換算135mm辺りの単焦点レンズを登山で使いたいと考えている人は少ないと思いますが、こんな考えで導入する人もいるんだよ、と内容の記事です。
ついに登山用の撮影システムがほぼ完成しました。
あれほど悩んでいた望遠系レンズがついに確定しました。
FUJINON XF90mm F2 R LM WRを購入したのです。
目に穴が開くほど国内外のレビューを読み込みました。
人のブログを読み漁りました。
Youtubeで動画も探しました。
Twitterや500px、Instagramでも作例を探しました。
しかし、いくら情報に触れても堂々巡りを繰り返しているだけなので、東京SSで望遠レンズを借りて試写をしてきたというわけです。
その結果、XF90mmが私にとってベストだという判断に至りました。
もうこれは実際に使ってみての直感ですね。
頭の中をこねくり回しても得られない感覚です。
今回のお話の趣旨は
なぜ、
- XF90mmを登山用の望遠レンズとして選んだのか?
- DFA100mm Macro F2.8を保有しているのにXF90mm を追加したのか?
- XF55-200mmやXF50-140mmなどの望遠ズームを選ばず、あえて焦点距離が近いXF90mmを選んだのか?
となります。
もくじ
なぜ、登山では圧倒的にズームレンズが支持されるのに画角の自由がきかない単焦点レンズXF90mmを選んだのか?
物理的に足で画角を稼げないのが登山。
多くの人はズームレンズを好むし、私もズームレンズのほうが利便性が高いと思っています。
登山をやっている人なら実感されていると思いますが、特に望遠域なんてちょっとやそっと立ち位置を変えただけでは、画角をコントロールできるものではありませんよね。
それでもなお、望遠域の担当として、単焦点レンズを選んだのか?
単純明快!
描写力が良く、大口径で明るく、気軽に振り回せる大きさで、防塵防滴仕様だからです。
同じく防塵防滴仕様で、大口径の望遠ズームレンズ「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」も選択肢に入れていましたが、ザックを背負いながら行動するには気軽なサイズではありませんので候補から外しました。
登山でレンズを使うならズームレンズの方が利便性が高いのは分かっています。
しかし、自分が使う使うべき画角の傾向が予め分かっているのなら単焦点レンズでもいいと感じております。
もう一つの観点として、ズームレンズで多用している画角が90mm付近だということです。
私がペンタックスのズームレンズ HD PENTAX DA16-85mm F3.5-5.6ED DC WR を使って撮影したデータを見ると望遠端(85mm)で撮影することが多いです。
例えば18〜75mmで撮影した総数よりも85mmで撮影した総数のほうが多いんですよね。
これは広角端の16mm側に次ぐ総数です。
つまり、ある焦点距離という範囲で見た場合は、広角域から標準域での撮影枚数が多いのですが、焦点距離を個別に見ていくと、広角端(16mm側)か望遠端(85mm)でばかり撮影している傾向にあるということです。
その観点からも90mmという画角は使い慣れている画角に近いと言えます。
私の撮影画角の傾向性から考えるとズームレンズって、実は限定的な使い方しかして来なかったのではないかと思っています。
それなら、本当に利便性を求める以外は単焦点の描写力(つまりXF90mm)を選択したほうが幸せになれるのかもしれない、と考えたわけです。
なぜ、ポートレート用レンズとして宣伝・支持されているXF90mmを登山用に選んだのか?
ほとんどのメディア(SNS、フォーラム、ブログ、写真投稿サイト)では、XF90mmをポートレート用のレンズとして作例や記事を掲載しています。
一般的に換算135mm(FUJIFILMの場合は換算137mm)という画角はポートレートという認識が強いですよね。
しかし、中には風景やスポーツ撮影されている方もいらっしゃいます。
例えば フジノンレンズ XF90mmF2 R LM WRのサンプル画像 にはモータースポーツの一部としてXF90mmの絞り開放で撮影された作例などがあります。
こんなの見て、スポーツポートレートみたいな撮影って面白いかもしれないと感じました。
上記の作例は一例ですが、登山の風景撮影で使えないっていうわけではないな、というのが私の持った認識でした。
防塵防滴ですしアウトドアにもうってつけだと確信しました。
XF90mmは絞り開放がF2と明るいレンズです。
パンフォーカスで撮影することはもちろんですが、岩、お花、植物、人物などの被写体を主役とし、前ぼけを作り背景から引き立たせ立体感がある絵作りができることに期待をかけています。
つまり、アウトドアフィールド(登山など)の現場で、特定の被写体を狙い撃ちをするためのレンズとして位置付けました。
なぜ、ペンタックスのKマウントでDFA100mm Macroを運用しているのにXF90mmを追加したのか?
順当に考えれば、ペンタックスK-3にDFA100mm Macroをつけて、X-T2にXF16mmをつけて歩けば万事解決なはずです。
それでもなぜ、ほぼDFA100mm Macroと画角が被るのXF90mmを選んだのか?
それは、絞り開放の遠景撮影でDFA100mmの描写力(解像力)を使うと甘さを感じたこと、パープルフリンジが出ることです。
最大の理由はAF速度が遅いことですね。
裏を返せば絞り開放の描写力とAF速度に関しては圧倒的にXF90mmが上だと言わざるを得ません。
本来、DFA100mm MacroはマクロレンズですからAFが遅くても構わないですよね。
じっくりと撮影するならAF速度も問題になることはありませんし。
ところが、ソロで山に入るならじっくりと撮影できますが人と山に行くとそうはいきません。
これまでにも何度かピント合わせをしている最中に置いてきぼり状態になって小走りで同行者を追いかけたということがあります。
そう、DFA100mm Macroは絞って遠景撮影、開放でポートレートもできるけど、やはり最適な使い方はマクロ撮影なんだなと思います。
DFA100mm Macroはこういう撮影が得意なレンズですよね。
ちなみにXF90mmで撮影すると、限界まで近づいてこれです。
見ての通りDFA100mm MacroとはXF90mmは別物です。
よって、DFA100mmを存続させながらXF90mmの運用は十分に可能なんだという未来が見えたんですよね。
それぞれ全く別物なんです。
もし、お花や植物のマクロ撮影がメインなら、XF90mmは使わずにDFA100mm Macorを使います。
しかし、登山で行動しながらの被写体撮影がメインならXF90mmを選びます。
そのために入手したのですから。
とりあえず、自宅で撮影したXF90mmの作例を載せておきましょう。
いずれも絞り開放f/2で撮影したものです。
これから山でXF90mmを使うのが楽しみです。
それでは。
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