登山って脚力と心肺機能だけ強ければいいなんて思ってませんか?
実は登山は全身運動なんですよ。
脚だけでなく、胴体や腕の筋力も必要です。
ここで言う筋力とはビルダーみたいなバルクアップした体のことではありません。
骨格に対して適正体重を維持しながらその範囲内で最大限のパフォーマンスを発揮できる筋力(筋持久力も)を備えると言う意味です。
ワークアウトもウェイトやマシンをやるというよりは自重の動作が伴ったワークアウトが多くなります。
その理由は実用性にあります。
想定している人は20kg程度の荷物を背負って歩く人です。
もくじ
登山をする人がやるべきワークアウト1:懸垂
引く系の動作で懸垂ほど実用性に富んだワークアウトはありません。
あなたがハシゴを登る時、上から下に引く動作が伴います。
この動作の筋力があるほど心に余裕が生まれます。
確かに足も使って手でハシゴを掴んでバランスさえ取っていれば何事もなく上に登って行くことができます。
鎖場でも同様ですね。
でも心の余裕のためにもベース筋力のバッファは大事です。
もし、足を滑らしたら?自分の体重を引き付ける筋力は備えていますか?
筋力があるだけで安心感が違いますよね。
そんな時のために懸垂で引き付ける筋力を養っておきましょう。
目指すべきは連続15〜16回の懸垂力です。
これで自分の体重の約1.4倍を引き付けるだけの筋力が手に入ります。
体重が65kgなら約90kgを1回引き付けるだけの筋力に相当します。
これならザックの荷物を背負っていても安心ですよね。
登山をする人がやるべきワークアウト2:ディップス
よく登山のエクササイズとして腕立て伏せが紹介されています。
でもなぜ?という説明が不足しているように思います。
腕立て伏せの利点は顔面強打を回避できるという点です。
例えば足のつま先を岩場に引っ掛けて前のめりに転んだけどザックの荷物と自分の体重を支えるだけの筋力があれば顔面を怪我せずに済みます。
実際に私も20kg以上の荷物を背負っていて転んだのですが、顔面強打を免れた経験があります。
ザックを背負った体を支えるだけの筋力があったからです。
でも、一番役立つのがディップスですね。
岩場がある場所を下山するとき、両手を岩に置いてその間をゆっくりと体を下げて足を地面に接地させるシーンがあります。
ディップスの筋力が強いと20kgのザックを背負っていたとしても余裕で体を下ろすことができます。
反面、この筋力が弱いと体をドスン!と落さざる得ません。
目安としては自重で連続20回です。
これで体重の150%分の筋力が手に入ります。
あなたの体重が65kgなら97kg相当の筋力です。
これなら重いザックを背負っていても平気ですね。
登山をする人がやるべきワークアウト3:ブルガリアンスクワット
スクワットよりもランジです。
登山では片足づつ動かす動作が伴っています。
この動きに即したワークアウトがブルガリアンスクワットです。
ブルガリンスクワットはお尻とハムストリングスに効きます。
特に登山ではお尻の筋肉を使う場面が限定的であるため、なかなか鍛えられるシーンが多くありません。
そのため、いざ、登山でお尻の筋力を発揮する場面に遭遇した時、ここの筋力が弱いと登山全体のパフォーマンス低下につながってしまいます。
自重だけでブルガリンスクワットをやるなら連続50回は目指したいところです。
登山をする人がやるべきワークアウト4:デッドリフト
ザックを何時間も背負って歩くと体のブレを防ぐために脊柱起立筋が使われます。
脊柱起立筋はデッドリフトで鍛えることができます。
脊柱起立筋だけを鍛えることを目的にするなら、ハーフデッドリフトでも構わないので目安は自重+20kgで10回以上ですね。
できれば20回を目指したいところです。
なぜならば脊柱起立筋は登山中あなたの体をずっと支え続ける必要があるからです。
体を支え続ける持久力も大事です。
登山をする人がやるべきワークアウト5:レッグレイズ
登山は脚だけ強ければいいってものではありません。
脚の筋肉の強さよりも大事なのは太ももを引き上げる腸腰筋です。
ここが弱いと段々と脚を上げるのが辛くなってきます。
足先を引っ掛けて転倒する原因にもなります。
腸腰筋を鍛えるのは登山をするのが一番ですが、もっと手軽に鍛える方法があります。
それはレッグレイズです。
このワークアウト、腹筋だけじゃないんですよ。
腹筋を鍛えるときは膝を少し曲げて足を垂直になるまで上げてお尻が地面から少し浮く感じでやりますが、腸腰筋を鍛えるときは膝を伸ばし気味で足の角度を45度までの範囲で上げ下げします。
回数は1セット30回程度を目指しましょう。
それを3セットです。レッグレイズをやると太腿の付け根に疲労感を感じるでしょう。
以上、登山をする人がやるべき大切な5つのワークアウトでした。
それでは。