ワークアウトに適切な頻度ってあるのか?という議論、一体何が正しくて何が間違っているのか悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
筋力と持久力の両方を得ている私の観点から、ここ1、2年くらいの間で実践している手法をご紹介します。
先に答えを言っちゃうと「生活スタイル、体調、心理的な気分で、頻度・強度を変えている」になります。つまり、一つの手法に依存しないということです。
まず、前提条件として私の体力
・最大筋力(推定値)
ベンチプレス:120kg
懸垂力:125kg
デッドリフト:190-200kg
・持久力(灼熱の夏場を除く)
25kgの荷物で標高差1500m、8時間以上の山行が可能
無雪期のソロ日帰り登山なら登攀ペースが500-600m/h
客観的に見て一般的な体力ピーク時の男性よりも筋力・体力の両方を兼ね備えていると言えます。それも自重系+加重のワークアウトで維持・向上できております。決して一つのやり方に固着しません。状況に応じて柔軟に対応できる自分なりの手法を確立しています。
「一つの手法に依存しない」とは具体的にどういうことなのか?
以降は私のライフスタイル(ネイチャーを追う)に合わせた手法をご紹介します。是非、ご自身のスタイルに当てはめて考えてみてくださいね。
もくじ
低セット多頻度は無雪期にやる
低セット・多頻度は無雪期になると採用する手法です。
この時期になるとブナの新緑や各地の山でお花が咲き出します。条件さえ合えばほぼ毎週のようにあちらこちらへお出かけします。片道で5、6時間移動することもザラにあるわけで、結構慌ただしい日常を送る季節になります。
そんな日常の合間を縫ってワークアウトをやっているわけです。この時期は筋力アップというよりは維持できればいいやくらいな気持ちでやっています。
何を第一優先するのかはあなた次第。私はその季節にしか見られない自然の優先度が高いです。筋力は維持でいいのです。この時期はね。
ボディメイク的な手法で、この日は肩、この日は脚を徹底的に鍛えましょうみたいななやり方が合わないんですよ。この季節に限って言えばですけど。
特定部位の疲労を蓄積したまま山に行くのはパフォーマンス低下を招き、強いてはその疲労が仇となって事故に繋がってしまうリスクを孕んでいます。リスクという懸念を排除してこそ可憐なお花と戯れることができるんです。
ですから、ワークアウトのやり方を考えねばなりません。
そこで見つけた答えが低セット・多頻度のワークアウトです。この日には必ずこれをやる、というのではなく複数の部位を一度に刺激を与えて週に2、3回やるというやり方です。
例えばこんな感じです。(実際にはかなり変動する)
月曜日:懸垂/逆立ち腕立て3〜5セット
火曜日:OFF
水曜日:片足スクワットを3〜5セット
木曜日:ディップスを5セット
金曜日:懸垂/サイドレイズ(チューブで)を3〜5セット
ここでのポイントを説明します。
(必ずしもこの通りにはやらないし、やり方はかなり変動する)
月曜日は登山後の疲労が残っている状態です。具体的には脚、お尻、脊柱起立筋を酷使した後なので、ワークアウトをやっても無駄です。ですから影響度の低いワークアウトをやります。それが懸垂と逆立ち腕立てです。
水曜になると下半身の疲労は抜けているので片足スクワットをやります。週末までには疲労を残したくないのでその間に回復できる強度でやります。
木曜は加重をしてディップス。あまり多くやりません。私的には大胸筋に対する優先度が低い部位なので。
また金曜日に懸垂をやります。自重で広背筋狙いで丁寧にやる感じ。ただし追い込まない。刺激を与えることが目的です。疲労を持ち越したくないので。
加重はやったりやらなかったり。あくまでも筋力維持なのでこの辺りは適当です。あまりシビアにやりません。上がることを確認するイメージです。
高セット低頻度はアウトドアからちょっと遠ざかる時期にやる
高セット低頻度のワークアウトは、初冬から厳冬期、梅雨続き、梅雨前線が入る季節になると採用する手法です。
この季節は泊まりでガッツリと登山をする機会は少なく、晴れ間に日帰りでサクッと行ける山に行くことが多いです。(とは言っても8時間くらい歩くこともあるけど)
したがって、ワークアウトによる筋疲労が登山に与える影響度が低くなります。そのため、特定部位を集中的に鍛えることが多いですね。この時期は筋力アップを狙います。言い換えれば心置きなくワークアウトに集中できる期間でもあります。
例を挙げます。たまにジムへ行くという前提です。(必ずしもこの通りにやらないし、内容はかなり変動する)
月曜日:加重懸垂(上腕狙い)
火曜日:逆立ち腕立て or オーバーヘッドプレス
水曜日:片足スクワット
木曜日:OFF
金曜日:加重懸垂(広背筋狙い)
土曜日:加重ディップスやアップライトロウ
日曜日:デッドリフト (または片足スクワット)
週末の懸垂とディップスは加重と自重のミックスです。セット数は加重と自重を合わせてそれぞれの種目で10〜15セットこなします。同一部位を特定の日に集中的にやる感じですね。
そして3週に一度、ジムでデッドリフト をやる感じ。その場合、脚のワークアウトは週1で済ます時もあります。デッドリフト では脚力も使うので。
足は週2回くらい刺激を入れる感じです。理由は単純で上半身ほど追い込みたくないからです。タイミングが合えばお山さんにお出かけしますので。
サーキット系ワークアウトは季節問わず予定が立て込んでいるときにやる
大人の事情で週末の時間を使うことがあります。当然、山にも行けないし週末のワークアウトに時間をかけることもできません。
そんな時にやるのがサーキット系ワークアウトです。平日のちょっとした空き時間にやっちゃうんです。3周くらいを15分くらいでサクッと。
例えばこんな感じです。
月:タオル懸垂/逆立ち腕立て/ハンギングレッグレイズ
火:片足スクワット/ブリッジ
水:ワイド懸垂/加重ディップス/ハンギングレッグレイズ
木:ブルガリアンスクワット/ケトルベルスイング
金:加重懸垂/腕立て/腿上げ
やる気が起こらない時はワークアウトはやらない
身も蓋もない言い方になりますが、やる気のない時はワークアウトなんぞやりません!
「やる気の問題だ!」という言葉があります。その通りです。やる気のない人間には体を作れません。
それでも言います。やる気が起こらない時はワークアウトやっても無駄。休むのですよ。音楽でも聴いてゆっくりコーヒーでも飲んでリラックスするんです。
第一に集中力を発揮できません。散漫なワークアウトをやって終わりです。やる気が起きない時は体や神経が疲れている時なので休むのが一番です。
結論:自分の体で検証し最適解を導き出す
色々とやってきて分かったこと。ワークアウトのやり方に万人に通用する答えなんぞないってこと。
滅茶苦茶な言い方をすれば、ガムシャラにやること!(潰れるまでという意味ではない)
必ずワークアウトの記録を取ること!ノートでもいいし携帯のテキストに記録を打ち込んでもいいです。自分が分かりゃいいんですよ。
ワークアウトの記録を見て統計的な感覚を養うこと!長いスパンで見ると傾向性があることに気付きます。
感覚値は、客観的なデータの上に成り立ちます。
客観的なデータは、変哲もないデータの集まりです。
変哲もないデータは、あなた自身の日々の行動です。
なぜ、伸びたのかを考えること!伸びないものは無視してよし!結局は伸びた理由を抽出したいだけなので。
ある特定の動作の種目が伸びた時にやっていたワークアウトは何か?を考えること!つまり、ある動作とある動作の相関関係を探るためです。それが分かればワークアウトの時間を短縮できるかもしれませんよ。
それが確信に変わったら、積極的にワークアウトのルーチンに入れてみること!
ある程度やりこんだら、動作Aと動作Bの相関関係が本当に正しかったのかどうかを確認するために、ある動作Aをやってみること!
たかが数ヶ月やそこらでは分かりません。何年も続けてきて再現性を担保できた時点で本当の最適解が導き出されます。
「自分自身の行動をよく見つめ、よく考えること。そして実践してみること」
結局のところご自身が目指すところを言葉にできなければ、具体的な行動に移せません。先ずは思考を整理するところから始めましょう。
それでは。