岩手山に登った翌週(2020年8月)、ふと思い立って7年ぶりに御嶽山に行ってみた。
初めて御嶽山に訪れたのは今から7年前の2013年8月だった。
当時はスタート標高が2200mにある登山口「田の原」から登山をした。
頂上までの標高差がわずか800mで楽なコース。
でも人が多い。
なんかあまり面白くない。
そんな印象が強い。
なぜ、そのように感じたのか?
理由は単調なコースと風景。
確かに御嶽山は標高も高く存在感が目立つ山だ。
しかし、コースは殺風景で変化に富んでないと感じた。
「もう2度とこの山には行かないんだろう」と思っていた。
そのくらい魅力を感じなかった。
御嶽という山は。
翌年の2014年の9月27日に御嶽山が噴火したことは記憶に新しいところだ。
翌日の朝、私は蝶ヶ岳にいた。
翌朝になってもまだ噴煙が上がってたことを覚えている。
噴火が起きた直後こそ話題に上がった御嶽山だが、いつしか話題にも上がらなくなり自分の世界とは無縁の山になっていた。
遠くから登る山から見えることはあっても「あぁ、御嶽山ね」くらいにしか思ってなかった。
ところが、何が琴線に触れたのか分からないのだが、心の奥底で「御嶽山に行ってみようかな」という思いが湧いてきた。
今回は冬季の御嶽山登山のコース下見も兼ねて、岐阜県側の小坂口コースの拠点となる濁河(にごりご)温泉から続く小坂口登山道から登ることにした。
もくじ
深夜に濁河温泉入りする
濁河温泉はアプローチが少し面倒な場所にある。
なにしろ長野県側の木曽から回り込んでも50km離れているのだ。
深夜に濁河温泉の登山口駐車場に入った時には既に10台くらいの車が停まってまいた。
なんやかんやで寝に入ったのが1時近くだった。
仮眠を取っていると人の声で目が覚めた。
時刻は3時50分。
車が何台か入ってきたようだが、携帯枕のお陰で熟睡していた模様。
おそらく涼しさも手伝って快眠できたのだろう。
(元々は3時半から登山をする予定だったので、目が覚めて良かった)
身支度をして4時10分頃から登山を開始。
夏らしい季節が追いついてないが、夏至が過ぎ刻々と日は短くなっている。
朝の4時だと暗い。
ヘッドライトを点灯させて黙々と歩き始める。
五ノ池山荘まで上がる
濁河温泉から歩き始めて気付いたのだが、小坂口コースって原生林の森なんだよね。
針葉樹の綺麗な森。
まるで北八ヶ岳の森を彷彿させる雰囲気だ。
標高2200mを越えた辺りに「のぞき岩」の看板が出てくる。
ここにはのぞき岩避難小屋がある。
冬季に入る登山者が使うのかなぁ?
朝の樹林帯が美しい。
標高2450mの八合目。
まだ樹林帯が続いている。
森林下界の看板。
標高は2550m(ちなみにスマホに写っている十字マークの中心が2736mだ)。
仮に冬季に登山をしても樹林帯の標高がだいぶ高いので、仮にここで撤退したとしても間近に摩利支天山を見ることができそうだ。
樹林帯では準広角単焦点レンズXF23mm F2 R WRをつけて歩いていたが、ここから上の稜線では、XF16mm F1.4 R WRに付け替える。
摩利支天山。
6時40分頃、五の池小屋に到着。
五の池。
人が立っている向こう側に行くと三ノ池が眼下に見える。
陽光浴びる五の池小屋。
濁河温泉から心地良いペースで歩き2時間30分で到着。
日帰り装備(とは言ってもカメラ2台とレンズ3本持っているが)で、コースタイムの7割と言ったところ。
泊まりたい。
まるで鳥瞰図「摩利支天山」
三ノ池。
この景色を見て御嶽山に対する印象が変わった。
地形が面白いかもしれないなと。
摩利支天山を目指す。
後ろを振り返ると、五の池小屋、その後ろに継子岳(ままこだけ)が見える。
北アルプスもバッチリ見える。
五の池小屋と三ノ池。
前方には剣ヶ峰が聳えている。
その手前の広い場所は一ノ池。
右手に伸びている稜線が摩利支天山へ続いている。
中央部から左斜め上に見えている山は、継母岳(ままははだけ)。
摩利支天山のピーク。
ピークは狭い。
濁河温泉方面を見下ろす。
原生林で覆われている。
花。
また戻って三ノ池へ降りることにする。
三ノ池。
まるでパタゴニアの雰囲気「三ノ池」
パタゴニア地域に氷河に囲まれたエメラルドグリーンの湖が点在している。
ちょっとだけ水の色調が異なるが、三ノ池はまるでパタゴニアの雰囲気を彷彿させる場所だ。
三ノ池の水は透明。
信州側の稜線から三ノ池を見下ろす。
あまり人気がないのか、それとも時間帯が早いだけなのか、歩いているのは自分だけで時折、人とすれ違う感じ。
超広角レンズを置いてきてしまったのでパノラマ撮影。
(レンズはXF16mm F1.4 R WR)
換算24mmでギリギリ入る感じ。
四ノ池へ下りる。
異星の雰囲気「四ノ池」
池という名前がついてるけど水がなかった四ノ池。
ちょっと異星の雰囲気を彷彿とさせられた。
(行ったことないけど)
四ノ池は少しガスってたほうが雰囲気がありそう。
小川も流れている。
四ノ池をパノラマ撮影。
継子岳(ままこだけ)へ向かう途中から四ノ池を見下ろす。
変化に富んだ地形をしている。
継子岳へ
継子岳(ままこだけ)へ向かう。
眼下に見えるのは開田高原マイアミスキー場。
継子岳(ままこだけ)の山頂。
標高は2859m(看板では文字が切れて2358.9mに見えるけど)。
継子岳(ままこだけ)から四ノ池と摩利支天山の方を眺める。
五の池小屋へ向かう稜線。
継子岳(ままこだけ)方面を振り返る。
四ノ池。
ここは光があたって欲しかった。
五の池小屋のテラス。
小屋で何もオーダーしなくても気軽に使わせてくれる。
濁河温泉へ下山
濁河温泉へ下山する。
飛騨側は緑が多い。
摩利支天山を振り返る。
再びレンズをXF23mmF2 R WRへ付け替える。
緑が濃い。
樹林帯。
岩をスナップ撮影。
下山をしたら駐車している車が増えて、一部は駐車場外に車を停めていたが、ごった返すほどではなかったように感じた。
登山口の駐車場から400mほど下ったところにある濁河温泉 市営露天風呂へ。
シャンプーやボディソープの備え付けてある。
公式HP 濁河温泉 市営露天風呂
チャオ御嶽スキー場辺りから御嶽山を見る。
以上が山行の話でした。
超広角レンズを持って来ればよかった…(後悔)
今回はカメラ2台、3本のレンズ(換算24mm、35mm、84-305mm)を持って行った。
- XF16mmF1.4 R WR
- XF23mmF2 R WR
- XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
樹林帯ではX-T3とXF23mm F2の組み合わせで撮影。
摩利支天が見えてきた辺りでXF16mm F1.4へ交換し下山をする時まで付けっ放し。
もう1台(X-T2)はXF55-200mmを付けっ放しにしてザックの中へ。
結論を言うと、XF10-24mmを持って来れば良かったなと。
望遠レンズは雷鳥が出てくることを期待して持って行ったが、残念ながらお目にかかれず。
御嶽山に限って言えばXF10-24mm1本だけあれば80%以上のシーンで撮影ができるのではないかと思う。
次回はXF10-24mmをつけたカメラ1台だけで行こうと思う。
それでは