昨年の9月にXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを導入し、一通り撮影したい季節が一巡したので感想を書きます。
当記事では
- XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを風景撮影用の望遠レンズとして導入を考えている
そんな方へ向けて発信します。
なぜ、風景撮影用のレンズとして扱っているのか少し理由を書いておきましょう。
望遠レンズと言えば、ポートレートやお花撮影が思い浮かびますよね。
しかし、私自身、この領域においては単焦点の中望遠レンズ「XF90mm F2 R LM WR 」に任せています。
なぜならば、どう逆立ちしても被写体の立体感(背景のボケ)を求めるにはXF90mmに勝てないからです。
一方でXF55-200mm は「特定の季節における風景撮影のレンズ」という位置づけで使っています。
特定の季節 = F値を絞って遠景撮影したい被写体がある季節、です。
まだ1年使ってませんが、タイトルに「季節が一巡した」と書きましたね。
これには意味があって、
- 私にとってF値を絞って遠景撮影したい被写体がある季節が過ぎ去った
ということです。
この季節が過ぎ去ったからと言って、XF55-200mmを使わないということではなく使用頻度が格段に減る、というニュアンスを含めています。
もくじ
「F値を絞って遠景撮影したい被写体がある季節が過ぎ去った」の意味
望遠ズームレンズについて私が取っている立場は、
- 足で画角を稼げない場所で使うもの
です。
それはどんなシチュエーションなのかというと、
- 足で動き過ぎると身体的に危険を伴う場所
- 足で動いて焦点距離の差を縮められない場所
ですね。
具体的には晩秋から残雪期にかけての山岳風景です。
そんな場所でF値を絞って遠景撮影を切り取りたいという要求に応えるものがF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISというレンズの位置付けです。
この季節にかけて XF55-200mm を1シーズン使ったので感触が掴めたということを言いたかったのです。
新緑から秋の始まりにかけては、
- 自分が撮影したい被写体のイメージと距離感が掴めている
- 切り取りたいオブジェ的な被写体が多い
ので単焦点レンズを多用しています。
つまり、F値を開放で撮影することが多い被写体が多い季節でもあります。
今後もこのスタンスは変わりません。
このように緑豊かな季節になると、山で使う望遠系レンズは、
- XF50mm F2 R WR
- XF90mm F2 R LM WR
がメインになります。
このように季節によって撮影したい被写体のF値と焦点距離が変わるというわけです。
(ただし、風景を絞って撮影することが目的ならXF55-200mmを持ち歩きます)
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS で撮影した風景
写真はすべてJPEG撮って出し、ノーレタッチのデータを掲載しますね。
使用カメラはX-T2です。
XF55-200mm初出陣の写真です。
天狗山荘のテント場から杓子岳を撮影しました。
夕方に毛勝三山の一部を切り取ってみました。
換算300mmで撮影してますから遠くにある被写体を目前で見ているかのような錯覚に陥りますね。
毛勝三山をフレームに入れたいなと思って少し引いて撮影したもの。
結果、焦点距離は半分になりました。
満月だったのでマンフロットのミニ三脚に頑張ってカメラを固定し、20秒間で露光撮影してみました。
なかなかセクシーじゃないですかね?
縦走路から白馬山荘を撮影。
八ヶ岳方面を望遠で引き寄せました。
ここから本命の晩秋以降の撮影になります。
足で画角を稼げない場所で撮影するのにXF55-200mmは使いやすいですね。
爺ヶ岳。
これは単なるスナップ。
やはり望遠レンズは特定の被写体を引き寄せたいときに使いますよね。
燕岳の稜線から早朝に撮った下界の雲海です。
ここまで引き寄せられるのは換算で300mmに手が届くからなんですね。
松本盆地、諏訪盆地、その向こうに富士山。
美ヶ原にて。
こちらは燕岳を登っている最中に樹林帯から撮影したものです。
遠くにかっこいい雲海が見えたのでXF55-200mmに交換して撮影しました。
晩秋って葉が散った後のダケカンバがいい感じなんですよね。
雲海と言ったら望遠レンズです!
良さげな場所を切り取れる利点がありますね。
西穂高の登山にて。
雲海から少しだけ頭を出した稜線に立っている人がいて、なんかいいなと思って撮影しました。
厳冬期に近づいてくると山間には入らなくなるので少し見晴らしのいい場所からの撮影になりますね。
こんな時、望遠レンズが役立ちます。
雪が降ったときを狙って根子岳に行きました。
XF55-200mmのボケはこんな感じです。
鹿島槍。
直線距離は約60キロあります。
厳冬期の美ヶ原にて。
降り注ぐ雪の向こうに歩く登山者の風景がいいなと思って撮影しましたね。
厳冬期の金剛堂山にて。
ホイップクリームのような分厚い雪面に動物の足跡が見えたので、引き寄せて撮りました。
近くにピントを合わせてf/11まで絞り背景が少しだけボケるように撮影しました。
金剛堂山ってアクセスが面倒な場所にありますが、いい山なんですよ。
こちらは天蓋山から笠ヶ岳を撮影したもの。
レンズ能力のせいで緩く見えてしまうのかという錯覚に陥ってしまいそうですが、暖冬で空気が霞んでるせいなんです。
黒部五郎岳。
冬ならもっと空気が澄んで欲しいですね。
新緑と残雪の山。
引き寄せると迫力が出ますよ。
という具合に写真を紹介してきました。
XF55-200mmは当初の目的通りの使い方をしてきた
さて、ここで幾つかお気づきになりましたでしょうか?
- ほとんどの写真がf/8かf/11で撮影している
- 基本的に光がある時間帯に撮影している
- 普及価格帯のレンズだけどしっかりと写っている
そうです、当初の目的通り風景撮影に特化した使い方ばかりしてきたんですね。
絞って撮影する場面では、抜群の解像度を誇るXF90mm F2 R LM WRに匹敵する絵を出しますよ。
人物を撮影するとこんな感じ
一応、人物を撮影した場合のボケ具合も載せておきますね。
並木がボケていく様子に注目してみて下さいね。
一応、ボケてますね。
次にXF90mmで撮影した例もご覧下さい。
上の写真の半分の焦点距離で撮影していますが、こちらのボケの方が自然ではないでしょうか?
XF55-200mmでも人物を撮影できるけど、やっぱり風景がメインのレンズになります。
最大の利点は、
- 足で画角を稼がない場所で、かつ、絞って撮影したい風景を切り取れる
ことですね。
一方でXF90mmは、人物、距離感が掴めている風景、オブジェ的な被写体の撮影ができます。
X55-200mmとXF90mmは用途が被ることもあるけど、アプローチの仕方が違うんですね。
些細な不満点
XF55-200mmはXF90mmと似たようなサイズ感で望遠レンズとしてはコンパクトですね。
レンズ本体、保護プロテクター、キャップ、フードを合わせても640gです。
最近ではX-T3の購入に伴い、
- X-T3にXF55-200mm
- X-T2に広角系レンズ
をつけて歩くことが多いです。
これも軽量コンパクトだからそれほどストレスを感じずに実現できているのでしょう。
しかし、不満点もあります。
それは非防塵防滴ですね。
写真でも羅列した通り厳冬期に山に持っていく際には少しだけ気を遣います。
WR仕様のXF90mmなら雪面にボン!と置いちゃいますが、XF55-200mmだとボディだけ雪面に少しだけ埋めるようにして、レンズ側が雪でベチャ!ってならないように気を付けています。
上記の点を除けばOKです。
とは言っても分かっていて購入したんですけどね。
私はXF55-200mmを風景撮影用のレンズとして十分に検討して購入しました。
よく考えて手にした物は外しませんよ。
プロテクターは62mmのサイズをつけています。
それでは。