XF90mm F2 R LM WRを導入してから1年が経ちました。
防塵防滴仕様ということもあり、登山の風景撮影用に手にしたレンズですが、想像していた以上の持ち出し頻度が高いレンズです。
その理由って、万能さを秘めているレンズだからなんですよね。
ここで指している万能さとは、表現力や撮影対象となる被写体に対する多様性です。
XF90mmってどんなレンズなのか?
率直に言うと、中望遠単焦点レンズと言う位置付けでありながら、XF16mm F1.4同様に、オールマイティーな香りが漂ってくる、全天候型対応の隠れ万能レンズと言えます。
それでは、どんなシーンで活躍してきたのか見てみましょう。
対象は、人物、動物、お花、自然の中の人工物、山肌、雲、海、夜景など盛り沢山です!
もくじ
お決まりのポートレート(みなさん、この用途が多いですよね?)
私は山で歩く人物を撮影するので、舞台は自然の中が多いです。
言わずもがな、評判通りの写りですね。
ポートレンズと言ったら、XF56mm F1.2という換算85mmのレンズがありますが、山で人物を撮影するには、ちと短い距離感かなって思います。(50mmを使っての感想)
山で歩きながらポートレートを撮影するには、換算137mmってちょうどいい距離感なんですよ。
というのも、登山だと物理的に人と人の距離が下界よりも離れやすいからなんですよね。
XF90mmは防塵防滴で-10℃の耐低温構造のレンズです。
そんなスペックですから、厳冬期の山で降雪があっても気兼ねなく撮影できますね。
これは定番の使い方。
ペット(犬や猫)を撮影する
ポートレートと言ったら、ペットを撮影する人もいるのではないでしょうか?
犬や猫を野外で撮影すると、とてもいい感じに写りますよ。
基本的に絞り開放F2で撮影してます。
AFの食いつきも問題なし!
ちなみに撮影カメラはX-T2です。
こういう散歩姿を撮影する程度なら、なんら不足を感じたことはありませんね。
もちろん、動物の撮影もいけますよ。
シーンは選びますが、水族館のアザラシやイルカ、山の中にいる猿などは換算137mmでも十分に届きます。
お花を引き寄せて撮影する
XF90mmはマクロ撮影はできないけど、季節感を伝えつつも、お花を主体とした風景を切り取るのが得意なレンズです。
登山の最中に撮影。
ちょっと離れた場所からお目当のお花を狙うのに、程よい距離感なんですよね。
お花の群生だけでなく、ちょっと大きめのお花や植物を狙うのもよし!
被写体を浮かばせるように撮影する
これぞ、XF90mmの特権ですね。
特定の被写体を定めて、背景をぼかして浮かばせるように撮影できます。
観察力が上がりますよ(笑)
標準レンズで撮ると何気ない写真も、XF90mmで撮るとドラマチックに写ります。
ほら、普段ならこんな写真なんて撮らないでスルーするでしょ?
XF90mmで撮影をすると立体感がある絵が出ますので、被写体を狙い撃ちしたくなるんです。
山肌をダイナミックに切り取る
換算137mmという望遠の入り口も言える距離感があいまって、いい感んじで山肌を切り取れるんです。
こういう場面はズームレンズのほうが得意ですが、単焦点だからって切り取れないわけではありません。
日本の山なら十分じゃないでしょうかね。
厳冬期でもなければ、山間まで入っていけますし。
下の虹が出ている写真は、小雨と晴れが断続的に繰り返された天候の中で撮影しました。
こんな時にXF90mmが防塵防滴仕様なのは助かりますね。
XF90mmはポトレだけじゃなくアウトドアフィールドでも使いなさいよ、というFUJIFILMのメッセージを感じます。
単焦点ですが、意外と切り取り系がハマるんですよね。
ズームがなくてもとりあえず何とかなることが多いです。
これもそう。
初冬の燕岳に登る途中で撮影したものです。
樹林帯からの撮影ですが、雪景色の山肌をバッチリと切り取ってくれました。
厳冬期になると、山の遠景撮影のために換算で300mm程度の望遠レンズが欲しくなります。
ただ、登山をするなら山間に入っていけますから、XF90mmで全然オーケーです!
下の写真は八方尾根を散歩した時に撮影しました。
XF90mmって軽いんですよ。
重量620g(フード、キャップ、保護プロテクターを含む)という軽さがレンズを気軽に持っていく理由になりますね。
こちらは晩秋と初冬の境目の季節に爺ヶ岳から撮影したもの。
XF90mmは風景として切り取る用途にもバッチリいけますね。
厳冬期の末期に金剛堂山で撮影。
風景って広角レンズだけじゃないんですよね。
雲を切り取って季節を感じる
もちろん、XF90mmは雲の切り取りもイケます。
超望遠レンズで飛行機などと一緒に撮影される方もいらっしゃいますが、風景という位置付けなら換算137mmのXF90mmでオーケー!
夏の終わりが告げる季節の夕方に美ヶ原で撮影。
まるでラピュタの世界ですね。
鉄塔が雲の間からひょっこりと姿を現した瞬間を狙いました。
夏によくある日常。
山の中は、夏の午後になると雲が湧き出てきてドラマチックな風景になる瞬間があります。
ちょうど、テント場や山小屋で過ごしてる頃ですので、リラックスして撮影するには丁度いいタイミングなんですよ。
そんな時に手軽に持ち運びができるXF90mmが役立ちます。
三俣のテント場から丘に上がって撮影。
海でスナップ撮影をする
もちろん、XF90mm は海でのスナップ撮影にも使います。
防塵構造なので多少の砂が飛んで来ても怖いものなしです。
夜に自然の灯りを撮影する
XF90mmは夜の景色もいけますね。
下の写真は絞りF2.8で撮影しました。
こっちは絞りF4で撮影。
という感じで、XF90mmは、様々なシチュエーションで撮影できるオールマイティーなレンズなんですよ。
欠点と言えば、OIS(光学手ブレ補正機能搭載)がレンズについてないこと。
X-T2のボディと組み合わせると、光量が足りない場所、例えば森の中などでは、手ブレが起こることもあります。
そんな時、OISがあればパーフェクトなのになぁと感じることもあります。
とはいえ、ほとんどの撮影シーンでは困ることはありません。
ISO感度は上がりますが、シャッター速度を1/250から1/500まで上げて撮影すれば済む話ですし、FUJFILM機はノイズ耐性もAPS-C機としては高いので。
まぁ、最悪、ノイジーさはLightroomで修正できるので。
という感じで、XF90mmはOISがないという欠点はあるものの、抜群の写りを叩き出し、全天候型で対応ででき、オールマイティーなシーンで撮影できる隠れ万能レンズと言えましょう。
換算137mmの世界をアウトドアフィールドで切り取るぞ!という意気込みを持てる方にピッタリのレンズなのではないでしょうか。
フィルターはつけたほうがいいですね。
それでは。