高度順応を兼ねて富士山に登ってきました。
目的は今夏の高地トリップ(標高5000mの世界)へ備えての体慣らしです。
コースは一番アプローチが短い「富士宮コース」です。
さて、高度順応とは言えど楽しく登山をしたいというのが人情です。
富士宮コースは単調で面白みがないんですよね…。
その悩みを解決する手段が単焦点レンズです。(私の場合だけど)
持ち出した単焦点レンズです。
広角単焦点レンズ XF16mmF1.4 R WR。
中望遠単焦点レンズ XF50mmF2 R WR。
富士山と言えば、広大な景色が広がっているので、広角レンズのほうが使い勝手がいいのだろうなと考えておりましたが、実際には中望遠レンズ XF50mm(換算76mm)の焦点距離がバッチリとハマった感じです。
今回の富士山登山でXF50mmがハマった理由は、梅雨末期の空模様の影響でした。
もくじ
シーズンINした「日中」の富士山登山はスナップ撮影が基本
富士山における撮影事情に触れておきましょう。
シーズンINした日中の富士山登山では撮影に物理的制限が付きまといます。
山開きをし、車両規制が掛かり、多くの人が五合目までバスで訪れ富士山登山をします。
登山道も人が多く入るため、立ち止まって撮影というスタイルは難しいなと感じますね。
富士山というと、登山者渋滞も有名ですね。
私が登った日も八合目で軽い渋滞があり、全体として混雑はしてないけど、ほどほど人がいるという感じでした。
私が行った日は曇り予報でしたので、もし快晴の予報であればもっと混雑していたことでしょう。
参考までに山行のザックリとしたメモです。
・水ヶ塚P 5:45のバス(多分、臨時便)で富士宮5合目へ
・6:30、登山開始
・7:20、七合目「山口山荘」3020m
・8:40、八合目「池田館」3250m
・9:10、九合目「万年雪山荘」3460m
・9:40、九合五勺「胸突山荘」3590m
・10:10、富士宮ルートの山頂 3700m
・11:05、下山開始
・13:30、富士宮口 五合目到着
休憩を入れて登り3時間40分、下山2時間25分でした。
まぁまぁのペースで歩けたのではないかと思います。
曇りがちの天気で直射日光がなかっただけに歩きやすい気候でした。
そのせい(?)か八合目を除けば全体とし人の流れがよかったです。
このような条件の中で、人の邪魔にならぬようスナップ撮影をしたというわけです。
梅雨末期の富士山から XF50mm F2 で撮影した風景
XF16mm F1.4 から XF50mm F2 にレンズ交換をしたのが8合目宿泊所(標高3250m)からでした。
広角レンズから中望遠レンズに交換した理由は、下界に浮いている雲の様子、その周辺の地形を切り取りたいな、と思ったからです。
「ここは引き寄せて撮ったほうが面白いぞ!」と。
駿河湾越しに見える伊豆半島、手前に見える山は愛鷹山(あしたか山)です。
手前の沼津、向こうに見えるのは西伊豆。
撮影地点から伊豆半島の付け根までは直線距離36kmあります。
換算76mmだと遠景を撮影しつつもその周辺もいい具合に切り取りできますね。
御殿場の辺り。
富士吉田口に次いで二番目に登山者が多い富士宮口。
日曜日時点で、外国人登山者が30%くらい占めていた印象を受けました。
世界遺産に登録されてから増えたような気がします。
箱根方面。
うっすらと芦ノ湖が見えます。
曇りがちとはいえ、天気が安定していたので、山小屋の人たちが布団を屋根で干す作業をしていました。
再び愛鷹山(あしたか山)を見る。
また御殿場方面を見る。
この日はずーっとこんな感じであまり雲が動いてないようでした。
下界にいた人たちは、「今日も分厚い雲だなぁ」なんて思っていたかも。
富士山名物。
こういう何気ない岩場も中望遠単焦点レンズで撮影すると立体感が出ますね。
鳥居の下には登山者が多くいたのですが、余計なモノをフレームから外したい時、中望遠レンズってのは役立ちますね。
換算76mmはちょっとした距離感にある被写体と背景の風景を撮影するのに程よい焦点距離なんです。
相変わらず雲はあまり動きませんね。
ある意味、安定している天気。
駿河湾と伊豆半島。
と、こんな感じでずーっと安定した曇り風景の中、富士宮口の山頂まで登山をしていきました。
富士山全体的に言えることですが、コースは単調ですし、これと言って圧倒的に入り組んだ地形があるわけでもなく、かと言って目を引くような高山植物があるわけでもありません。
つまり、日中という時間帯に歩くのなら、あまり面白くないんです。
そんな中、いかに楽しく歩くか?
音楽を聴きながら歩いているもいますし、私のようにカメラを使う人もいます。
そう、今回、単調な富士山登山を楽しくさせてくれたのが、中望遠単焦点レンズだったんです。
XF16mm F1.4 で撮影した写真
広角単焦点レンズ XF16mm F1.4 で撮影した写真もピックアップしておきましょう。
XF16mm F1.4 は前ボケを作りながらも広く撮影できる数少ないレンズです。
便利ズームだと特定の被写体を狙い周囲をボカしたような表現ができないのですが、広角単焦点レンズだと実現できちゃうんです。
換算24mmではお鉢全体を入れるのは無理でした。
というわけで、パノラマ撮影です。
山頂のポスト。
フィルムシミュレーション「クラシッククローム」で撮影。
哀愁溢れる雰囲気ですね。
広角レンズで撮影するとこんな感じ。
前景が欲しかった…。
最短撮影距離15cmという驚異的な接写能力のおかげでマクロ的な撮影もできます。
これもXF16mm F1.4で撮影。
ブツ撮りにも使える優れたレンズ。
ツェルト写真を出したついでにちょっとだけ寄り道の話題。
シーズン真っ只中の富士山は、登山経験がなくても登れてしまうだけに、雨風に対するリスク対策が甘いよなって人が多い印象を受けます。
例えば….数百円のカッパで防寒?しているとか..。
綿のシャツ着ちゃってるとか…。
スラックス履いちゃってるとか…。
まぁ、私もそんな感じだったんですけど。
特殊な場所だなって思います、富士山ってのは。
私も初めてご来光登山に挑戦した時、山頂に早く到着し過ぎたため(0時くらい)、夜明けまで吹き荒ぶ砂混じりの風の中、耐え忍んだ苦い経験があります。
そんな時にツェルトが1個あったらあんなにブルブルと寒い思いをせずに済んだし、耳や鼻が砂まみれになることもなかったでしょう。
当時はツェルトという道具の概念すらありませんでしたから、致し方が無いと言えばそれまでですが、知っておくだけで違かっただろなと思います。
そんなツェルトは命の保険です。
面倒だなんて言わずに持ち歩きましょう。
以上、最後に話題が脱線してしまいましたが、単焦点レンズで富士山登山を楽しくしてきたよっ!というストーリーでした。
「あそこの山はこんな焦点距離が似合うんだろうな」と想像してレンズを使ってみるのも楽しいですよ。
まるでゲームをやっている感じです^^
是非、単焦点レンズを登山に持ち込んでみてはいかがでしょうか。
こんな記事もあります。
それでは。
今回の富士山登山で使った機材
カメラはX-T2。
導入してから1年7ヶ月経ちますが、小雨に濡れてトラブったことはないです。
今回の撮影でツボにハマったレンズ。
広角レンズの中では抜群の近接能力と、解像度をたたき出すレンズ。
防塵防滴仕様です。単焦点でもこうした仕様を用意してくれているはありがたいですね。
岩場を歩く時に重宝するXF16mm F1.4専用の角形フード。
フードは金属なのでレンズを岩場でぶつけちゃっても精神的ダメージがないのがいい。
レンズのプロテクターは水滴を撥水しやすいEXUS(67mm)。
富士山のような塵や砂埃がある場所では精神安定剤にもなります。