登山のために上半身を鍛えるということを考えたことありますか?
登山と言えば、脚力と心肺機能を伴った全身持久系の運動、というの一般的な認識ではないでしょうか。
事実、その通りですよね。
しかし、上半身の筋力もあったほうがラクに歩けるんですよ。
上半身の中でも登山にダイレクトで影響する筋肉があります。
それはどこの部位かというと、背骨付近についている筋肉(脊柱起立筋)です。
日常生活では意識することはありませんが一番使っている部位でもあります。
人間の体の中でも強靭な筋力を誇る筋肉なんですよ。
今は学校の体力テストから廃止されているようですが、背筋力の測定がいい例です。
あれって脊柱起立筋の筋力を測定しているんですよね。
筋力ピーク時の男性の平均が130〜140kg、女性が80kgくらいですね。
↑背筋力を測定するマシンはこんなやつですね。
もくじ
デッドリフトをやる理由はテント泊装備で広範囲に渡って行動し景色を楽しみたいから
デッドリフト は3週間から1ヶ月に一度の頻度でやってます。
(※2018年12月時点)
今の私のライフスタイルだとこのくらいの頻度が一番、筋力を発揮できて調子がいいんです。
デッドリフト は脊柱起立筋を鍛えることも目的としてやっているわけですが、
- 前腕
- お尻
- ハムストリングス
- 僧帽筋
も一緒に鍛えられます。
ですが、一番効果を感じているのは脊柱起立筋の強化です。
なぜデッドリフト をやっているのかと言うと、テント泊装備で広範囲に渡って行動し景色を楽しみたいからです。
登山(またはトレッキング)ではザックに荷物を詰めて7時間や8時間行動することが多々あります。
歩いている時に上半身がブレていたら疲れて行動できる範囲も狭くなります。
体のブレは脊柱起立筋が強いほど抑えられるんですよ。
つまり疲れにくいので景色を見る余裕もあります。
これがデッドリフト をやっている理由です。
ちなみに2020年5月現在、ホームワークアウトへ移行したこともあり、脊柱起立筋のワークアウトは
- ケトルベルスイング
- ダンベルデッドリフト
を中心でやっています。
(これでもバーベルで扱っているウェイト並の筋力は維持可能です)
登山者にデッドリフトは必須なのか?
このブログで何度も脊柱起立筋は登山でも使うんだぞー、と言ってきていますが、果たして全員がデッドリフト をやる必要があるのでしょうか?
NO!!!
です。
もし、あなたがトレイルランナーだったり、無雪期に山小屋装備が中心の登山をやるならハッキリと言ってデッドリフトなんかやらなくても大丈夫です。
脊柱起立筋はたださえ荷物を背負って歩いていれば使っていますからね。
あくまでも筋力を維持するという意味で自宅で背筋運動をやるというスタンスでOK。
デッドリフトやその他の代替え種目を含めて脊柱起立筋を強くすべき人は、荷物が多め(重い)で登山をする人です。
それはどんな人なのか?
- 山の中に撮影機材を持ち込んでがっつりと撮影したい人
- 夫婦やカップルでテント泊装備でがっつりと縦走したい男性
私ははソロ登山や相棒と山に行くことも多いです。
男女の体力差から相手の荷物も持ち運ぶことが少なくありません。
明らかにソロで縦走するよりも荷物が重くなるんですよね。
荷物の重さによる姿勢の崩れは樹林帯よりも稜線に出てからの縦走路に入ってからのほうが顕著ですね。
登り切って荷物を支えていた体幹部の疲れが出始めるからです。
このような状況で自分自身も景色を楽しむには体力的なゆとりが必要です。
体力を奪われないように姿勢をキープしながら歩き続けるための筋肉が脊柱起立筋です。
荷物を背負って8時間の行動をするならどのくらいの筋力があればよいのか
私のケースだと無雪期にテント泊装備で2泊3日の縦走をやるときの荷物の重量は25kgになることがあります。
荷物はテント一式の他に撮影機材も含まれています。
この重量で稜線まで登り、テント場までの行動時間を含めて8時間で見積もっています。
登山で一番体力が必要なのは初日です。
荷物が一番重いのも初日です。
ここを乗り切るために脊柱起立筋が大いに働いてくれているのは間違いありません。
さて、脊柱起立筋はどのくらいの筋力があればよいのか?
具体的な数値を言うと、80kgのデッドリフト (ナロースタンス = コンベンショナル スタイル)で、連続20回できれば余裕がある筋力を兼ね備えていると言えます。
重い重量でやればいいということでもないんです。
登山ではザックを背負い長時間行動できるだけの筋力を発揮できる能力のほうが大事ですからね。
その目安が80kgの重量で連続で回数をこなせることです。
なんで80kgのデッドリフト なの?
ワークアウト習慣がある人にとって80kgという重量は軽いです。
一般的な女性でもワークアウト習慣がある人であれば上げられます。
では、この重量で姿勢を崩さずに20回連続できますか?という話なんですよね。
ザックを想像してみてください。
あなたが背負っている荷物は20kgあります。
歩き始めはそんなに重く感じないでしょう?
帰る頃はどうでしょうか?
例えば、横尾から上高地までの道のりを想像してみてください。
食料や行動食が減って荷物がスタート時よりも軽くなってますよね。
でも疲労が溜まって荷物が重く感じて子泣き爺を背負っている気分になってきませんか?
姿勢も前屈みになって何とかラクな姿勢を探そうとしません?
20kgを切ってるであろう荷物でそんな状態ですから。
これ、鍛えている私でも同じですよ。
軽くなったハズの荷物が重く感じる。
これって紛れもなく本来であれば出せるはずの筋力を発揮できてない状態なんです。
軽い物でも筋力を発揮し続けると重くなります。
ですから、軽めのデッドリフトで姿勢を崩さずに連続で実施することで体幹部の筋力を発揮する持久力を鍛えることが肝となってきます。
まとめると…
- 妻とテント泊縦走をやる
- しかし、男女の体力・筋力差がある
- だから歩行ペースを同レベルにするために男性が多めに荷物を持つ
- でもバテていたら折角の景色を堪能できない
- バテないためには、ザックの重みで体がブレない体幹部の筋力が必要だ
- ブレを抑える脊柱起立筋を鍛える必要がある
- そのワークアウトはデッドリフトだ
というわけです。
夏場になると登山で忙しいでしょうから冬の間に鍛えておきましょう。
ちなみに私はデッドリフトを推しますが、代替え動作でも脊柱起立筋を鍛えられますよ。
それでは。