ワークアウトにデッドリフトは取り入れていますか?
胸筋や力こぶ(上腕二頭筋)はカッコイイんだけど、どうも後ろ姿がダサいと感じている方はデッドリフト(に加え懸垂も)を取り入れたら変わりますよ。
デッドリフトは背中に厚みをもたらしてくれる素敵なワークアウト。
脊柱起立筋を中心に、ハムストリングス、ヒップはもちろんのこと、僧帽筋や肩の後部も鍛えることができるんです。
そんなデッドリフトですがジムにバーベルが置いてある環境じゃないとできないと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、ホームワークアウトでもダンベルを使えばハイボリュームという手法で十分な負荷を筋肉に与えることができます。
定期的にバーベルでデッドリフト(記録は140kgで13回)をやっていましたが、ダンベルからでも十分な負荷を感じている実体験から
- 高回数のダンベルデッドリフトで総負荷量を稼ぐという考え方
について発信します。
もくじ
32kgのダンベル2つは77kgのバーベルに相当する(と考えられる)
ダンベルでデッドリフトをやったことがある方なら実感するはず。
同じ重量のバーベルでデッドリフトよりもキツいってことを。
理由は2つあります。
- 可動範囲がバーベルよりも広い
- 「ダンベル×2個 > 実際のバーベルの重量」に相当する
ここではバーベル換算値について触れます。
32kgのダンベルを両手に持ったときの総重量64kg。
この重量をバーベルに換算すると 76.8kg≒77kg に相当すると考えられます。
つまり、ダンベルの重量(片手)の2.4倍がバーベルの重量に換算した重量になります。
ただ、可動範囲がバーベルよりも広いことからも、実際には77kg相当以上の負荷が脊柱起立筋やハムストリングスに掛かっていると感じますね。
体感的には32kgのダンベルを2つ持ってやるデッドリフトよりも65kgのバーベルでやるデッドリフト の方が遥かに軽く感じるはずです。
是非、ダンベルとバーベルの2つ使える環境があればお試しください。
きっとバーベルのほうが軽く感じることを体感できるでしょう。
かなり強引な計算ですが、仮に77kgのバーベルで連続で33回のデッドリフトができれば、最大値は154kgということになりますね。
{77kg×33回 / 33.3(係数)} ≒ 154kg
もし、普段から140kg〜150kgのバーベルでデッドリフトのメインセットを組んでいるのであれば、32kgのダンベル・デッドリフトを30回もやればキツさを体感できると思います。
あなたのやっているデッドリフト の総負荷量は何kg?
体重が70kgくらいでジム通いを数年間やっている人なら、こんな感じでデッドリフトをやっているのではないでしょうか?(あくまでもイメージ)
- 60kg 5rep = 300kg
- 80kg 5rep = 400kg
- 100kg 5rep = 500kg
- 120kg 5rep = 600kg
- 140kg 8rep = 1120kg
- 140kg 8rep = 1120kg
- 100kg 10rep = 1000kg
この場合、総負荷量は5040kgになります。
高重量・低レップがメインの人なら、ウォーミングアップを入れてこんな感じでしょうか。
- 60kg 3rep = 180kg
- 80kg 3rep = 180kg
- 100kg 3rep = 300kg
- 120kg 2rep = 240kg
- 140kg 2rep = 280kg
- 160kg 2rep = 320kg
- 180kg 1rep = 180kg
総負荷量は1680kgになります。
重量は上げているものの、ボリュームとしては少ないですよね。
(ただ、神経系を鍛える意味では悪くないとも言える)
この場合、長時間に渡って脊柱起立筋を使うような動作(例えば、荷物を7時間も8時間も背負って歩く登山など)では実用性が低くなるという問題点があります。
じゃあ、この総負荷量をダンベルで稼ぎ実用的観点から鍛えてみよう、という話ですね。
ミドルパワーの回数を伸ばすことで最大値の底上げに繋げる
総負荷量だけではありませんよ。
ミドルパワー(中くらいの筋力)で回数を伸ばすことで最大値の底上げも狙います。
持久系のワークアウトだと最大値(筋力)が伸びないという意見が一般的ですが、私はそのようには考えていません。
持久系という観点から”回数”に着目した場合、そこそこの回数までなら脚力や脊柱起立筋の最大値は伸びる余地があると感じています。
なぜ、そう思うのか?
このブログでも書いている通り私は登山をやっています。
それなりの荷物を背負うこともあり、自重と合わると総重量が90kgを越えることも珍しくありません。
その負荷で7時間も8時間も歩くわけで、内4〜5時間は登り(標高差を稼ぎ稜線まで出る)に費やすことになります。
この場合、持久系の運動になりますが日常生活圏では得られない負荷(つまり筋トレに相当する)で歩き続けるわけです。
脚のワークアウトを本格化する前、ちょっとしたジムでレッグプレスマシンをやったことがあります。
最大重量(そこのジムでは180kgがMAX)の連続20回をクリアできたと記憶しています。
(今なら、もっとできるんだろうなぁ…)
つまり、それほど足を鍛えてなくても、そこそこの負荷(ミドルパワー)で持久的な筋肉の連続運動をやっていれば、ある程度の筋力は手に入るということを体験しているんですね。
そんな背景事情から、脚の筋肉と連動する脊柱起立筋についてもミドルパワー(中くらいの筋力)で回数を伸ばすことで最大値の底上げを図るというスタンスを取っています。
(注:再現性を担保するものではありません)
2020年7月27日:9ヶ月ぶりにバーベルを握り再現性を確認できました。
更に脊柱起立筋やハムストリングスへの総緊張時間が増えることで、筋肉の発達も期待できると考えています。
高回数で総負荷量を稼ぐ
ここでは32kgのダンベルに3kgのアンクルウェイトを加えた35kgのダンベル、つまり70kgのダンベルで話を進めますね。
(私自身、3kgアンクルウェイトを手首に巻いて32kgのダンベルを持ってデッドリフトをやっているので体感的な話をしやすい)
私は35kg相当のダンベル、つまり70kgのデッドリフトだと連続40回で音を上げてしまいます。
67〜68kgの体重に対しバーベルでセットを組む時は、通常時で140kg、場合によっては160kgを扱うこともありましたが…
70kgのダンベル(片手35kg)でやるデッドリフトは凄まじくキツイ
んですよ。
息は上がるし、ハムストリングスはガクガクするし、脊柱起立筋にも疲労感を感じます。
たったの1セットだけでもダンベル動作から得られる総負荷量は2800kgに及びます。
実際には、1セット目以降はできる回数が落ちていくので、以下の感じでしかできなくなります。
(休憩は5分以上開けないと次のセットに入れないくらいキツイ)
- 1セット目:40回
- 2セット目:20回
- 3セット目:10回
- 4セット目:10回
- 5セット目:10回
この時の総負荷量は6300kgになりますね。
この総負荷量を(強引に)バーベルに換算すると約7500kgになるんですね。
つまり、150kgのバーベルでデッドリフトを5rep 10セットやった負荷に相当するボリュームが得られると言えます。
【仮にMAXに換算すると?】
先ほど1つのダンベルの2.4倍がバーベルに相当すると書きましたね。
35kg相当(※)のダンベル 2つ × 2.4倍
→ 84kg相当のバーベル(但し体感的にはもっと重く感じる)
※「相当」という表現をつかう理由は、アンクルウェイトを併用してるため
最大値に換算すると185kgになります。
{84kg相当のバーベル/33.3(係数)×40回} ≒ 185kg
高回数からの算出のため、実際には誤差があるかもしれませんが、参考値として使えると考えています。
というのも、私の140kgのバーベルだと13回がMAXなので推定最大値は195kgになります。
{140kg/33.3(係数)×13回} ≒ 195kg
ちなみに、Strength levelで計算した結果によると、推定MAXが200kg弱という数字になります。
2種類のやり方を提案
ダンベルを使ってデッドリフトをやる利点は、動作の軌道がバーベルを扱うよりも自由な点ですね。
ここでは2つのやり方を考えてみましょう。
- 一つは、通常のバーベルデッドリフト(ナロー)の動作を疑似的にやる
- もう一つは、台の上に乗ったバーベルデッドリフトの動作を疑似的にやる
です。
公式のプレートサイズ(45cm)に合わせた稼働範囲に合わせて回数をこなす
パワーリフティングで使われるプレートの直径は45cm以下と定められています。
⑨最大プレートの直径は45㎝を超えない事。
引用:日本パワーリフティング協会(総則)
ダンベルでデッドリフトをやるとすればシャフトの高さを22.5cmからスタートすると公式のプレートサイズに合わせた可動範囲を疑似的に再現できます。
(ダンベルだと動作の軌道がバーベルとは異なりますが、ここでは度外視しますね)
例えば、私はフレックベル(FELXBELL)の可変式ダンベルを使っています。
シャフトの直径は18cmです。
プレートの端からシャフトの中心までは9cmです。
フレックスベルのダンベルを使って、公式のプレートを用いたバーベルのスタート位置を疑似的に再現した場合、ダンベルのプレートが床から13.5cmの高さに位置することになります。
シャフトの位置が靴下の上部分に来るイメージですね。
この記事で紹介した高回数のデッドリフトをやるスタイルの動作は、このバーベルの動作を疑似的に再現したパターンの方を指しています。
ダンベルの利点を活かして稼働範囲を重視する(ブロックに乗ってやるイメージ)
なんと言ってもダンベルを使ったデッドリフトをやる利点は、可動範囲を広くできる点です。
仮にフレックスベルのダンベルを使った場合(他のメーカーも大差ないと思う)だと、床にダンベルを置いた状態からデッドリフトをスタートすると、シャフトの位置が高さ9cmになります。
実際のところ、ダンベルを床に着くまで可動範囲を広げると、ガチャガチャ音が鳴って近隣住宅にも迷惑をかけることになります。
そこで、ダンベルのプレートが宙に2〜3cm程度浮く範囲、つまりシャフトの位置が床から11〜12cmの高さで動作をすることになります。
これがどんな位置なのかと言うと、足の甲と拳の間に隙間が3〜4cm程度空く感覚なんですよね(個人差があります)。
(ダーティーな足は無視して頂き)写真で見るとこんな具合になります。
前述したようにダンベルのプレートが宙に2〜3cm程度浮く範囲でやるデッドリフトは、シャフトの位置が床から11〜12cmの高さで動作をすることになります。
つまり、高さ10cmのブロックに乗って床引きのデッドリフト をやっているようなものだと言えます。
直径45cmのバーベルの公式プレートを使った場合、床からのシャフトまでの高さが22.5cmになります。
バーベルの場合だと、10cmのブロックを置いてシャフトの高さが12cmになる計算です。
この動作を実現できるのはダンベルならではのおかげですね。
まとめると
- 擬似的に床引きのバーベルデッドリフトの動作をやる
→ 靴下の高さまで上げ下げする
- 擬似的に高さ10cmのブロックに乗ったバーベルデッドリフトの動作をやる
→ 足の甲と拳の間に隙間が3〜4cm程度空く位置で上げ下げする
です。
ダンベルを使うとどれだけ可動範囲が広くなるかお分かり頂けるのではないでしょうか。
私がバーベルで床引きデッドリフトを組む時のメイン重量は140kg。
対して、台などの上に乗ったデッドリフトは100kgで組んでいました。
同じ回数でも扱える重量は通常時の70%になるんですね。
重量が軽くなるから刺激が入らなくなる、なんてことはありませんよ。
寧ろ、重量が軽くなることで椎間板への負担を減らしつつも、筋肉への刺激は担保できると言ってもいいでしょう。
ダンベルでは可動範囲を広くしたデッドリフトが手軽に実現できます。
- 場所を取りません
- ジムへ頻繁に行かなくてもできます
- いつでも好きな時にできます
扱える重量は落ちますが、ジムにあまり行かずとも脊柱起立筋やハムストリングスを鍛えたい方は、是非、ダンベルを導入してみてはいかがでしょうか。
それでは。
我が家ではフレックスベルのダンベルを使っています。
ウェイトを即座に変えられるうえ、場所を占有しないんですよ。
だから部屋がゴチャゴチャしないし、掃除も楽チンです。
チンニングスタンドの下に敷いてますが、デッドリフトをやる時もこういうのがあると床への傷を防止できます。
(私は普通に1000円くらいで買った銀マットを使ってます)