冬になると300mm相当の望遠レンズ欲しくなりません?
実は上の写真、300mm相当のレンズで撮影したものです。
冬になると空気も澄んできて遠くの景色の展望がきくようになります。
緑が少なくなる分、白と黒の世界色が濃くなりますが光を捉えるチャンスが増えると思うんですよね。
そんな時、遠くの景色を望遠レンズで切り取りたくなります。
もくじ
冬になると山に近づきにくい。だからこそ望遠レンズで景色を切り取りくなる
無雪期にはあんなに山に入っていたのに冬季になると気軽に山の懐へ潜り込り込めなくなってしまいます。
理由は登山道までの車道が閉鎖されること、歩けたとしても1日分の山行は登山口までのアプローチで費やざるを得ないことです。
写真を撮るにもある程度の標高を稼がないと迫力ある山の風貌を撮れませんよね。
例えば、冬季とは言えど西穂高岳や八方尾根のようにゴンドラで標高の高い場所へアクセスしやすい場所があります。
どちらも森林限界を越え目の前に迫力のある風景が広がっています。
ですが、公共の施設に頼るということは、時間的な制約があったり、行ったとしても気象条件に見える景色が左右されたりもします。
じゃあ、下界やアプローチしやすい場所から撮影してみたらどうだろうか?
冬季に写真を撮影するなら同じ被写体を色々な場所から見たほうが新しい発見があり刺激を感じたりします。
色々な場所をロケハンしておいてチャンスが来たらそこでベストな瞬間を狙いたくなります。
空気の澄んだ冬なら尚更ですね。
しかし、そのベストな撮影場所が山から近いとは限りません。
山から数十キロ離れていることも多々あります。
富士山なんかいい例ですよね。
相模湾からも見えれば房総半島からも見えるし、北アルプスからも見えます。
そのような場所から勇ましい山の姿を撮るには標準ズームのレンズでは少し物足りなく感じます。
ですから、冬になると望遠レンズが欲しくなります。
登山をやる人にとって望遠レンズの使用場面は限られます。
山の動物を撮る人でもなければ登山においては望遠レンズはただのお荷物になります。
大抵の場合はフルサイズ機(35mmセンサー)換算で100〜120mm程度の焦点距離があれば足ります。
ですから登山者は標準ズームレンズや高倍率ズームレンズを使うことが多いんです。
とはいっても望遠レンズを試したくなるというのが人情というものですね。
APS-Cのセンサーで撮像される風景の実際の距離を算出してみる
実際にはどのくらいの焦点距離が必要になるか計算してみましょう。
APS-Cセンサーを積んでいるカメラを前提条件に話します。
APS-Cのセンサーのサイズは「23.4mm × 15.4mm」です。
センサーの水平方向(横向き)に撮像される風景の実際の距離を算出します。
センサーに撮像される風景の実距離 =(距離 × 23.4mm)/ レンズの焦点距離
被写体から1000m離れた距離から撮影したときに、切り取れる風景の横範囲です。
括弧内はフルサイズ機換算の焦点距離。
超望遠レンズ以外は一桁を切り捨て。
超広角レンズ
10mm(15mm相当)2340m
12mm(18mm相当)1950m
16mm(24mm相当)1460m
広角レンズ
18mm(28mm相当)1300m
28mm(42mm相当) 830m
標準レンズ
35mm(52mm相当)660m
望遠レンズ
100mm(150mm相当)230m
135mm(202mm相当)170m
超望遠レンズ
200mm(300mm相当)117m
300mm(450mm相当) 78m
富士山を三つ峠から切り取る
三つ峠から富士山の中心地までの直線距離は22kmです。
河口湖の標高はおおよそ830m。
富士山ピークまでの比高差は約2900mです。
100mmのレンズを使い縦構図にすれば22km離れた距離から約5170mの範囲がセンサーに撮像されます。
晴れていれば河口湖の街から富士山を収めることができますね。
鹿島槍ヶ岳を小川村のアルプス展望広場から切り取る
アルプス展望から鹿島槍ヶ岳までの直線距離は21kmです。
展望広場の標高はおおよそ900m。鹿島槍ケ岳の比高差は約2000mです。
100mmのレンズを使い横構図にすれば21km離れた距離から約3400mの範囲がセンサーに垂直方向で撮像されます。
目の前に下の小川村や低山があるので、丸ごと鹿島槍ヶ岳を撮ることはできませんが、村と里山の風景をコラボできますね。
とざっくりと事例を挙げてみました。
実際のところ、何mmの望遠レンズがあればいいのだろうか考えてみた
実際のところどんなレンズを持っていればいいのでしょうか。
下の写真は奥飛騨の福地山から穂高連峰を200mmの望遠レンズ(ASP-Cなので換算300mm)で撮影したものです。
中古で2000円で購入したオールドレンズを使いました。
福地山は奥飛騨温泉郷から近い山で穂高連峰まで12〜13kmの距離です。
10km〜20kmの距離感であれば、APS-C機で望遠側が200mm(換算300mm)まであれば迫力ある写真を撮れるかなってのが体感値です。
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それでは。