「プラントベース 食に移行してみたいけどなんか難しそう」
なーんて思ってませんか?
かつて、私も同じように考えていました。
(プラントベース という概念よりもベジタリアンという概念でしたが)
今、私はプラントベースホールフード主体の食生活を送っています。
肉中心の食生活からプラントベース食へ移行してくるのにそれほど苦労もなく、
振り返って見れば、
- 気が付いたらプラントベース食がメインの食事になってた
というのが本当のところです。
プラントベース ホールフード(Plant Based Whole Food)とは植物性の原材料を使い、なるべくなら丸ごと(未精製食品など)食べようね、というスタイルの食生活です。
(完全菜食主義 = ヴィーガンとは意味やスタンスが異なる)
これまで慣れ親しんできた食事を変えるのは勇気が要ります。
だからと言って歯を食いしばって無理やり変える必要はありません。
そんなのストレスを抱えてしまうだけです。
理想は、知らない間に食生活が変わり快適だなと感じることです。
その目安が1年です。
今回は
- プラントベース食に移行してみたいけどやり方が分からない
という方へ向けて記事を発信します。
もくじ
★肝となるのは調味料
日常生活の中でよく料理への味付けで使われる3大味調味があります。
調味料(和食) | ||
---|---|---|
3大調味料 | 合わせて使われる調味料 | よく使われる薬味 |
醤油 味噌 塩 | 酒 みりん 酒 | 生姜、ニンニク、七味、ワサビ、大葉、ねぎ、胡麻、海苔 |
それは、醤油、味噌、塩です。
しかし、調理で3大調味料を単体で使われることは滅多にありません。
よく合わせて使われる調味料が
- 酒
- みりん
- 砂糖
ですね。
更に薬味が加わることがあります。
例えば、
- 生姜
- ニンニク
- 七味
などがそうです。
洋食ならどうでしょうか?
ベースとなる味付けは塩と胡椒になりますね。
そこにハーブ類やスパイス類が加わりますね。
調味料(洋食) | ||
---|---|---|
2大調味料 | スパイス類 | ハーブ類 |
塩 胡椒 | コリアンダー(パクチー) ターメリック(ウコン) クミン 唐辛子 | ローリエ(月桂樹) ローズマリー タイム バジル セージ パセリ ディル オレガノ |
これまでに、あなたが食べたき肉料理でも上で挙げた調味料が使われているはずです。
さて、ここからが本題です。
調味料をそのまま変えずに、肉を他の具材に置き換えていったらどうでしょうか?
STEP1:赤身の肉(牛や豚)を減らしてチキンに置き換えてみる
牛肉や豚肉が使われている料理って何でしょうか?
ざっくりと思い付くものを調味料別に表にしてみました。
醤油ベース+酒、みりん | 塩、胡椒ベース+スパイス | 味噌ベース |
---|---|---|
すき焼き 牛丼 カツ丼 豚の生姜焼き 豚の角煮 | ステーキ ビーフシチュー/カレー | 豚の味噌焼き 豚汁 |
こうしてみると、肉料理に使われている調味料って単純ですよね。
和食なら醤油ベースに、酒、みりんを加えたものが多いのではないでしょうか。
発想の転換です。
慣れ親しんでいる調味料をそのまま使えば、具材を変えみてもいいのでは?
先ずは、赤身の肉(牛や豚)をチキンに変えてみましょう。
チキン料理なら何がありますか?
醤油ベース+酒、みりん | 塩、胡椒+(ハーブ、スパイス) |
---|---|
親子丼 焼き鳥(タレ) | コンフィ タンドリーチキン 焼き鳥(塩焼き) |
赤身の肉を買わなくなると少しお金が浮きますね。
どうせならブロイラーじゃなく地鶏にしましょう。
STEP2:チキンをひき肉に切り替えてみる
チキンだけに慣れてきたら、今度はチキンのひき肉に変えてみましょう。
チキンのひき肉料理はどんなものがあるでしょうか?
- ひき肉炒め(醤油+みりん+酒+甜菜糖+生姜)
- 鶏団子(塩、胡椒、生姜)+スープ
などなど。
STEP3:牛乳から豆乳に切り替えてみる
赤身の肉からチキンへ切り替えができたら、牛乳を豆乳に切り替えてみましょう。
牛乳は学校の給食で出てきましたよね。
毎日200mlの牛乳を食事と合わせて飲まされたの思い出しました。
牛乳を1日1L飲んでることもありましたね。
しかし、今は飲みません。
牛乳から豆乳に切り替えたんですよ。
豆乳が苦手という人は調整豆乳から入るといいですよ。
少し甘味があって飲みやすいんです。
慣れたら無調整豆乳に切り替えてみましょう。
無調整豆乳にはサラサラタイプと濃厚タイプがあります。
こちらはサラサラタイプで豆乳単体で飲むのに適しています。
私は200mlタイプの豆乳をグリーシーズンの登山で持ち歩いてますよ。
豆乳の最大の利点は、封を開けない限り
- 常温でも長期保存ができる
という点です。
1ヶ月や2ヶ月の保存は余裕(未開封)ですよ。
ですから、山では持ち歩けるタンパク源として貴重なんですよ。
タンパク質の含有量は200g辺り8gちょっとです。
一般家庭タイプならこちらのパックがオススメです。
実は更に濃厚な豆乳があります。
それは飲む大豆です。
タンパク質の含有量も200g辺り12g入ってます。
卵2つ分のタンパク質が摂れることになりますね。
濃度が濃いですからトロトロタイプです。
私はこのまま飲まずに毎朝、スムージ(ナッツやバナナと一緒に)200ml入れて飲んでまーす。
一度、豆乳に慣れてしまうと牛乳って欲さなくなるんですよ。
今まで豆乳の方が癖があると感じていたものが、今度は牛乳の方に癖を感じるようになります(笑)。
STEP4:チキンから魚に切り替えてみる
ここまで来れば、チキンも含め肉がなくても大丈夫になってきますよ(笑)。
肉があれば食べるけど、無いなら無いでいっか、という感覚になるんです。
ここからは肉そのものを魚に切り替えてみましょう。
代表的な魚と言えば
- 塩焼きに合う:鮭、ホッケ、サンマ
- 煮魚に合う:ブリ、カレイ
- 蒸し料理に合う:タラ
- 小魚:ちりめん
がありますね。
どの魚も美味しいですね。
肉なくても大丈夫じゃないですか?
私はプラントベース食として、このSTEP5からSTEP10を同時に取り入れています。
魚はなくても大丈夫だけど、あれば食べる、というスタンスを取っています。
ですから週で2〜4食は魚類を食べています。
(ただし、なるべくなら養殖物を避けている)
STEP5:ナッツ、種子類を取り入れてみる
プラントベースのタンパク源と言ったらナッツ類なしには語れないでしょう。
タンパク質の含有量は15〜25%と肉や魚に匹敵します。
代表的なナッツや種子類と言えば
- ビタミンEが豊富なアーモンド
- 柔らかくてほんのりと甘味があるカシューナッツ
- 風味が口の中に広がるクルミ
- カボチャの種
- 黒ごま
がありますね。
共通点は上記の4種類のナッツや種子類(アーモンド、カシューナッツ、クルミ、カボチャの種)は生で食べられることです。
乾燥さえ保っていれば、保存も効くんですよ。
肉や魚みたく冷凍保存に頼らなくてもいいので気軽ですよね。
私は、アーモンド、カシューナッツ、クルミ、カボチャの種をブレンドして1日100g摂っています。
カロリーは約600Kcal、タンパク質は20g強です。
脂質が多いですよね。
(え!?脂質が多いことが気になるって?)
私の中性脂肪の数値は「49㎎/dL」です。
日本人間ドック学会によると、正常値が30〜149㎎/dLですから、正常値ですね。
寧ろ少な目ではないでしょうか。
【参考】日本人間ドック学会 検査表の見方
ナッツの脂は肉の油と違って固まらないのですよ。
血液サラサラにしてくれるってのは本当ですね。
さて、そんなナッツ類ですが、朝のスムージに入れて飲んでます。
50gの時もあれば、100gを一気に入れちゃう時もあります。
例えば、100gのナッツと先ほど紹介した「飲む大豆」200mlを合わせると30g強のタンパク質が摂れます。
サプリメント要らないですよね。
ナッツは保存がきくので、登山中の行動食・非常食としてもよく持ち歩いていますよ。
先ほど紹介したサラサラ系の豆乳と併用すれば、山で不足しがちなタンパク質も補給できちゃいます。
一番汎用性が高いなと思うナッツはカシューナッツです。
その理由。
- 柔らかいので噛みやすく持ち歩けるおやつになる
- ほんのりと甘さがあって味付けがなくても美味しい
- 表面がツルツルなので食べやすい
- しょっぱい系の炒め料理にも合う
- もちろん、スムージーに入れてもOK
ナッツを少し生活に取り入れてみよう、と考えている方は先ずはカシューナッツを食べてみてはいかがでしょうか。
★昆布出汁と椎茸出汁の取り方をマスターしておこう
さて、STEP6に入る前にマスターしておきたいことがあります。
それは出汁の取り方です。
とは言ってもそれほど難しいものではなく、昆布や干し椎茸を水に浸して出汁を取るだけの話です。
出汁を使う理由は
- 淡白な具材でも味のレベルが一気に上がる
- 味がしっかりするので少量の醤油や塩で済む(減塩)
です。
具体的な出しの取り方は
・昆布なら水1Lに対し長めのものを1本
・干し椎茸なら水1Lに対し40g
が目安です。
8時間くらい放置しておけば出汁が出ますよー。
干し椎茸は中国産よりも国産品の方が味が濃厚ですよ。
どこの地域のものでもいいと思いますが、私はどんこを使っています。
昆布は大きめのやつを。
STEP6:豆腐料理を取り入れてみる
魚と並行して、豆腐料理の比率を増やしてみましょう。
肉 = 魚+豆腐
みたいなイメージです。
豆腐って味気ないように思われちゃいますが、よくよく考えると料理のレパートリーが広いんですよ。
調味料の話を思い出してみてください。
ベースとなる調味料は、醤油、塩、味噌がありましたね。
加えて酒やみりんを加えて調理しますよね。
豆腐も肉料理と同じく調理をすればいいんですよ。
例えば
- 昆布で出汁をとった湯豆腐
- 蒸篭で蒸した豆腐をポン酢でいただく
- 風味がある塩(例えば山塩)をつけて豆腐をいただく
- もちろん味噌汁の具材にも豆腐を入れてもOK
- 水切りした豆腐をサイコロ状に切って、醤油、酒、みりん、甜菜糖、生姜で炒める
- オーソドックスに冷奴としていただく
という具合に色々とできますよね。
豆腐の利点は
- 肉料理のようにベタつかないので後片付けが楽
- 味を外すことはない
- 淡白なのでアレンジしやすい
ことです。
豆腐を選ぶ時のポイントは
- 1パック30円台で売ってる物
は買わない、ということです。
なぜかというと、凝固剤として添加物である消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル)が使われていることが多いからです。
価格は多少高くても凝固剤ににがり(塩化マグネシウム)が使われているものを選びましょう。
(とは言っても1パック100円〜150円程度なものですが)
どうせならミネラルが含まれているニガリも一緒に取りましょ。
高野豆腐もあるぞ!
もう一つ忘れてはならないのが高野豆腐です。
高野豆腐は豆腐から水分を抜いたものです。
水分がないだけにタンパク質の含有比率が多く50%も入っているんですよ。
そんな高野豆腐ですが、私が一番美味しいなと思う食べ方は、干し椎茸(どんこ)とその出汁で煮込んだ人参に、高野豆腐を入れたものです。
やはりここでも調味料として、醤油+酒+みりんのセットが登場します。
調味料の黄金比率です。
まずこの分量で調理すれば外すことはないですね。
- 水1L
- 干し椎茸40g
- 醤油大さじ1
- 塩小さじ1/4
- みりん大さじ2
- 酒大さじ2
- 甜菜糖大さじ2
高野豆腐はカットしてあるものを使うと便利ですよ。
STEP7:大豆を食事に取り入れてみる
STEP3の豆乳、STEP8の豆腐は共通点があります。
それは、豆乳も豆腐も原料が大豆を煮た水分であるという点です。
豆乳は大豆をすりつぶして水と一緒に煮た液体のみを絞った汁です。
豆腐はその液体を凝固剤で固めた物です。
つまり、豆乳 = 豆腐 と言ってもいいでしょう。
じゃあ、STEP8では原料となる大豆にも手を出してみましょうよ、というのがコンセプト。
大豆は固形物です。
ですから、食物繊維も含まれているんですよ。
タンパク質も多いですね。
乾燥大豆であれば33%、煮た大豆なら16%のタンパク質が含まれています。
煮た大豆60gなら10gのタンパク質が摂れる計算になりますね。
一番簡単な調理の方法は、大豆を煮ることです。
水に7〜8時間浸しておき、鍋で煮ます。
圧力鍋でもいいですし、コトコト煮てもいいです。
個人的には時間がない時は圧力鍋、時間がある時はストーブの上で煮ています。
煮た大豆はこんな使い方をしています。
- 山塩を少しかけてご飯にかけて食べる
- 醤油、酒、みりん、甜菜糖、水で煮詰めたものをご飯にかけて食べる
- きな粉こ代わりとしてスムージに入れて飲む
- トマトの煮込みスープやカレーの具材として使う
★簡単なスパイスをマスターしておこう
豆腐や大豆料理では、醤油ベースに酒やみりん、甜菜糖を使った和風料理でしたね。
和風料理は煮込むことが多いので、冬に合うイメージが強いですよね。
では、夏に向かって暖かくなってきたらどんな料理が合うでしょうか?
冷奴を食べてもいいのですが、なんだかそれだけだと寂しいですね。
洋風料理にも手を出してみましょう。
ここでキーワードとなるのが、スパイスとハーブ類なのですが、一番簡単な物はトマトベースの無水スープを作ることです。
使うスパイス類は
- 月桂樹
- ニンニク
- 鷹の爪
の3つがあればOKですよ。
味付けは塩だけです。
基本となる調理方法は以下の4ステップ。
- オリーブオイルでニンニク、鷹の爪を炒める
- 玉ねぎを炒める
- トマトを好きなだけ投入する
- 蓋を閉めて弱火でコトコト煮る
- 塩で味を整える
弱火で煮込むことで、玉ねぎやトマトから水分が出てきます。
加水は不要ですよ。
このスープをベースに、煮たひよこ豆やレンズ豆を入れると立派なメインディッシュになりますよ。
STEP8:ひよこ豆、レンズ豆を取り入れてみる
基本となるスパイスをマスターすると、カレーにも流用できるんですよ。
そこで使いたいのが
- ひよこ豆(ガルバンゾー)
- レンズ豆
です。
使いたい方をお好みで。
(ひよこ豆は水に7〜8時間浸してから、茹でる必要があります)
気になるタンパク質の含有量ですが、茹でた状態なら100gあたり、ひよこ豆 10gレンズ豆 11gです。
スープやカレーとして食べるなら1皿で200gくらい入っちゃいますよね。
タンパク質は20g以上摂れちゃいますよ。
私がよく調理で使うひよこ豆です。
STEP9:穀類を茶色の食べ物(全粒穀物)に変えてみる
この段階に来たら、白い穀類を茶色い穀類に切り替えてみましょう。
具体的には
- 白米より玄米へ
- うどんより蕎麦へ
- パスタより全粒粉パスタへ
変えてみましょう、って話ですね。
つまり、精製されてない穀類(だから茶色い)を取り入れるってこと。
ここでは玄米を例に出しますね。
いきなりフル玄米で食ベる必要はなく、白米とブレンドしてもOK。
実際にブレンドした方が美味しく感じます。
(私は、ですけど)
私は玄米4合、白米1合、押麦1合の割合で6合単位で炊くことが多いです。
玄米の利点は色々と語られていますが、体感的な話をすると
- 便通がとても良い
- だからお腹がいつもスッキリしてる
- 多めに食べても体重が増えにくい
- 持久系動作の持続力が持ちやすい
点です。
フル玄米とまでは行かずとも少しだけ日常生活に取り入れてみると、長い目で体の変化に気付くはずです。
玄米の炊き方はこちらの記事に書いてますので、読んでみてくださいね。
STEP10:卵を減らしてみる
卵って美味しいですよね。
私自身、多い時は4個分を卵焼きにしてご飯の乗っけて食べてました。
「タンパク質だぜ!」なーんて思いながら。(苦笑)
ですが、今は卵からフェードアウトしています。
完全に卵断ちをしたというわけでもないのですが、プラントベース 食に切り替えてきたら、あまり食べなくてもよくなったんですね。
だからこれを機に卵を減らしています。
卵を減らした結果、どうなったのか、というと、実のところ体調はあまり変化がありません。
ただ、調理する手間が減ったかなぁ。
以上、プラントベース食へ移行するまでのステップをご紹介してきました。
私自身、肉食からプラントベース 食へ移行してきて、体のパフォーマンスが上がってますし、健康診断の結果も至って良好です。
あなたも是非、プラントベース の世界に足を突っ込んでみてください!
その際、「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本が参考になると思います。
プラントベース食とは立場が異なりますが、共通点も多く体系的な知識が手に入りますよ。
それでは。