります。
これって、とてもインフラが整ったコースだと思うんです。
だから、利用しちゃいましょう。
お腹が「グゥ〜」って空いたら山小屋に入ればいいんです。
もうダウンして「歩けねぇーよ!」って思ったら泊まればいいんです。
夏から秋にかけてなら山小屋も営業しています。
2022年5月追記:
コロナ禍になってからは各山小屋は宿泊に対して完全予約制を取るようになりました。そのため完全に計画を立てて行く必要があります。自分の体力を把握し1日で無理なく行動できる範囲を見定めて山小屋(テント場は連休など特定日)の予約を入れて行きましょう。
距離は長いけれども雲ノ平まではじっくりと時間をかければ行きやすいルートです。
ぜひ、ご自身が「何を求めているのか」を熟考してプランを組まれるとより充実した山旅を楽しめるのではないでしょうか。
何事も初めが肝心です。
それでは。