ローカル空港で、フライトキャンセルを食らい国際線への乗り継ぎを逃した時、どのように対処しますか?
当記事は、インフラが整ってない地域の通信手段が確保できない状況下で、フライトキャンセルを食らった時に、どのように動いたのか?というお話です。
当記事の想定読者は、現役世代で仕事をされている方です。
つまり、手持ち時間をギリギリまで使って旅行をされる方です。
もくじ
現場こそ全てである
さて、あなたならどのように行動しますか?
私なりの結論を最初に言いうと
とにかく空港へ通って事実確認せよ。
何が何でも空港へ入れもらえです。
電話で問い合わせなんて役立ちません。
現場がすべてです。
先ずはどのような状況下でフライトキャンセルを食らったのか、について触れておきましょう(舞台はインド北部ラダック地方)。
本題に入る前に一つ体験談に触れておきましょう。
実は、これまでにもフライトキャンセルを食らったことがあります。
それは北マリアナ諸島のロタ島でした。
日本からの直行便はなく、サイパン島からのフライトになります。
この時も荒天によりロタ島からサイパン島へ戻れなくなってしまったのです。
3日間、荒れた波を見ながらホテルで過ごしました。
幸いにも日程に余裕があったので、サイパンから成田までのフライトをキャンセルすることなく済みました。
また、ホテル内でも通信は確保できておりましたので今回のケースより楽でしたね。
それでも毎日、空港へ出向いて状況確認をしていました。
フライトは有視界飛行。晴天が確実だと想定していた時期に雨が降った
場所はインド北部のラダック地方。
年間降水量は80mm程度、年間の中でも雨が多いとされる8月でも月間降水量が10〜15mm程度です。
しかし、そんな中でも夏のラダックで1日中、雨が降ったのです!
そう、まさしく雨の中のトレッキングをやった日だったのです。
この日、レーからデリーまでのフライトをキャンセルした航空会社もあったのです。
雨は翌朝まで降り続きました。
本来えあれば…こんな天候が夏のラダックなので、連日、安定的に晴れることを見込めるという前提だったのですが。
そんな状況でレーからデリーまでのフライトだったのです。
朝、空港へ向かう頃には雨は上がっていたものの空は鉛色でした。
デリーへのフライト予定時間は朝の9時台。
朝、空港へ向かう前になんとかWi-Fi(とても速度が遅いうえ街全体でダウンすることもある)を掴んで、オンラインチェックインを済ませておきました。
ステータスは “Checked in” になっているので、大丈夫だろうと考えておりました。
しかし、実際にはフライトを遅らせるというアナウンスがあったのです。
航空会社にとっては飛行機を飛ばすリスクがあったわけです。
その理由は有視界飛行だからです。
管制塔なんてないですからね。
空港近くの上空からしてこんな感じですから。
このアナウンスによりデリーへ向かうフライトへ影響が出ること必至でした。
当初の予定では
レー 9:05 /デリー10:30
デリー 13:00/ムンバイ 15:10
ムンバイ20:00 /成田 8:35
でした。
ですから、先ずはデリーからムンバイまでは、エアインディアを使う予定でしたのでこのフライトを次の便へ変更してもらう必要がありました。
しかし、通信遮断により空港内にあるエアインディアの端末もダウン。
当然システムが稼働してませんので、デリー・ムンバイ間のフライト変更を申し出ても応じてくれません。
八方塞がりの状態です。
そうこうしているうちに時間だけが過ぎていき、デリー・ムンバイ間のフライトを捨てざるを得なくなりました。
こんな状況ですから多くの人が項垂れていましたね。
待った挙句にフライトキャンセルのアナウンスが流れ、必然的にこの日はレーから脱出できないことが確定し、成田までのフライトに乗り継げない事態に陥りました。
フライトキャンセルを食らってから帰国するまでやったこと
それでは、どのようにアクションを取ったのか書いていきましょう。
日本からダイレクトでフライトがあるような場所とは事情が違い労力を強いられましたね。
前述したように空港で通信が使える環境ではなかったからです。
航空会社から遅延証明書をもらう
キャンセルのアナウンスが流れたら航空会社から遅延証明書をもらいます。
この証明書がないと航空遅延などの保険請求で証明する書類がなくなってしまいます。
あと、仕事を延長して休むことになるでしょうから証拠として。
これをもらうのが厄介でして。
フライトキャンセルを食らった人たちが航空会社の現地オフィスへ殺到します。
職員は機械的に人を捌いていきますのでやっつけ仕事になります。
ですから、お客さんが持っているEチケットの情報をよく見ないなんてこともあります。
私なんか往路の日付だけ見て「このフライトは違う」なんて言われましたからね。
「記載してある情報をよく見ろ!」と言ってあげないとダメです。
日本みたく相手がこっちのことを気遣ってくれるなんてことを期待してはいけません。
最寄り街へ戻り通信手段を確保する
遅延証明書を入手したら荷物を持って空港の外に出てタクシーをつかまえレーの中心地へ戻りました。
もう帰国することしか想定していなかったので、ほとんど現地通過(インドルピー)を持ち合わせおらず大変でした。
通信がダウンしていてATM使えるかどうかも怪しいし、空港に両替所なんてないし面倒です。
これがドルやユーロが普通に流通している場所だったらどんなに楽だったろうか。
結局、この後、こまめにレーの中心地で円やドルを小口で両替していくことになります。
次に向かったのが国際電話ができる場所です。
国際電話を使う目的は国際線で使う航空会社(ANAですけど)へコンタクトを取りフライト変更をしてもらうためです。
結局、私が取っていたフライトは変更できないクラスだったので、キャンセルしました。
ちなみに余談ですが…
旅行をされる際、現地のツアー代理店を使って現地ツアーを組むこともあるでしょう。
その際に現地の代理店にお金を落としたんだから何か助けを得られるのではないか?と考え、助けを求めることもあるのではないでしょうか。
現地の代理店は航空会社とパイプがある、と考えての行動だと思いますが、私は無駄だと思ってます。
仮に現地の代理店のスタッフが航空会社に対して、
「彼(ら)は私のカスタマーだ。明日の追加便に乗りたがっている!」
と言ったとしますよ。
航空会社がそんなのを確約してくれることはないだろうと思います。
彼らにとってはどうでもいい話です。
航空会社の立場になって考えれば分かりますよね?
航空会社は単にブッキングをしているお客さんを目的地に乗せるためにスケジューリングするだけの話です。
また、航空会社とってはツアー代理店の集客力を借りなくても地名のブランド力だけで観光客が航空会社を利用してくれます。
航空会社が現地の代理店とそこまで強固な関係にあるとは思えません。
フライトを利用して訪れる観光地であれば尚更のことです。
特に夏場のラダックと言ったら観光シーズンですからね。
日本人だけでなくヨーロッパやアメリカらからも観光客が来ます。
ある意味、現地の代理店は空路というインフラがあるからこそ成り立っているのだという側面もあるわけです。
まるで日本の山小屋が航空会社のヘリコプター輸送に支えられているように。
もし航空会社が関係を持つとすれば、常にお客さんを現地へ送り込みある程度の席を担保してくれる日本に拠点を置く大手の代理店じゃないでしょうかね(憶測だけど)。
現地の航空会社オフィスへの電話は無駄だった
先にも触れましたが、航空会社(Vistara)への電話は無駄でした(私が使ったエアーの話だけど)。
したがって、翌朝、早い時間に空港に行ってフライトがあるかどうかを確認するのが一番手っ取り早いです。
夕方になったらHelplineに電話をかけるように言われ、かけたのですがフライトを確約してくれるわけでもなく「宿泊先の電話番号を教えろ」と言われ会話が終わってしまいました。
おそらくブッキングを割り当ててフライトが確定したら教えてやる、ということだったのだろうと思います。
これでは日中に航空会社と押し問答をやったことと変わりませんね。
一体何のための情報だったのだろう?
ただのフェイント?
代替え便情報を掴んでおく
と言うことで、頼るべきはインターネット(とは言えレーの通信は不安定)。
この後、Wi-Fiが使える宿に泊まりスマホを繋ぎ情報チェックをしておりました。
事前に人を介して教えてもらった情報ですが、ツイッター上で代替えフライトの情報を流していたんですよね。
こんな情報は電話では教えてくれませんでしたし、フライトキャンセルのアナウンス現場でも教えてくれませんでした。
航空会社のスタッフから言われたいたことは2つ。
・夕方になったらHelplineへ電話しろ
・明日、空港に来い
夕方になったら電話しろ、は先ほど書いた通り無駄でした。
ということは「明日、空港来い」がこのツイッターで流れた代替え便情報のことを指しているという可能性があります。
裏を返せばインターネットで情報にアクセスする手段を自分で確保しておかないと情報を逃すということです。
宿の確保、現金の両替を済ませておく
当然、最寄りの街に戻ってきたら宿を確保しなければなりません。
面倒ですよね。
荷物を持って空港まで行って、追い返されまた荷物持って宿に行かなきゃならないなんて。
しかし、この面倒なプロセスを避けることはできません。
幸いにもレーには有り余るほどのゲストハウスやホテルがありますので、困ることはないだろうと思います。
現金も大事です。
まだ両替所が開いているうちにドルや円を少し多めにルピーへ両替しておきました。
現金はあるに越したことはないのです。
陸路でマナリという都市を経由してデリーへ向かうことも可能ですが、最低でも2日間の日程が必要ですし、何しろ雨の影響で道路が寸断されているとの情報も流れていたので、陸の孤島状態だったんですね。
どこにも出れない状況。
そんな時に役立つのは現金です。
勝手にシステム上のブッキングが変えられていた!
さて、ツイッターで流れた代替え便情報が気になったのでオンラインチェックインを確認してみたら、フライトが翌々日に変えられていたのですよね。
しかも2名のうち1名のステータスは “Checked in” ではなく “On Standby” になってるしもう意味がわかりません。
おいおい!って感じですよ。
予告なしに勝手に変えんなっつうの!という気分でした。
そして今回はビジネスクラスを使っているのにちょっとこりゃないでしょ。
(地上サービスはさておき上空でのサービスは相応です)
これ、通信環境を確保できてないと知ることができないですからね。
運よくWi-Fiがなかったり、手元にスマホがなかったり、充電できてなかったり(停電もよく起きる)、したらアウトですよね。
いずれにせよ、代替えフライトの情報と、勝手にフライト日を2日後に変えられている情報のどちらが正しいのか分かりません。
やはり空港へ行って確認するしかないのですよ。
翌朝は朝一で空港へ向かう
タクシーは前日の夕方、宿に頼んで手配してもらっていました。
翌朝は6時頃に空港へ乗り込みました。
しかし、すでに多数の人でごった返しておりました。
(カメラ出す余裕なく写真はありません)
とりあえず空港の外側にある航空会社の窓口へ並ぶも….
「空港の入り口へ行け」と言われるし
空港の入り口へ行けば
「9時にならなければ入れない」と言われるし
再び航空会社の窓口へ行くと空港内のオフィスで発券してもらっている人たちがいるし何の情報が正しいんだかさっぱり分かりません。
正攻法なんて役立たない。何がなんでも空港内に入れてもらう
そこで取るアプローチは空港へ入る、です。
しかし、空港に入ろうにもアーミーの格好をした係員が入れてくれません。
だからと言って大人しく「はい、そうですか」なんてことをやっていたら拉致があきません。
ここは日本じゃないのです。
Eチケットを見せてこんな趣旨のことを言いました(実はこの時で2回目のアタック)。
「日付は昨日だがフライトは今日だ。遅延証明書もある。航空会社の人は空港へ入って来いと言ってるぞ」
そして彼はこう言うわけですよ。
「1人だけなら入ってもいい」と。
当然、この横暴な態度に苛立ちを感じるわけですよ。
「よく見ろ!ここに2人分の名前が書いてあるぞ」
それでも彼はこう言うんです。
「ダメだ。1人だけだ。お前はここにいろ」と。
結果的に私の妻だけが空港へ入ることができ、空港内から航空会社のオフィスへ行くことができました。
航空会社のオフィスではこう言われたそうで。
「なぜ、君は空港へ入ってきたんだ?9時になったら入れると言ったじゃないか」
妻はこんな趣旨のことを答えたそう。
「入り口で係員の人が入っていいと言われてきた」と。
それで航空会社の人間も納得したそうです。
その頃、私は人がごった返す空港の入り口で待機していました(あのアーミー野郎!なんて思いながら)。
そのうち妻が姿を現し10mほど離れた場所から手招きをしています。
そしたらアーミー野郎にも入っていいと言われ、空港の中に入るとができました。
妻はアーミー野郎に
「空港の人が入ってきて手続きをして欲しいと言っている」
というようなことを言ったそう。
そしたら、あっさりと掌を返すような態度で入れてくれましたよねぇ。
つまり、航空会社の人と、外にいる係員たちは情報共有ができてないんですね。
トップダウンみたいな序列なのかなぁって思いました。
もしかして航空会社の人の方が立場が上なのかしら。
荷物の検査もほとんどスルーでしたね。
普通はコンベアに載せて通すんですけど。
ここにインドの適当ぶりを垣間見ました。
もう空港の中に入ったらこっちのものです。
アーミーの格好をした係員は何も干渉してきませんでした。
確かに時間になったら空港へ入って来れた人たちもいましたが、どうも見ていると団体のツアー客のような印象が目立ちました。
つまり、中には入って来れず外であぶれている人たちもいたのだろうと思います。
結果的に私と妻は、勝手に2日後ろに変更されたブッキングを代替え便へ振り替えしてもらい、この日のフライトに乗ることができました。
しかし、この日、フライトを確保できずにレーに戻った人たちも多数いたと思われます。
機材のキャパを見ればそう思わざるを得ません。
主要都市に出たら国際線のチケットを購入する
無事、デリーへ戻ったらやることがあります。
それは日本までのフライトを確保することです。
事前にレーの代理店で手配してもよいのですが、突然飛ばなくなるリスクも考えるとちょっと手を出し難いですね。
主要な都市の空港に行けば航空券を扱う代理店もありますし、Wi-Fiや海外SIMを使えるんだったらスマを使ってExpediaやスカイスキャナーにアクセスしクレジット決済もできます。
(ちなみラダックでは海外SIMは使えません。)
ですので、クレジットカードは海外旅行では万が一のことも含めて必須ですね。
こうして目でたく(?)帰国の途へついたわけです。
後日、保険会社に保険金(航空機遅延費用)を請求する
今回のフライトキャンセルで多少なりとも余計なお金が出ました。
タクシー代、電話代、宿泊費用、食費、航空券の買い直しなど。
ここで多少なりともカバーできるのが航空機遅延費用です。
私が保険会社に提出した書類を紹介しましょう。
・遅延証明書
・Eチケット(元々のやつ、新規で購入したもの)
・ホテルの支払い領収書
・電話の領収書
電子データで遅れるものはメールで。
それ以外は原本、領収書がないものは手書きで書いたものを送りました。
ですから、行動過程でメモをとっておくことが大事ですね。
そして、証拠を残すには基本的なスキルが問われます。
スマートフォンでキャプチャを残せますか?
それ以外の手段を持っていますか?
それはどうやって使いますか?
電源はどうやって確保しておきますか?
モバイルバッテリーは何を持っていきますか?
どのくらい使えるか把握してますか?
電源プラグは何を使いますか?
どこでフリーWi-Fiをキャッチしますか?
オンラインで航空券の確認をできますか?
こんなの簡単じゃないか、と思うかもしれませんが、こういう基本的なことを押さえたうえでトラブルを乗り越えるわけですね。
さて、今回のフライトキャンセルでは、本来掛るべきでないところで余計に掛かった費用は約9万円です(2人で)。
戻ってきたお金は満額の4万円。
今回の5万円は損切りです。(ぐぬぬ….単焦点レンズ買えるじゃないか)
大事だなと思うこと、それは日々の在り方、感情を伝える能力
ここで指しているのは英検1級取りましょう、とかTOIECで900点を目指そう!なんて話じゃありません。
トラブルに遭遇したとき、机上の点数なんて役立ちませんよ?
ここで指しているのは、必要な書類を読める読解力、感情を振り絞り相手に伝える能力のことを指しています。
つまり相手にナメられない気迫が必要です。
中学生レベルの英語を運用できる能力があればできます。
こっちから働きかけないと、完全にスルーされてしまう世界です。
日本のように建前だとか、角が立たないようにする、なんてのは通用しません。
押し切った者が勝ちです。
ということで、中学生レベルの英語を振り回せるといいですね。
読解ならDUOをやっておくといいですね。
それでは。
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