望遠レンズを使うと、何をどのくらいの範囲を撮影できるのか?
そんな疑問にお答えする記事です。
(てか、私自身、前々から望遠レンズの導入をする際に疑問を持ってた)
望遠レンズと言うと特定の被写体を切り取りたい、圧縮効果を得たい、そんな用途で使うことが多いと思います。
一方では、遠景撮影をした際、どんな被写体をどのくらいの範囲で映し出せるのか?と疑問を持つこともあるのではないでしょうか。
当記事では特に登山で望遠レンズを使うということを想定して、実際にどのくらいの距離を撮影できるのか、ということにクローズアップしていきます。
もくじ
あなたはどこから何を撮影したいのか?先ずは被写体までの距離を知ろう
何をどのくらいの範囲を撮影できるのか、という疑問が生じるシーンは遠景を引き寄せて特定の被写体を撮影したいシーンです。
それはどんな場所なのかと言うと、足だけでは画角が稼げない山です。
遠景を引きせて撮影したい場所 = 足で画角が稼げないけど展望がよく効く場所になります。
それはどこか?思いつく限り北アルプスを舞台に例を挙げてみましょう。
カッコ内は直線距離、距離はGoogleマップで測定をしています(若干の誤差はご容赦ください)。
・燕岳の燕山荘から槍ヶ岳(8.7km)
・大天井岳から燕岳(4.7km)
・大天井岳から槍ヶ岳(5.4km)
・蝶ヶ岳から北穂高岳(6.8km)
・蝶形岳から槍ヶ岳(9.3km)
・北穂高岳から槍ヶ岳(4.4km)
・唐松岳から剱岳(14.2km)
・白馬岳から小蓮華岳(2.3km)
・朝日小屋から白馬岳(8.2km)
・笠ヶ岳から穂高岳(9.2km)
・双六小屋から鷲羽岳(3.7km)
・双六岳から槍ヶ岳(6.3km)
・黒部五郎小屋から笠ヶ岳(8.4km)
共通点は単独峰ではないということです。
地形が入り組んでいる場所でかつ、展望が利く場所です。
被写体をフレームの縦方向に入れた時のサイズを撮影距離とレンズの焦点距離から知る
APS-Cセンサー搭載機を想定して話を進めますね。
APS-Cセンサーのサイズは、23.4mm × 16.7mm です。
縦方向は16.7mm部分に相当する範囲を指しています。
(被写体までの距離 * センサーのサイズ) / レンズの焦点距離
例えば、2km 離れている被写体を100mmのレンズで撮影すると写し出される縦サイズは
(2000m * 16.7mm)/ 100mm = 334m となります。
一覧にするとこうなります(APS-C機の場合)。
被写体までの距離が約2km (例:白馬岳から小蓮華岳)
焦点距離 | 縦に撮影される範囲 |
100mm | 334m |
135mm | 247m |
200mm | 167m |
被写体までの距離が約5km(例:大天井岳から槍ヶ岳)
焦点距離 | 縦に撮影される範囲 |
100mm | 835m |
135mm | 619m |
200mm | 418m |
実例を出しましょう。
燕岳の燕山荘から槍ヶ岳までは直線距離 で約8.7kmです。
200mm(換算300mm)の焦点距離の望遠レンズで撮影すると、縦方向に726m 写し出される計算になります。
(8700m * 16.7mm) / 200mm = 726m
以上のことから、自ずと自分が使いたいレンズの焦点距離が見えてきますね。
色々と考えて2019年9月に導入した300mmの望遠レンズ。
今回は XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS を入手しました。
軽いと評判の換算375mmの望遠レンズ。
AFが早く描写力も良いと噂の望遠レンズ。
それでは。
関連記事
- 風景撮影用にXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを手に入れた理由
- 2000円で買った望遠レンズ、smc PENTAX-F 80-200mm F4.7-5.6で300mm 相当の風景を切り取る
- なぜ登山用に中望遠単焦点レンズFUJINON XF90mm F2 R LM WRを選んだのか?
- 【登山】被写体に命を吹き込む魔法の中望遠単焦点レンズ XF90mm F2 R LM WR
- 登山の望遠レンズ選びで悩む。焦点距離とセンサーサイズから考えるレンズ選び