
週末(連休も)になると北アルプスって混みますよねー。
駐車場の争奪戦から始まり、テント場でさえ早い者勝ちです。
体力勝負なんですよね、いいところが取れるかどうかって。
早い方が有利なんです。
(※2020年に起きたコロナの流行で予約制に変わったところも多い)
でも、山に来てまで人を出し抜くことばかり考えて行動するのってストレス溜まりませんか?
なぜ、特定の場所に人や情報が集まるのか考えたことありますか?
例えば、立山の「室堂」や紅葉の「涸沢カール」です。
大人気ですよね。
情報も多いし、SNSで拡散もされやすいです。
その理由は、アクセスが良くて、ファシリティ(山小屋とか)が揃っていて、景色がいいからなんですよね。
しかし、世の中にはスポットライトが当たらない場所にこそ、煌めく原石が隠れていたりすることがあります。
多少なりとも人生経験を歩んだあなたなら、そんなことを感じたことがあるはず。
まさしく針ノ木岳から爺ケ岳の種池山荘の稜線ルートは、そんな場所の一つです。
雲の平や三俣辺りを好んでいる私ですが、これまでに行った稜線の中ではトップクラスの景色とジオグラフィカルな地形の上を歩いている!という実感を得られるルートです。
プロフィールにも書いている通り国内のみならず海外のトレッキング経験も数多くこなしてきたうえで、針ノ木岳から種池山荘の稜線は素敵だな、と感じていますので、間違いなく世界に誇れる稜線だと言えましょう。
記事の内容は、針ノ木岳山頂から種池山荘にフォーカスしています。
写真で縦走路の様子を紹介した後は、楽しむためのソリューションもご用意しています!
なお、扇沢から針ノ木岳の登山情報について知りたい方は、他の方のブログ情報や山レコなどをご参考ください。
※当ブログには時折、山の記事を掲載していますが、「心が動いた時」の内容を書いています。
もくじ
静かな大稜線(針ノ木岳〜種池山荘)
ゆったりと景色を楽しむなら2日に分けるといいです。
昨年の10月上旬にこんな行程で行きました。
1日目:扇沢 → 針ノ木小屋 (泊)
2日目:針ノ木小屋 → 種池山荘 → 扇沢
それでは、2日目の種池山荘までの様子を写真でご紹介します。
10月に入ると4:20でも真っ暗です。
針ノ木山荘を出発。

5:20、針ノ木岳山頂で日が昇るを待つ。



5:40、黒部湖を見下ろす。

5:50、日の出。

稜線の醍醐味は雲海を眺めながら歩くことです。



鹿島槍ヶ岳が遠くに、稜線上に新越山荘が見えます。
ズームで撮影。

6:44、長い稜線だ!

黒部湖を見下ろす。
だーれも来ません、誰も。

稜線の足場は全体的にこんな感じ。

大町方面は雲の下。
下界にいる人は、「今朝はどんよりしてるね」なんて思っているかも。

時刻は8:00をまわりました。
クールな稜線だ!そして…ガラガラですわ。

五色ヶ原。
チングルマが咲き乱れる季節に再訪したい。

黒部湖を中望遠単焦点レンズ XF90mmで。

針ノ木山荘を中望遠単焦点レンズ XF90mmで。

針ノ木岳山頂。
アップダウンが激しい。
でも絶景!


晩秋のダケカンバを切り取る。

時刻は9:22。
稜線の分水嶺でこんなに季節感が違うんだね!
左側は晩秋に突入した黒部湖方面、右側はこれから晩秋に入る雰囲気を漂わせる大町方面の斜面です。

大町方面。
秋晴れの1日が始まります。

9:34、新越山荘までやってきました。
すでに営業はしてませんので、水の入手はできません。
ですから、行動時間を見越して飲料水を持ち歩く必要があります。

稜線歩きって楽しい!
気持ちいいよね!

10:17、岩小屋沢岳を通過しました。
剣岳は晩秋の雰囲気が漂ってますね。

11:00、種池山荘が見えてきました。
素晴らしい景観ですよね。

もう1枚!
ほんと、だーれもいないんですよ。
みんな、鹿島槍ヶ岳方面に行っちゃうのかな?

秋晴れの日の稜線を独占できるって最高じゃね?

針ノ木岳方面を振り返る。

時刻は11:20前。
もう種池山荘は間近です。
後ろを振り返ると立山連峰が。

前方には、爺ケ岳が。

こうして7時間にも及ぶ縦走路の旅が終わりました。
(実際には針ノ木岳山頂でダラダラしてたので6時間30分くらい)
下界から縦走路までのアプローチも良く、かつ、「週末の日中」という条件の北アルプスの稜線で、かつ、高度感も味わえる混雑知らずの山域って、針ノ木岳から種池山荘の区間だけじゃないでしょうか?
どなたか他にもご存知でしたら教えてくださいね(^_^)
針ノ木岳〜種池山荘の縦走を楽しむためのソリューションを提案します!
針ノ木岳から種池山荘までは6時間30分に及ぶ稜線です。
北アルプスの中でもピカイチの長さを誇る縦走路ですから、どーせなら、じっくりと稜線の雰囲気を堪能してみてはいかがでしょうか。
本項では、縦走路の雰囲気を楽しむためのソリューションをご提案します!
それは…
・途中で水の心配をしないこと
・天候急変時のリスクヘッジができていること
・たーくさん、写真を撮る!(笑)
安心感を担保したうえで、景色を堪能しながら写真も撮っちゃおう!ということですね(笑)
安易に水が入手できると思うことなかれ。飲料水は多めに持っていこう

針ノ木岳から種池山荘に至る稜線は、途中の新越山荘を除き、水の入手ができません。
晩秋になると新越山荘は営業をしてませんから、6時間30分の行動時間を満足させるだけの飲料水が必要です。
そこで、使えるのがMSRのドロメダリーバッグです。
2人以上で行動するなら最大で4Lの水を確保できるバッグがあると安心です。(詳細記事はこちら)
針ノ木岳から種池山荘はエスケープができない!命の担保のために必ずツェルトの携帯を!

どこまでも伸びていく圧巻な稜線。
しかし、裏を返せばエスケープルートがないということです。
万が一、天候が急変したり、怪我をしたらその場で停滞しなければならないかもしれません。
そんな時にあると安心なのがツェルトです。
最悪、岩場でも体に巻き付けることはできますので、低体温症の陥るリスクを軽減できます。
重量も僅か300gです。
重くなる!なんて言わずに300g分の体力をつけてください。
私はアライテントのツェルトを携帯しています。
そして圧巻な景色を堪能して写真撮影も楽しもう

縦走は安心感を担保できてこそ楽しめます!
それでは写真撮影に行きましょうか。
私は欲張って2台のカメラを持って行きました。
今思えばカメラ1台にすればよかったなと思います。
「縦走を楽しむ」というスタイルの登山では、物理的な煩わしさがあったからです。

参考までに、どんな装備で行ったのご紹介しますね。
1台目のボディはPENTAX K-3。
標準ズームのDA16-85mmをつけて歩きました。
2台目のボディはFUJIFILM X-T2。
超広角レンズSAMYANG12mm と中望遠単焦点レンズXF90mmをつけて歩きました。
2019年現在、ペンタックス APS-C機における事実上のフラグシップ標準ズームレンズ。
日中の風景撮影に使うならオールマイティに使えます。
稜線での撮影に使いました。
SAMYANG12mmは針ノ木山荘での星景撮影と稜線の縦走で使いました。
稜線系の撮影ではこの換算18mmの超広角レンズが大活躍でした!
(2019年現在、風景撮影はXF10-24mmに譲り星景撮影専用機にしてます)
抜群の解像度を誇るレンズ。
山肌の撮影で使いました。
ただ、稜線を歩いている最中はそれほど出番がなかったのも事実。
定点撮影が目的でないのなら不要かな。
以上のことを踏まえ、2019年の私なら・・・
ボディを1台だけ持って行きます。
稜線歩きが目的ですから、物理的な煩わしさは排除です。
レンズは広角1本だけ持って行きます。
候補は以下の2本。
XF10-24mm。
ダイナミックな稜線なら超広角レンズ一択でしょう。
それでいて、画角の微調整もできて便利。
雨の懸念があるなら防塵防滴仕様の XF16mm F1.4 です。
はい、換算24mmがあれば稜線の80%は撮影をこなせちゃいます。
広角レンズの使い分けについて知りたい方は下記の記事を読んでみてくださいね。
それでは。