レンズ選びって楽しいですよね。
でもね、自分が使うべきレンズを知らないとレンズ沼にハマって抜けられなくなってしまいます。
そうなんです。
毎日、毎日、あのレンズがあれば…なんて妄想をしてしまう病気です。
結果、大三元レンズを手に入れたけど重過ぎてフットワークが悪くなり、写真撮影をするのが億劫になってしまうという本末転倒なことが起きてしまうんですよ。
だってあの大きさときたら….。
大三元レンズは本気モードで特定の場所でじっくりと腰を据えて撮影をするスタイル用のレンズかな。
フットワークが悪くならないように、自分が使うべきレンズの焦点距離くらいは把握しておきたいですよね。
そう考えている私も自分が使っている焦点距離が偏っていることに気付いてきました。
※注意:
当記事は私個人の見解による統計データです。
そのため、必ずしも読者の方に当てはまるものではないということを念頭に読んでもらえればと思います。
もくじ
ズームレンズだけでRAW撮影した2万枚から厳選した焦点距離をまとめみた
登山中に行動しながら撮影をするならズームレンズがメインになります。
登山は下界とは違い自分の足で歩いて構図を決めるのが難しいシチュエーションに遭遇するからです。
例えば稜線や痩せ尾根。
足で動き回りながらフレーミングをし、うっかり斜面の方に足を踏み入れてそのまま滑落なんて起こしたらシャレになりません。
とはいえ、自分が使っている焦点距離の傾向が分かってさえいれば単焦点レンズでもイケると考えています。
便利なズームレンズもいいけど描写力の高い単焦点レンズを2、3本持ち歩くというのもいいじゃないですか。
話を戻しましょう。
登山中にAPS-C機で撮影したデータをまとめてみました。
一口に登山といっても色々なスタイルがあります。
想定しているシーンは樹林帯を抜け稜線歩きをする登山で特殊な撮影を含まない(お花や雷鳥の撮影)一般的な縦走です。
データはRAWのみで撮影(約19500枚)したもの、かつ、ズームレンズのみで撮影したものに絞りました。
マクロレンズや単焦点レンズは含めていません。
焦点距離はAdobe のLightroomで記録されているデータです。
※当記事を公開したのは2017年3月ですが、2018年1月分までの登山まで含めてデータ取得しています。
- 超広角 10〜15mm (換算15〜22mm) 21.5%
- 広角 16〜24mm (換算24〜36mm) 40.4%
- 標準 25〜48mm (換算38〜72mm) 10.6%
- 中望遠 53〜85mm (換算79〜127mm) 19.5%
- 望遠 88〜200mm(換算132〜300mm) 8%
こうして見ると全体の約70%の写真は広角から標準域で撮影していることになりますね。
85mmまで含めると全体の92%を網羅できます。
一番撮影ボリュームがあるゾーンは超広角から広角域ですね。
10〜24mmでの撮影が全体の62.5%もの割合を占めています。
<追記>
2020年8月に5泊6日かけて歩いた北アルプス最深部(新穂高 ⇄ 高天原や雲ノ平)では、10-24mmでの撮影ボリュームが全体の85%を占めていました。
詳しくはこちらの記事で写真200枚以上使って書いてますのでご覧ください。
2万枚のサンプルから実際に使用した絞り値をまとめみた
次に絞り値のデータも見て見ましょう。
全体の約70%を占めている10〜48mm(超広角〜標準域)で割合を見てみます。
サンプル数は約19500枚です。
F5.0以下で撮影したものは約2400枚でたったの13%にしか過ぎませんでした。
残りの87%のデータはF5.6以上の絞りで撮影をしているということです。
このことから日中の登山では大口径の明るいレンズがそんなに必要ないということが分かりますね。
登山では基本的にパンフォーカスでの撮影になるということが数値に表れています。
登山で使うレンズは明るさよりも、しっかりと描写できるものを選択すればOKということになります。
縦走登山では持ち歩くレンズが2本あれば十分
APS-C機なら10mmから50mm程度までの焦点距離があれば70%のシーンに対応できるんだ、ということが分析したデータからも読み取れましたね。
先にあげた85mmまでの焦点距離であれば全体の約90%をカバーできるので、ここまでの焦点距離まであれば尚良いということになります。
以上のことを踏まえて考えると、2本のレンズがあればカバーできます。
マクロなどの特殊な撮影しないという前提条件で、私がレンズを持って行くとしたら以下の2本(ペンタクスのKマウントの場合)になります。
- SIGMA 10-20mm F3.5
- DA16-85mmF3.5-5.6(※日帰り登山はこれ1本あればほぼOK)
※2021年10月現在、上記の構成がFUJIFILM Xマウントのレンズ、XF10-24mmとXF16-80mmに置き換わっています。
16-85mmでも全体の70.5%を占めています。
仮に超広角レンズである10mm域を外したとしても、16-85mmが1本あれば全体の70%のシーンで撮影に対応できるということですね。
縦走登山の70%までのシーンで対応するならフルサイズ機換算で24〜100mmあたりのレンズ1本でOK。
※2021年10月に栂海新道を縦走した際は、FUJIFILMのXF16-80mm(換算24〜122mm)1本で歩きました。
ご自身がお使いのメーカーに置き換えて下さいね。
- PENTAX Kマウント: HD PENTAX DA16-85mmF3.5-5.6ED DC WR
- FUJIFILM Xマウント:XF16-80mmF4 R OIS WR
- Nikon Zマウント:NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
(※ NIKKOR Z 24-120mm f/4 S が2022年2月に発売予定) - Canon RFマウント:RF24-105mm F4L IS USM
- SONY Eマウント:FE 24-105mm F4 G OSS
縦走登山で90%までのシーンに対応するなら、上記の標準ズームに加え、超広角レンズを2本目のレンズとして加えると表現の幅が広がります。
特に広角レンズは逆光に強いので標準ズームでは撮影できない条件下でも楽しく撮影できることが多いです。
- PENTAX Kマウント:DA12-24mmF4 ED AL[IF]
- FUJIFILM Xマウント:XF10-24mmF4 R OIS WR
- Nikon Zマウント:NIKKOR Z 14-30mm f/4S Z
- Canon RFマウント:RF14-35mm F4 L IS USM
- SONY Eマウント:Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS E
と、いう具合に標準ズーム1本、それから超広角域の焦点距離をカバーしたレンズをもう1本持てばOK。
縦走以外の登山ではマクロレンズや望遠レンズも登場する
実際には縦走登山だけをやってるわけではありません。
季節限定になってしまいますし、まとまった時間の確保も必要です。
季節ごとに登山の目的が変わったりしますよね。
花の時期ならDFA100mmの中望遠マクロレンズを加えます。
なお、2021年10月現在、FUJIFILMの接写リング(MCEX-16)を使っています。
コンパクトなので登山に持ち歩いても邪魔になりません。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
冬で遠くの山容を撮りたい時は望遠レンズ(2021年10月現在、XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRを使用中)を加えます。
それでは。